- 194 名前:ネリネ家庭教師を書いた奴[] 投稿日:2006/03/18(土) 00:42:40 ID:SOqfchWN
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今なんとなく陵辱モノ書いてるんだが、投下しても構わんかな?
シチュ作りのために神王&魔王が黒いが、それがNGの人がいるかなと思って。
- 200 名前:黒神王黒魔王[] 投稿日:2006/03/18(土) 22:27:56 ID:SOqfchWN
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>>194です。
投下しますが、陵辱モノです。注意!
パチン――カコン。
小気味よい音の響きに応えるかのように、ししおどしが傾斜を入れ替えた。
さらさらと水の流れる音だけが辺りを満たす。
平日の日中、この住宅街は実に閑静だった。
「うーむ…そう来たか…」
縁側に据え付けられた囲碁版を前に、唸っているのはこの屋敷の主・神王ユーストマ。
パチン
「よし、ここは、ここに…飛車だ」
囲碁版のあるマスに、飛車と銘打たれた駒が置かれた。
「ふーむ…相変わらず神ちゃんは思い切ってくるねぇ……よっと」
パチン
対面の魔王フォーベシイは、済ました表情でその近くにナイトの駒を立てる。
「ぬああっ?! そう来たかっ」
「待ったは無しだよ、神ちゃん」
そうした掛け合いを挟みながら、板状にはパチンという音が繰り返し打ち鳴らされる。
……。
「そういえば神ちゃん」
「ああ? 何だ?」
「例の作戦のほうはどうなってるかな?」
「ああ、アレか」
版状の状況推移は一旦止まる。
神王と魔王。二世界の覇者。
こうして勝負を交わしながら、いくつもの重要な決定が世界の裏で成されてきた。
今回もまた、そんな話のひとつ。
しかし彼らには、今回の懸案についてやや個人的な思い入れがあった。
「メープルには今日、うちのGUU-13がアクションする。稟殿はシアとネリネちゃんに連れ出してもらってるからな」
「すまないね。そっちに全て任せてしまって」
「なに、そっちは"彼岸花"が暴れて大変だったんだろ?
レシピエントの処理はメープルが完全に済んでからのほうがいいな」
「そうだね」
話が終わったのか、二人の意識は再び版上へと移る。
―――…!
「ん…? お隣さんから何か声がしたね」
「どれ…。ああ、もうとっくにXアワーだな。うちの連中が取り掛かったんだろう」
「なるほどね。さてと…はい、これでチェックメイトだ」
「な、なにいいっ?!」
そうして二人はのんびりとゲームを続けたのであった。
- 201 名前:黒神王黒魔王[] 投稿日:2006/03/18(土) 22:37:09 ID:SOqfchWN
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ぱちん、と楓は手元のセレクタを「切」に合わせた。
うぃぃぃぃ…と、労働の名残を漂わせて、足元の掃除機は静かになる。
「これで完了ですね」
楓はケーブルをしゅるしゅると巻き取ると、一息ついてベッドに腰掛けた。彼女の自室だ、何も遠慮はいらない。
「……」
しばらく楓はぼーっと向かいの壁を見ていた。
それは、同居人の稟の部屋がある方向。
その稟は、今はお隣さんの娘――リシアンサスとネリネと連れ立って遊びに出かけ、ここにはいない。
「ふぅ…」
出がけにまで彼女を気にしていた稟を、「わたしのことは気にしないで楽しんできてください」と送り出したはずなのに…気分が塞ぎがちではあった。
「静かだなぁ…」
もうひとりの同居人も、ここにはいない。
プリムラは、例のごとく定期検査のために魔界へ出張中だった。
ひとりでいるには、この家は少し広すぎた。
「んっ…」
楓はのろのろと起き上がると、とりあえず掃除機をかたづけることにした。
家事は一通り済んだ。これを片付けたら、後は部屋にこもっていよう。
楓が出ていって、ぱたんと静かに部屋のドアが閉じた。
……。
「HQ、こちらファントム。メープルが退出した」
芙蓉家の屋根――楓の部屋の窓枠の脇に潜んでいた男は、そうした旨のメッセージを圧縮して、あらかじめて指定された魔力波の位相に乗せて飛ばした。
すると、別口に構えていた専用レシーバー――定常通信魔法の一種が、"指揮官"を表すコード付きで送信されてきた圧縮メッセージを受け取った。
すぐさまデコードし、言語野で直接受け取る。
『HQ、ファントム。スペクタクルによれば、周辺の生体反応密度はボーダークリア。
コード3、アクションだ』
「了解」
短く返信すると、男は口腔に軽く呪文を響かせた。
- 202 名前:黒神王黒魔王[] 投稿日:2006/03/18(土) 22:41:08 ID:SOqfchWN
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かちゃ。
「ふぅ…」
後ろ手にドアを閉めて、ふと楓は目をしばたたかせた。
いつもの見慣れた自分の部屋。
なのに、なぜか違和感を感じる。
何だろう…
楓はきょろきょろと部屋の中を見渡して、とっ、と一歩を踏み出した。
――かちゃっ!
「えっ…?!」
背後から突然響き渡る音。
一度目はただ単純に不意打ちにびっくりして、その音がドアの施錠音であることに気づいた楓は二度びっくりした。
驚きに足元がふらつく。
ぐいっ!
「きゃああっ?!」
そのおぼつかないところに、強く腕を引っ張られた。反射的にそちらを向いた楓だが、目に映るのは何もない虚空と、対面の部屋の内装だけ。
いや、そういえばすぐ目の前の光景が少し、陽炎のように歪んでいるような…?
「…っ、ううっ!」
どさっ
腕を掴む力は緩められることなく、楓はベッドに押し倒された。
のしかかる体重に圧迫される。
苦しげに吐かれる自分の吐息に、楓は目に見えない誰かが自分の上に乗っかっていることを直感した。
透明人間なぞ空想の産物――などと考える余裕はない。
なぜなら――
「え…あ、あああ……」
楓の目の前の空間がぐにゃりとゆがんだかと思うと、インクが染み出すかのように人型の輪郭が象られ、淡い燐光とともにそれは完全な人間の姿へと変わっていったからだった。
「な、なに…? だ、誰、なんですか…っ?!」
思わず身をよじって後に下がろうとするが、その男はがっちりと楓を組み伏せていて、身じろぎをする余地もない。
男は、無言で楓の頬をがっちりと掴んだ。
そして、そのまま上体を倒し、顔を楓の顔へと近づける。
――何をされるかぐらいは解った。
「む、ぐっ……?!」
恐怖で半開きなっていた口を、閉じることを思い起こす前に男の舌が楓の口腔に侵入した。
「むっ、むぐむぐ…んんぅ〜〜っ!」
じわと滲んだ視界の中で、男は能面のような無表情で楓の舌を貪っていた。
ちゅうぅ…ずりゅ…
楓の舌を己の舌で押さえつけた男は、そのまま自らの口腔に充填されていた液体を流し込んだ。
「んうぅぅっ?!」
彼女のファーストキスを蹂躙されながら、粘性の高いその液体が喉奥に押し込まれていく。
口を塞がれている楓は、否応無しにそれを嚥下しなければならなかった。
- 203 名前:黒神王黒魔王[] 投稿日:2006/03/18(土) 22:43:26 ID:SOqfchWN
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「んくっ、んくっ……」
こくこくと喉が鳴り…やがて静かになると、男は合わせていた口を外して、楓を解放した。
「ぷあっ…っ、うっ、はぁ……はぁ」
荒げた呼吸で必死に空気を吸う。
落ち着いてくると、改めて悲しみがどっと楓に押し寄せてきた。
…とりあえず以上です。