511 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 00:42:18 ID:LpQVTNCQ
感動の後に何ですが…
>>378の続き行きます。
陵辱ものですが、えろまで行き着きませんでした…
間空いたのに…
512 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 00:44:49 ID:LpQVTNCQ
「―――Ich biete und halte die Bindung.」
 フォーベシイは目の前に構築された空間制御魔方陣を見て、満足そうに頷いた。
 この陣の作者は、メイガス・ガルテン――フォーベシイが統べる魔界の中の最高峰魔法学府――から
出向してきた、折り紙つきの術者だ。混沌を好む魔族の特性を存分に生かし、因果の限定制御をベース
に空間干渉や存在干渉に長ける。
 もっとも、これほど巨大な陣を展開させている基盤は、フォーベシイの桁外れの魔力であったが。
「神ちゃん?」
 フォーベシイは人間界にいる神王ユーストマに通信を飛ばした。彼らの神格情報、すなわち「世界の
王であるということ」を鍵とした高度暗号は、十分な強度を持って「門」を通り抜ける。
『おう、まー坊。そろそろみてえだな。こっちの配置は終わらせた』
「そうかい? じゃあ、そろそろ送り込むよ」
 フォーベシイは陣への魔力供給量を引き上げた。
 基底状態だった陣の、あらゆる回路がその刺激に励起する。稼働率が指数関数的に上昇し、因果摩擦
――膨大な魔力の零れかすが事象転化を経て音や光、熱エネルギーとして放出される。
「転送を開始する。囚人番号V−00128から149、進み出よ」
 普段の彼とは違い、厳かに告げる様は、まさに魔王という形容がふさわしいものであった。
513 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 00:47:38 ID:LpQVTNCQ
「じゃあお母さん、いって来るね」
「うん…」
 目じりに涙すら浮かべてしょぼーん、とする我が母に、亜沙は思わず苦笑した。
 昨日、夫の単身赴任を電話口で告げられてから、亜麻はずっとこの調子だった。
「ボク、今日は遅くなるけど、ひとりで泣いてたりしちゃダメだからね」
「そんなことしないよぉ…」
 抗弁しながらも、亜麻はすでにしゃくりあげている。
「もぉ、しょうがないなぁ。今日は楓に付き合う予定だから、事情話して早めに切り上げてくるよ」
「うん、ごめんね、あーちゃん…」
 ごしごしと目を擦るさまは、本当に童女のようだった。
 後ろ髪を引かれる思いを味わいつつも、始業間近の時間を告げる腕時計にせかされて、亜沙は家を
出た。
「いってきまーす!」
「うん、いってらっしゃい…」
 ……。
「……はぁ…」
 亜沙の姿が見えなくなった途端、ため息をつく亜麻。
「せっかく、二人でゆっくりできるとおもったのになぁ…」
 とぼとぼと家の中に引き返す。
 思い浮かべているのは最愛の夫の顔だった。
 会社での激務が早朝から深夜にまで及ぶことが常だったので、彼女が夫と共に時間を過ごすことが
乏しくなって久しい。単身赴任に行ったって、実際は何もかわらないようなものである。
 しかし、今回はそろそろ休みが取れるかもしれないと聞かされていたところへの一報だったので、
亜麻の落胆はひとしおだった。
514 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 00:50:06 ID:LpQVTNCQ
「くすん……」
 ソファにぽすん、と座り込む。
 …あーちゃんに心配かけさせちゃったなぁ…
 背もたれにぐてんともたれかかって、亜麻は天井を仰いだ。
 その時だった。

  ―――ビクン

「え…」
 亜麻は目をしばたかかせた。
 むろん、見えるのはさっきと何も変わりない天井だ。
 けれど…
「どうしたのかな…」
 なにか、一瞬、走った、悪寒。

   まるで、たちの悪い悪鬼に魂をくすぐられたような、

   あるいは、小さな羽虫が全身の神経を駆け巡り、飛びぬけていったような、

 この身に伝わった微かな違和感。
「……」
 思わず辺りをきょろきょろと見回す。
 むろん、変わったところは何もない。

 ――ただ、ある程度の術者が、しかるべき知覚魔法を行使すれば見えたであろう。
 この家を包むように魔力位相が変動し、因果が異質に歪められ始めたことを。
515 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 00:54:14 ID:LpQVTNCQ
「あーあ…」
 感じた些細な違和感などは、すぐさま別の思いに押し流されてしまう。
 久しぶりの二人きりの一日…そこで何をしようか。
 亜麻はこれまでいろんなことを夢想したものである。
 二人で買い物にいったり、リビングでゆっくり映画を見たり、あるいは…
「………うぅ」
 亜麻は頬を赤く染めた。
「えっちな子だぁ…」
 俯く。彼女とて一児の母である以上、経験はむろんある。が、日の高いうちからそういった
情事に及ぶということが――たとえその発想だけでも――ふしだらだと思ってしまうのだ。
「あ――…ゃぁ…」
 ほんの少し巡らせた妄想に、下腹部が律儀に反応しだした。
 そこから微熱が立ち上ってきて、亜麻の女性を刺激する。
「ん、ゃ…朝から、こんな…」
 普段より容易にスイッチが入ってしまった自分の身体をいぶかしむ余裕もなく、亜麻はソファ
の上で腰をくねらせてその情動をしずめようとした。
 ぐねぐねと脚を動かす仕草は、しかしもどかしさしか生まなかった。
「ぅんぅぅ…」
 亜麻は浮ついた意識で肩口をオーバーオールから抜いていた。
 はっとして今さらのようにその行為を自覚するも、
「…ささっとしちゃったほうが、かえって、いいよね…」
 誰にともなく呟き、するすると脚も抜いていく。
 Tシャツの裾からはすらりとした白い素足が伸び、その付け根はツートンストライプに覆われて
いる。
「やぁ…もぅ…」
 亜麻のショーツには一部染みが出来ていた。
 それのせっかちさを自ら恥じると、さらに内の興奮は高まっていく――。
516 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/06/12(月) 01:00:31 ID:LpQVTNCQ
…以上です。
…次は頑張ります。

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