527 名前:392[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:56:15 ID:7PA/o0By
>>400ー409 の続きです。
528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:56:51 ID:7PA/o0By
「ごちそうさまでした」
日曜の午後、芙蓉家では朝から色々あって少し遅めの昼食が今終わった。

「楓、今日これからちょっと出掛けるから。」
キッチンで片付けをしている楓に稟が呼び掛ける。
「はい、わかりました。御夕飯はどうします?」
片付けを終えた楓が稟に向き直り応じる。
「夕飯には帰るよ。買い物に出掛けるだけだから。」「買い物ですか?でしたら私が…」
稟の言葉を聞くや、即出掛ける準備に入りそうになる楓。
稟は、そんな楓を押し留めて言う
「いや、個人的な買い物だから自分で行こうと思う。それに…」
言いつつ稟は楓に近付き、彼女の左首筋に手を当て言葉を繋げた。
「こんな箇所にキスマークの残る楓を人前に出すわけにもいかないしな…。んっ…」
そしてそのまま右首筋にも口を寄せ、キスマークをつける。
「ぽー……」
「そういう訳だから行ってくる、楓」
稟は口を離し、顔を赤らめぽーっとしている楓に告げる。
「あと、今日も食事美味しかった。ご馳走様。昼食も朝食も。」
「ぽー………え?あ!はい!お……御粗末さま…でした……。いってらっしゃい…稟くん。」
稟の出掛けの最後の一言で我に返り、耳まで真っ赤にして稟を見送る楓。
楓の顔は、この後数十分赤いままだった。
529 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:57:31 ID:7PA/o0By
家を出た稟は、繁華街に来ていた。
「さて…どうしようか」
稟が思案にふけっていると、突然後ろから誰かに抱きつかれた。
「だ〜れだ?」
「はぁ…亜沙先輩…」
稟が呆れながら振り返っると、そこには案の定亜沙の姿があった。
「あったり〜。よくわかったわね、稟ちゃん。」
「…往来のど真ん中でこんなことしてくるの、亜沙先輩ぐらいですよ。」
亜沙を引き離した稟が嘆息して答えていると、亜沙と一緒にいたのであろう、カレハもいつのまにかこちらに来ていた。
「こんにちは。稟さん。」
「こんにちは、カレハ先輩。今日は二人でお出かけですか?」
カレハと挨拶を交わした後、稟は二人のどちらにとなく問い掛けた。
「ええ。今日は亜沙ちゃんと映画を観に。」
「その帰りに稟ちゃんを発見したってわけ。稟ちゃんこそ今日は一人?楓は?」会話の為に道の端に寄りながら、亜沙が聞く。
「日曜の昼下がり、こんな所に一人なんておかしいわね…。…稟ちゃんもしかして、浮気?
相手は!?シアちゃん?リンちゃん?まさかリムちゃん!?それとも大穴で麻弓ちゃん!!?」
「まままあ!正妻を家に残して夫は外で遊び歩き…。まままままあ!」
暴走して突っ走る亜沙と、妄想全開のカレハ。
二人とも、端とはいえ人通りのある歩道の中であるにもかかわらず、興奮して喋りまくる。
530 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:58:09 ID:7PA/o0By
「ちょ、ちょっと待ってください!」
稟は慌てて二人の口に手を当て黙らせる。
「もがもが……。な、何するのよ、稟ちゃん。…は!まさか今日の狙いは私たち!?カレハ、大変!」
「ままままあ。稟さんの毒牙はついに亜沙ちゃんと私の肉体をも…」
何をしてもますます酷くなる。暴走妄想スパイラル。
「ああもう!黙ってください!!今日はアレですよ。その…アレ、楓の…その、誕生日…。」
突っ走る二人を止めるべく、稟が話す。
「なーんだ、面白くない。ていうか…そっか、もうすぐ楓の誕生日だもんね。
何買ってあげるの?やっぱり指輪?車?家…はあるか。」
「まままあ。浮気がばれて怒る楓さんをなだめるために、指輪を…。まままあ」
ケロっと態度を変える亜沙と、止まらない妄想を続けれカレハ。
「…スイッチ入っちゃったカレハは置いといて、何買うの?」
「それなんですよね…。そうだ、亜沙先輩は何が良いと思いますか?」
「まままあ。楓さんの怒りの矛先が亜沙ちゃんに…。ままあ!」
531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:59:08 ID:7PA/o0By
渡りに船とばかりに亜沙に相談する稟。横ではまだカレハが妄想を続けている。
「わかってないわねぇ、稟ちゃん。そういうのは自分で考えないとダメなの。いい?」
「それは…そうなんですが」
うなだれる稟を見兼ねて、亜沙は
「仕方ないなぁ。じゃあヒント。楓はね、稟ちゃんからのプレゼントならなんでも嬉しいの。
それでも稟ちゃんが楓のための物を選びたいなら、あの娘が普段から必要としているものをあげなさい。
ずっと一緒に暮らしている稟ちゃんなら、楓のことが何より大切な稟ちゃんなら
何なりと思い当たるものがあるでしょ?」
「そうか、なるほど。ありがとうございます!亜沙先輩!」
「ままままあ!楓さんが鋸を持ち出して…。ああっ!亜沙ちゃん、逃げてください!」
亜沙のアドバイスに、稟は満面の笑みで礼を言う。カレハの妄想は何だか危険な方向へイっている。
「と、とにかく、後は自分で考えること!いい?
じゃあ、ホントに浮気と思われたら稟ちゃん困るし、私たちもう行くから。ほら!カレハ!!」
亜沙は、稟の謝礼に照れたごまかしに、カレハに呼び掛ける。
「稟さん、やっぱり浮気はいけませんわ。」
亜沙の呼び掛けでようやく現実に戻ってきたカレハだが、まだ妄想が抜けきってなかった。
「もう…カレハってば。じ、じゃあね稟ちゃん。」
「それではまた学校で、稟さん」
「はい、二人ともありがとうございました。」
カレハを引っ張り、あたふたと亜沙は去って行った。

「そうか、楓が普段から必要としているものか…。」
稟は亜沙の言葉を反芻しながら、楓へのプレゼントを探しに街を歩いて行った。
「となると、アレあたりか。それでアレをこうして…」
若干怪しいつぶやきを残して…。
532 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 11:59:40 ID:7PA/o0By
それから三日後の、11月10日水曜日。
学園からの帰り道、稟は自分の傍らを歩く楓に問い掛ける。
「なあ楓、今晩の献立ってもう決めたのか?」
「まだですけど…。稟くん何か食べたいものあるんですか?」
軽くほほ笑みながら楓が答える。
「いや、食べたいというか…。
出来ることなら今日は、熱湯や油の飛び散りそうな料理は避けてくれないか。炒め物とか揚げ物とか。」
「はい。わかりました。それじゃあ今晩は煮物中心でいきますね」
稟の不思議な注文にも、まったく異を唱えず聞く楓。
そんな楓を見ていると、稟は今夜のことを考えて少し罪悪感にとらわれた。が、今夜の為にすぐにふっきる。
533 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 12:00:12 ID:7PA/o0By
冬の日は短い。二人が帰宅した頃にはかなり日が傾いていた。
楓が洗濯物を取り込み、畳み終わった頃にはもうすっかり日が暮れており、
稟はリビングのカーテンを閉め始めていた。
そんな折、洗濯物の片付けが一段落着いた楓が稟に話し掛ける。
「じゃあ今から御夕飯の準備しますから。それまで稟くんは休んでてください。」
稟は、ここぞとばかりに、部屋の端に置いておいた紙袋を持ち出し、楓に応じる。
「その前にさ。これ。」
紙袋から綺麗に包装された包みを取り出し楓に渡す。
「え…稟くん…、これってまさか…」
既に瞳に涙を溜め始めている楓。
「今日は楓の誕生日だからな。気に入ってくれるといいんだけど…。開けてみてくれ。」
言われて包みを開ける楓。中には、淡いピンク色をした真新しいエプロンが入っていた。
「稟くん…ありがとうございます。大切に…大切に使いますから……。」
楓は大粒の涙を流し、包みごとエプロンを抱き締めていた。
そんな楓の頭を撫でて槍ながら稟は更に言葉を紡ぐ。
「楓、今までありがとう。これからもよろしく。」
「はい……はい……稟くん…稟くん……」
言葉にならず泣きじゃくる楓を稟はただ抱き締め、頭を撫でてやっていた。
534 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 12:01:07 ID:7PA/o0By
楓が落ち着いたところで、稟が切り出す。
「楓、早速今日からそれ着けてくれないか?」
「はい。稟くん。それじゃあ今から御夕飯、用意しますね」
名残惜しそうに稟の腕のなかから離れ、エプロンを着けようとする楓。しかし稟の腕は楓を逃さない。
「…稟くん?」
「…そうじゃないんだ。いや、そうなんだけど、そうじゃないんだ」
稟は何かを言いたいが言いにくそうにしている。少し言い淀んだ後、思い切って言う。
「楓、あのさ、裸エプロンって分かるか?」
「…はい。」
稟の様子から察知していたのか、楓はさしたる動揺もなく答える。
一方稟は、そんな様子の楓に多少おののきながらも言葉を続ける。
「そ、それで料理してくれないか」
「……稟くんが…見たいんでしたら…。」
実の所、誕生日プレゼントを貰い、抱き締められ、
頭を撫でられしている内に、楓もかなり盛り上がってきていた。
それも手伝い、稟への感謝の念と愛慕の想いが楓に思い切った決断を即決させた。
「じ、じゃあ着替えてきますね!」
言いつつ楓は、逃げるように稟の腕から離れ、部屋を出ていった。
「あ、ああ」
あまりにもすんなり行きすぎた展開に、稟はやや放心して待つことになった。
535 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 12:02:08 ID:7PA/o0By
数分後、リビングの扉が開く。
「おまたせ…しました……」
入ってきた楓を見て、稟の心臓は跳ね上がらんばかりに鼓動を早めた。
覚悟していたとはいえ、刺激が強すぎた。稟の頭は働きを弱め、月並みな言葉しか紡ぎだせない。
「楓、可愛い。凄く似合ってる」
しかしその言葉に詰まっている愛情を感じ取り、楓もまた無上の喜びを得る。
事実、楓にこのエプロンはよく似合っていた。
陶磁のように白い肌に薄桃色の生地がよく映えている。
胸から膝上まで伸びたエプロン本体は、楓の体全面を覆い隠している。
だが服もなく密着しているそれは、楓のボディラインを顕に描いている。
形の整った胸、その先端の突起、引き締まったウェスト、なだらかなラインのヒップ。
その全てが、張りついたエプロン越しに稟の目に入る。
肩から背後に回された紐は背中でクロスし、横腹のリングにかけられ、腰の後ろで結ばれている。
その様が淡い色のコントラストを生み出し、より一層楓の可憐さを際立たせる。
そして、エプロン本体を縁取るフリルが、更に華やかに楓を彩る。それはまるで稟を誘う花のような印象を与える。
「稟くん…じゃあ…御夕飯準備しますから……り、稟くんは…そこで…見て……待っててください……」
言って楓はキッチンに向かう。
「“見て待ってろ”…まあ、そういうことか…」
稟も、その楓の言葉の意図することを理解し、今の楓を“見て”、食後のお楽しみを“待つ”ことにした。
一旦料理にかかれば、楓の行動は早い。服装のことや、稟の視線など気にする様子もなく
いや、秘部の光の照り返しを見れば、やはり気になるようだが、
少なくとも表面上は気にせずテキパキと仕事をこなしていく。

そして食後。食器を洗っている楓の背後に近づく稟がいた。
536 名前:392[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 12:05:47 ID:7PA/o0By
すみません。こっから本番ですがまだできてません。
言ってたのよりグダグダに遅れたあげく、こんなヘタレ文章で、更に未完で申し訳ない。
今度こそ!近いうちに投下します。したいです。

 [戻る]