SHUFFLE! 小説FAQ
どのヒロインのルートにも入らず、プリムラも人界に残った状態で二学期が始まった、という設定です。
その為、どのヒロインも未だ重要なネタバレはされていない状態で物語が始まります。
小形聖史 氏です。
装画・口絵イラストは原作の原画も担当する西又葵&鈴平ひろ 氏です。
本文イラストはコミック版の作者である日下皓 氏です。

リシアンサス 編
広大なる雲海に、幾多の浮島が連なる神々の世界。
無数の小世界が複雑に結びついた悪魔たちの世界。
物理法則に支配された人類の領域。
十年前、太平洋上のとある「遺跡」で異世界に通じる二つの「扉」が発見され、神界・魔界・人界は数千年ぶりの繋がりを持ちます。その影響で、人界は政治的・経済的・宗教的・軍事的にも大混乱に陥りますが、神界・魔界の王が「経済的に豊かだが宗教的なことに無頓着な某国」と国交を結ぶと発表すると、「某国にだけうまい汁を吸わせてなるものか」と一致団結します。これを総称して「開門」と呼びます。
「開門」から二年後に、問題の某国で人界各国の首脳と神王、魔王が集結して行われた式典において発表されたもの。
神具のひとつで見る者が見れば卒倒しかねない逸品ですが、シアからすれば昔から家の奥にある日用品のひとつ。
緑葉樹の自称。
緑葉樹の他称。
シアが購入したポップでキュートな悪魔っ子が表紙の魔道書で、ブックオンで100円で叩き売りされていた偽書です。
二重存在体(ドッペルゲンガー)を生み出す呪詛です。
「これで二股もOK☆ドッペルゲンガー・キャンディ♪」と紹介されています。
「ドッペルゲンガー・キャンディ」のレシピに書かれていた仕上げに使う魔法の呪文。
対象の心と身体を解呪されるまで眠らせてしまう神術。
困った人を助ける魔法を使う少女は、特殊なコスチュームを身に着けて、正体を隠しつつ活動しなくてはならないという鉄の掟が人界にはあると、口車に乗せられたネリネが扮装した魔法少女。
本来は幽体離脱を行う時に、自分の体の場所を忘れないよう保険のつもりで使う魔法の道具で、「二重存在体」探しにも応用できるものです。
優勝者に、体育祭3日前に行われる投票によって選ばれた「勝利の女神」からのキスが与えられるバーベナ学園体育祭の特別種目です。
魔法技術の平和利用として、環境対策の為に試験的に自然公園に張り巡らされた結界で、自動車の喧騒など周りの騒音が聞こえなくなっています。
遠見の術具で、人界の光景を眺めることなど造作もなく、幼いシアはそれを使い毎日のように稟の姿を覗き見していました。
神魔共存、三界宥和を唱えた若き武神であったユーストマは、かつて開いた小さな穴を通じ、単独で魔界に突入。十年の歳月を経て生還し平和を求める神々を束ね、見事竜殺し(クーデター)を成し遂げ、旧習と伝統に凝り固まった旧体制を打倒し、新時代を築き上げました。
霊子の残滓が魂の一部を再現し続ける現象。
霊的な核を依り代に結びつけた、精霊と同じ一種の霊的生命体。
魂を剥き出しにした状態で存在を維持できる一種の特異現象。その存在は確認されているものの原理原則はいまだに一切不明の存在。
秘密の相談などに重宝する正八面体の水晶アイテムで、樹は在学中に「乙種魔法技術取扱免許」を取得している為このアイテムを使用できます。
体育祭で各クラスの有志たちが思い思いの扮装で行う応援合戦で、亜沙たちが行った大道芸。
料理部の部長に代々伝わる伝説のアイテムで、中華鍋と巨大お玉。
まったく新種の完全な呪詛で、シアの施した未完成の「二重存在呪詛(カーズ・オブ・ドッペルゲンガー)」の方程式を利用して、裏シアが不足部分を自分で継ぎ足し「幽体離脱(アストラル・プロジェクション)」を試そうとしたことにより偶然生まれた呪詛。
ローマ神話における門や戸口の神。正反対の方向を向いた二つの顔を持つ男性神であり、物事の表と裏を見る力がある。事の初めと終わりをつかさどるとされ、神々の先頭におかれる。門や正月など、あらゆることの始原と入り口を司る神だと考えられました。
タマネギの根、ヒマワリの種、タイの目玉、ニワトリの足、サルの左手、マンドラゴラの産毛、カラスの溜め息、ユニコーンの尻尾、ドラゴンの爪の垢、笑い苦しむ妖精の涙、などです。
術者を呪い殺すことはなく、もうひとりの自分となりデートの身代わり試験の代行などしてくれる魔法のコピーロボットが出現します。
ドッペルゲンガー・キャンディを飲み、一晩眠れば同じベットに寝ている状態で出現します。
二重存在体を裏シアの魂を宿らせる依り代にし、直に話をしたかった為。
すべての呪詛は神界・魔界双方で禁呪に指定されており、禁忌破りは例外なく極刑になります。
人界を自分の目で見て回りたかったことと、引きこもってしまった裏シアに神界以外の場所を見せたいという思いから、ひとりで町中に抜け出した為。
シアと続けていた「交換日記」がユーストマに見つかり、シアが厳しく叱られた為。
自分に「永遠の羊飼い」を行使し、その存在の主導権を裏シアに渡そうと考えていました。
「環境保護結界」をベースに作り上げた独自の結界を自然公園の中に作り、その幽玄の世界の中に居ました。
「幽体離脱呪詛」によって意識はシアの中に残したまま、感覚だけ人口精霊と同調した状態の裏シアでした。本体は未だシアと共にあり、手足・目・耳・口だけが切り離された状態になっています。
稟が缶ジュースを買いに行ってる間に、疲れて眠ってしまったシアと入れ替わってしまい、戻ってきた稟と出会っていました。その際、自分は裏シアだと口を滑らせてしまったものの、稟は気付いていない様子だったので、裏シアも覚えていないだろうと思っていました。
本来なら禁忌破りは極刑になるところを、裏シアがすべての刑の引き金を引く執行人となることで、罪を軽くするというもの。
シアへの刑罰は、自分の手で「二重存在体」である裏シアを消すこと。裏シアへの刑罰は、シアの手によって「二重存在体」としての自分が消されること。
もともと「二重存在呪詛」の素地を作っただけのシアは禁忌違反とは言えず、実際に使われた呪詛も「二重存在呪詛」ではなく新種の呪詛だった為に、今回の禁忌違反は例外だらけの異常事態となり、「二重存在体」となった裏シアが、シアによって消されたという事実をもって政治的にも解決に至ったようです。
稟に会いたかったということもありますが、自分がシアの存在を消そうとしている「二重存在体」という呪いだと認識させ、稟の必死な様からシアに躊躇いを無くさせて自分を消させようとしました。
3ヶ月ぶりに一時帰宅したものの、今度は南米へ最低半年の単身赴任へと出発しました。
勝利の女神は楓で、ほぼすべての男子生徒が敵に回ったのとは逆に、ほぼすべての女子生徒が楓を応援する為に稟の味方となった為、稟が優勝しました。
土見稟。

ネリネ 編
実験体特有の特徴である瞳の色のこと。
魔王の血脈であることを示す瞳の色のこと。
中間試験で50点以下の科目が4教科以上あると、土日を含む毎日午後5時から午後9時までびっちりみっちりマンツーマンでしごかれまくる悪夢の日々のこと。
三界の輸入出規制品目を取り決めた条約。
文化祭が初めて行われた5年前は、まだ魔法規制法も審議中で京都条約も締結前であった為、当時の「文化祭実行委員会」は表向きは健全な文化祭の用意を進めながら、裏では「一部の生徒が独断専行で暴走した」という名目で思う存分暗躍し、超法規的措置のオンパレードを敢行しました。そして「一部の生徒」は徹底的に正体を隠しつつ鉄の結束で結びつき、それにより誕生した非常識な秘密結社が「文化祭補完委員会」と呼ばれるようになりました。文化祭の準備期間中に限り、実行委員長が生徒会室倉庫にあるコードの切れたダイヤル式黒電話を使うと「文化祭補完委員会」に連絡できるようになっています。
個人の才覚に頼りすぎていて、同じ呪具を用いても使い手の力量が違えば効果は異なります。攻撃魔法においてのその威力は、術者の心理状態によって大きく変わってしまい、変身魔法においては、人間を犬に変身させることはできても、どの種類の犬になるかは術者の想像力と被術者の霊的な属性に左右されてしまいます。
体系立った神界の魔法とは違い、不安定で個人依存性が極めて高いが、より魂の根源に近いところに作用する強力なもの。
樹ですら使えない高等魔法で、特定の人物とまったく同じ姿に変身させられる術者は、三界全体を探しても数える程しかいない代物。
「三世界平和宣言」の式典のあとに行われた晩餐会で、庭先で歌いだしたネリネの美声に、神界の歌姫が『天使の鐘は魔界にあったのですね』と言ったことにより、魔界で一気にその名が広まってしまったもの。
稟に料理部の出し物を手伝わせようとした、チャイナ服に身を包んだ亜沙のことで、悪の秘密結社「料理部」の首領。
リンリン・ネリーを助けるべく、巫女風衣装に身を包み現れたリシアンサス。
事前に人物と衣装二着を方程式で括っておいて、稼動させるまでに一方の衣装を層の異なる場所に織り込んでおく魔法。副次方程式を利用すれば、髪形や化粧なども織り込むことができます。しかし、魔力消費が激しい為、重すぎるものや高度な呪具は織り込むには相当な魔力を要します。
「文化祭補完委員会」の老婆が電話で口にした言葉で、魔界に伝わる古いことわざです。
魂の波長を合わせること。
魂の波長を完全に合わせること。
魂の音階(オクターブ)まで完全に一致させ、異なる魂が完全にひとつになること。
巫女装束を改造した魔法少女の衣装に身を包み、稟に入れ知恵しネリネの透明化魔法を解除し宣戦布告しに来た裏シア。
衣装担当の特権をフル活用し、自分の衣装は後回しにしたうえに地味な割烹着にしてしまった楓。
両親の事故による楓との一件があった後で、シアやネリネと会う直前。
フォーベシイの計らいで、病弱で寝込んでいたネリネに、初めて外出を許されたリコリスが挨拶しにきたのが初めての出会いです。その際、誰にも会いたくなかったネリネが、早く帰って欲しいが為にリコリスにプレゼントしたのが、ネコのヌイグルミで、リコリスにとっては生まれて初めてのプレゼントでした。そのネコのヌイグルミは、贈り物の喜びを味わって欲しいという思いから、プリムラに託されることになります。
不条理でありながら不合理であったものの、8年前の出来事を夢に見た影響で、出会った時のネリネと現在のネリネの瞳の色に違和感を感じました。
人界に「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、同類は友になりやすく友は同類になりやすく、ずっと一緒に居たり心の底から認め合っていれば、お互いの魂が「共鳴」して波長が似てくる現象があります。裏シアが特殊な存在であった為、シアを通じて稟と裏シアの波長が合ってしまった為のようです。
シア・裏シアに出会う1日前です。
1ヶ月前ほどから交換日記を再開し、二人で魂の「同調」の訓練をしていた為。
何気にプリムラに声を掛け、振り向いたプリムラの瞳の色を見た瞬間、8年前の出来事の一部が甦り、別れ際に少女がリコリスと名乗った事を思い出した為。
実験体第二号計画と第三号計画はほぼ同時期に始まった為、三号体であるプリムラは二号体であるリコリスと同年代といだけでなく、稟たちとも同年代ということになります。
いざという時の為に二年前から練り上げた「忘却の旋律」という魔法を、口付けで稟の身体に直接入れ、「ネリネ」という魔族に関する記憶を完全にすべて忘れさせようとしました。
駐車場のブロック塀の上で見た夕陽とそれに照らされた町の景色を、また一緒に見ようという約束。
二年前です。
6月に公園で、8年前のリコリスとまったく同じ状況で稟と初めて出会った時に、それだけで恋をしてしまいました。
「文化祭補完委員会」に個人用の最上級抗魔結界(アンチマジック)を用意してもらい事前に使用していたことや、「忘却の旋律」という魔法はネリネの単純なミスで、「ネリネ」に関しては忘れさせたとしても「リコリス」のことまでは忘れさせることが出来なかった為。
『どうして元気なのはネリネではなく実験体の私だったの?』というリコリスのネリネに対する想い。
三族共存に対する反発に対して、現地住民の理解を得ようとした神王・魔王の提案によって文化祭を開くことが決定され、バーベナ学園の文化祭は当局も可能な限り便宜をはかることになりました。しかし当時の生徒たちがあまりにもパワフルだった為、使えるものなら猫の手から国連軍まで、ありとあらゆるものを利用して文化祭をもりあげようとした伝統が残っている為です。
■クレープ屋
稟のクラスの出し物で、楓・稟・樹の3枚看板のおかげで特に宣伝しなくても客は多かったようです。
■踊る大追跡屋
隣のクラスの出し物で、校内の有名人 (楓・稟・樹など) を追跡・撮影したものを軽食・飲み物を販売しつつ延々と流し続けるというもの。
■兄貴部屋
ボディービルディング部の出し物で、ビキニパンツだけを履いたマッチョ系の男子生徒によるポールスタンドダンスの披露。壮年女性層から熱烈な支持を集め、売り上げトップを記録。
■陸奥五郎の愉快な虫王国
生物部の出し物。
■魔法少女のクレープ屋
稟のクラスの出し物で、普段着は制服だが変身すると魔法少女になる女子生徒が店員のクレープ屋。
■マーメイド喫茶
水泳部の出し物で、部員の親戚の知り合いである本物のマーメイドを客寄せに使い、人魚マニアをターゲットにした出し物。
■降霊喫茶
野球部、ソフトボール部共同の出し物。
■好き好きお兄ちゃん☆
新入生の出し物で、変身魔法で犯罪的なまでに幼い美少女に変身した店員が『いらっしゃいませ、お兄ちゃん☆』『お兄ちゃん・・・もう帰っちゃうの?』とか言ってくるアイスクリーム系の軽食喫茶。
■仔猫のお部屋
猫耳メイドと猫耳レオタードの女子生徒と、本物の猫を変身させた美少女が店員の店。
■僕らの店
全員が美少年に変身し、客の前で美少年同士のキスシーンを含んだ恋愛劇を展開するケーキ系の喫茶店。
■ラプラスに挑戦!
科学部の出し物で、統計的未来予測 (相性占い)。

芙蓉楓 編
男女が口付けをかわすことで、魂の波長を「共鳴」させ、互いの力を飛躍的に高めるという神界にある重要な魔法儀式です。しかし女神は生涯を通じて一人の男性としか誓約ができず、これが神界の一夫多妻制に関係しています。シアは一度目のキスを幼い頃に、二度目のキスを体育祭で交わしており、事実上、稟と誓約を結んだ状態にあります。裏シアとの「同調」が成功したのは誓約によるシアの魔力上昇の影響ですが、もともと犬以下の魔力しかない稟にはほとんど影響がありませんでした。
左右の瞳の色が違う状態のことで、医学用語では虹彩異色症。日本語では金銀妖瞳、金目銀目などと呼び、同義語にオッドアイ、バイアイなどがあります。
三界を結びつける「扉」が安置された超古代文明の遺跡がある太平洋上に浮かぶ直径10キロメートルの孤島そのものを「遺跡」と呼びます。三族共存に反対するテロリストから「扉」を守るという表向きな名目のもと、神王軍・魔王軍・国連軍の各精鋭部隊が現在も駐留しおり、「扉」を通過し神界・魔界に行くだけなら海外旅行と同じ気分で利用できますが、「遺跡の下」は度重なる一般公開要求が却下され続けている場所です。外から確認すると直径10キロメートルの円柱が海のど真ん中に突き立っている状態で、円柱の下は海底深くまで続き、上は海抜マイナス30メートルまであり、その上に堆積した土砂が島を形作っている状態です。なお現在は三界共同事業として、周囲にフロート式の海上基地が作られており、南側には全長2キロの滑走路を持つ「遺跡空港」があります。
神界の文献によると最低でも地下1000階層以上あると予測され、現在は地下539階層まで解明されています。各階層は地下迷宮のような作りになっており、ゴーレムなどのモンスターが出現します。「扉」がある場所は現在は第1階層にあたり、もともとは地上1階にあったそうで、素数にあたるもともとの階には「扉」や「真実の鏡」などの「遺失工芸品」が存在していますが、移動可能なものは魔界の研究所で調査中だそうです。
三世界が平和だった1万年以上前にあったと考えられる超古代文明の時代に生み出された貴重な錬金術の遺産です。
近付いた者の心に秘められている想いを噴出させる、一種の自白装置。
家訓その一 : 約束は守る。
家訓その二 : 好き嫌いはしない。
家訓その三 : 早寝早起き。
家訓その四 : 家族や友達とも挨拶をする。
家訓その五 : 誰とでも仲良しになる。
バーベナ学園に入学してからの出会いなので、1年半ほどの付き合いになります。
百年以上前に偶発的に生まれた「穴」を通り魔界にやってきた人族の末裔を母に、魔族を父に持つ混血児。十年前の「開門」時に人界に移住して来ましたが、魔界に居た頃は混血児であること、右目が「鮮血の赤(ブラッディ・レッド)」、左目が「蒼海の青(オーシャン・ブルー)」という「双眸異色」であること、魔力がないに等しいことなどの理由で頻繁にイジメを受けていました。昔から負けん気が強かったこともあり、やられたら百倍にしてやり返しているうちにイジメはなくなりましたが、今度は無視されるようになり、魔界には友達が一人も居なかったようです。人界の小学校に移ってもイジメ・無視は続きましたが、この頃に父に買ってもらったデジカメに興味を持ち、写真と散歩が趣味になっていました。中学に入る頃には人界の常識も変わり始め、中学二年の頃には同性・異性・種族問わずに大勢の友達を作っていたようです。
9歳にして、最後にモノをいうのは頭脳、より多くの落伍者の上に君臨する成功者になる為に勉強することが生き甲斐だと断言する、子供ばかりか大人にまで毛嫌いされる子供でした。両親には人並みに愛されており、そのおかげで本当の意味で歪まなかったようですが、小学・中学共にイジメられ無視されていたようです。中学二年の頃になると「小生意気な小僧」から「頭脳明晰な美少年」へと変貌し、女子生徒からの人気が増す反面、男子生徒からのイジメは続いていました。喧嘩も口も強かったようで、やられてもやりかえして病院送りにし、裁判沙汰にもならなかったようです。女性どころか他人に一切の興味を持たなかった樹ですが、この頃に稟と楓の事を知り好奇心から興味を持ち始めたのがきっかけで、それまで言い寄ってきた女性を外見と性格と仕草の欠点を連射砲のように浴びせかけることで追い払っていたのが急に女好きのナンパ野朗へと変身します。
小学校時代からの同級生で、お互いに仲間はずれにされていた影響もあり、グループ決めなどで一緒の班になることが多かったようです。最初はそれだけの関係だったのが、お互いにひとりで、意地っ張りで、中途半端に強く、口が悪かったこともあり、どことなく気が合ったのか暇つぶしの雑談相手程度の関係になっていました。中学に入って、麻弓が大勢の友達を作る一方、樹はずっとひとりのままでしたが、ナンパ野朗へと変身しバーベナ学園に入学して稟や楓と直に出会った事で、友達 (正確には主従関係?) と呼べる関係になっていったようです。
楓が稟のことをイジメている、楓のせいでイジメられていることを知っていたり、女子と会話中の楓が、稟のことを聞かれ本気で『死ねばいいんです』と呟く場面を目撃したことがあり、人として許せなくなった為。楓に対する女子の評判は、妬みでだけでなくもともと真っ二つに分かれていたようです。
稟の為に料理部に入ろうとした楓からすべての真相を聞かされました。
両親に甘やかされた影響で、人見知りが激しく、初対面の人がいると必ず母親の後ろに隠れてしまう、うまく自分を表現できない内気な女の子でした。聞きたくないことには耳を塞ぎ、悲鳴を上げて聞かないようにする癖があり、体もあまり丈夫でなく、ちょっとしたことですぐに熱を出していたようです。しかし楓の一番苦手としていた「我慢する」ことを得意とする稟と出会い、稟に置いていかれたくない一心で、土見家家訓を真似てみたり、考えつくしてから行動するようになり、いつしかクラスの中心的存在になるような女の子へと変わっていく一方、稟には絶対に勝てないと思い続けていました。小学5年になると、恋に恋する年頃でちょっとばかり耳年増になっていて、稟とキスしたり、結婚し子供が出来たときのことを想像するようになっていました。
学校復帰後、稟と一言も口を聞こうとしない楓を察して、稟はクラスメートから無視されるようになります。そして、絶対に秘密にすると約束したうえで楓が『稟が早く帰って来てと呼んだせいで、急いだ母が事故を起こした』と漏らしたことが瞬く間に学年全体はもとより教師・父兄にまで広まり、二人の評判の差が影響し、稟へのイジメが広がっていきました。
今まで通り態度を変えない稟に耐え切れなくて当り散らしたり、わざと食事を作らなかったり、洗濯物をゴミとして出したり、肩が触れただけで叩きまくったり物を投げたり、近くにあったカッターナイフで刺そうとしたりしました。中学になる頃には、稟は初めからいないものとして振る舞い、洗濯・掃除は完全に無視していました。しかし父が二人前食べるのだと言い聞かせ、食事だけは作っていたようです。
自分が熱を出したことが原因で、自分の母と稟の両親を死なせてしまったのだという思いがあったものの、その罪に耐えられる強さを持っていなかった為に、稟の嘘を簡単に信じ、稟を恨むことで自殺という最悪の選択から目を背けていました。
楓自身も心のどこかで気付いていたようですが、中学二年の時に、そのまま黙っていることに耐え切れなくなった楓の父親が真実を語らないという稟との約束を破り、すべての真相を語りました。
熱を出した楓を心配した稟が、出張中の楓の父親に連絡し、報告するだけのつもりで楓の父親が旅行先の楓の母親に電話をしました。その結果、心配した楓の母親が帰ると言い出し、稟の両親の承諾もあって急遽帰宅することになり、その途中、楓の母親がハンドルを握る車が大雨によりスリップし崖に転落していまいました。結果的に稟の両親を殺したのは芙蓉家ということになり、楓の父親はかなり苦しんだようです。
稟への恋心を再度自覚してしまった楓にとって、稟の為に何かする自分が彼に媚びて取り入っているように思えて後ろめたかったようです。恋人になれる資格はないと思い、家族になろうと決意するも、他の女の子と話す稟を見るだけでも胸が痛み、そんな自分が浅ましく思えるのに、やはり稟の為になにかしたいとい気持ちは抑えきれず、矛盾する思いと考えが常に楓の中で激しくぶつかり続けていました。
稟 : 家という意味。大地にドカッと根っこを張って家を構えるヤツになれ。
楓 : 秋という意味。枯れることもまた大切だという楓の父親の哲学。
本来の保護者である魔王に任せるつもりが、プリムラの強い希望により芙蓉家でお留守番。
本来なら例年通り京都か長崎のところを、神王・魔王の計らいで「遺跡の下」へ4泊5日の旅行に。その際、学生には機密保持の為大量の誓約書へのサインが義務付けられ、これを拒否した場合、修学旅行に行けないばかりか来年もう一度同じクラスをやり直すという決定に。
事前に用意された魔法陣で、学園の校庭から「遺跡」まで瞬間転移。
神王・魔王による、「遺跡」の下で暴れてみたかった、「遺跡」上層部にある高級ホテルに娘たちを連れて行きたかった、三族共存反対派に対する罠、土見稟という少年の再評価、という目的の為でした。

時雨亜沙 編
稟ちゃんが放出する稟ちゃんエネルギーを稟ちゃん袋に為込むことで起こる、稟ちゃん変換によって発生したエコロジーかつエキセントリックなパワー。
まだテレビが白黒だった頃に「奥様は魔女」というアメリカ製のテレビドラマがあり、その夫の役名が「ダーリン」でした。そこから愛する人を「ダーリン」と呼ぶことが流行し、いつしか日本語として定着しました。
神界に住む感情を食べる生き物で、物質的な肉体を持たない霊獣。魔力が強いと飲み込まれやすく、幸せな夢から引き出せる幸福感を主食としています。「夢の園(ヒュノプス)」という方程式を対象者の中に展開し、対象者を夢の中へ取り込み眠らせ続けます。
魔界に住む感情を食べる生き物で、悪夢から引き出せる恐怖心を主食としています。
「永遠の羊飼い」の原型であり、対象者が永遠に眠り続ける魔法です。
知的生物が、なんらかの強い感情を抱くと放射する感情ごとに特徴のある微量の魔力。
「裏シア」というのがあまりいい呼び方ではないと思っていた稟が、幻術の一種である鏡像魔法によってTV画面に映っている裏シアにクリスマスプレゼントとしてなんとなく贈った裏シアの名前です。
クリスマスにツリーに飾ったり玄関のドア飾りにする落葉樹に寄生する常緑の小低木で、クリスマスの夜に「ヤドリギ」の下にいる人は『キスしてもOK』というサインになるらしいです。なお、ヤドリギの下でキスすると将来幸せになれると言われています。
クリスマスイヴの二時限目と三時限目の中休み時、トイレに行っていた稟と、今夜のパーティーのことで用事があった亜沙が廊下で話し合ってるところに現れた「夢喰い」が、亜沙に取りつき稟はその巻き添えをくらったようです。
魔力が犬以下しかなく「夢喰い」の影響が少なかった為、亜沙の「夢」という言葉を聞いことがきっかけで気付きました。
稟と亜沙の救出に失敗した反動で「夢喰い」に飲み込まれ、魔力の強さが影響して夢の中に取り込まれてしまったようです。なお楓は普通の人間より魔力が強いようです。
「夢喰い」は一次対象者が記憶を取り戻したところで時勢を過去に遡らせ、夢をやり直そうとします。夢の外からの介入によっての対処が難しい場合は、介入により夢のやり直しを防ぎつつ、「夢喰い」の夢の中での体を壊せば夢の中から抜け出せるようです。
組織的に希少動物を密売するグループがあり、それを壊滅させた時に「夢喰い」だけ逃げてしまい、魔法的な環境が整っている光陽町に惹かれてやってきました。
リシアンサス、裏シア、リコリス、亜沙、亜麻。
まだ「開門」が起きる以前だった為、魔法はもとより神族や魔族の存在も知られておらず、母から受け継いだ魔力のせいで、周囲の人々から「化け物」と呼ばれてイジメられ、それを隠しきれなくなるたびに街から街へと引越しを繰り返していました。光陽町にやってきたのは8年前になります。
もともと高い潜在魔力を宿した魔族の捨て子で、被験者として非道な実験を続けられた結果、魔力の暴走により研究所ごと消滅。しかし爆発の直前に開いた魔界と人界を結ぶ「穴」を通り人界に飛ばされていました。暴走の影響か、記憶喪失となった亜麻は、砂浜に打ち上げられているところを通りかかった青年に助けられ、その第一発見者の青年と18年前に結婚しています。
亜麻との件もありますが、幼い頃のように「化け物」と呼ばれたりすることを恐れていた為。
稟と楓が和解した中学2年のクリスマスイヴに、楓が稟にプレゼントしたもの。稟はそれを3年後の冬になっても使い続けています。
放火による不審火で全焼してしまい、今現在も犯人は特定されていません。その日はリコリスと出会った日から4日後、シアたちと出会った日からは3日後にあたり、稟は家が焼けたショックを忘れる為に、前後に起きた出来事も一緒に忘れてしまっていたようです。

プリムラ 編
その昔、魔界の軍に所属していたことがある大柄な魔族で、体育祭の「無差別借り物競争」の時に、ネリネと対決した八百屋店主です。
当初、電化製品の使い方をまったく知らなかったプリムラが、洗濯機を見て思ったこと。
フォーベシイの反応からすると魔王のご意見番のような存在であり、稟が「文化祭補完委員会」に連絡した際に電話に出た老婆でもあります。
極秘研究の途中報告用に現状を撮影する為に作られた研究所の撮影スタジオで、転移魔法を内包した人界行きの超速旅行券を発見し、駅まで転移してしまい、偶然通りかかった壮年の男性の助けを借りて光陽町までやってきました。
プリムラが持っていた超速旅行券が王宮関係者のみに配布されるプラチナチケットであったこと、目的地が自分と同じ光陽町だったこと、そして何かしらの奇妙な予感があった為。
幼い日に一度だけ研究所を抜け出し、行き着いた公園で座り込んでいるところを迎えに来てくれたのがリコリスであり、そこに似た公園で待っていれば、またリコリスが迎えに来てくれるのではないかと思った為。
雨の日に、稟に「俺が"お兄ちゃん"になるから、土見稟で我慢しないか?」と言われていたこともあり、クリスマスプレゼントは何がいいかと聞かれ、「お兄ちゃん」と呼ばせてもらうことを希望しました。
人界で生活することによってプリムラの魔力が安定し、それによる「命」の研究への成果を確約するのに対して、神界との共存に反対する魔族に神界との宥和を求める契約を行っていた為。
いつかこの幸せが終わってしまうのではないかという恐怖からくる未来に対しての不安。
プリムラを研究所に連れ戻すべきだという声が強まっている為、このまま人界に居続ければ、プリムラはもとより周囲にいる人間にも危害が及ぶ可能性がある。それを考慮したうえで、戻るか残るかを決めて欲しいと、魔王に言われた為。
稟がシア・ネリネとの自主的辞退不可能な婚約をすることにより、すべての関心をプリムラから稟ひとりへと向けさせること。標的となる人物がひとりになれば、神王と魔王が守りやすくなる為でもあります。
プリムラについての研究は失敗に終わったことにするそうです。そして魔王はその事を心配するプリムラに、親しい人が死んでしまうのは確かに悲しいことではあるが、だからこそヒトは一日一日を大切だと実感し生きていけるのだと語り聞かせました。
朝食の後片付け、洗濯、洗濯物干し。
人形に意識を移す魔法には、一度移してしまったら一定時間そこにとどまらなくてはならないという制約があり、その魔法を使って人形に意識を移したキキョウでシアが着せ替え人形遊びをした為。シアも人形に意識を移し、キキョウの着せ替え人形になるという妥協案で解決しました。