609 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 17:56:12 ID:uxkJr7mu
>>515からの続きを。
だいぶ間開けたのに短いです。
すまんです。
610 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 17:56:42 ID:uxkJr7mu
「ぃう…んふぅ…」
 ショーツが汚れてしまう。と、いう考えが頭を掠めたが、
 ぴくんっ
「あぅうっ! …ふぁ、ん…?」
 異常なほど身体が疼く。今も亜麻のクレヴァスは着々と液を分泌している。
 こんな状態で、下着越しではなく直接触ってしまう度胸などなかった。
「ふぅ…ふぅ……」
 息が熱い。
 ソファに沈み込むような体勢が、亜麻に、シャツとブラ越しでも勃っているのがありありとわかる
自らの乳首を見せている。
「ん! ん、ふっ…」
 何も考えずに、それに手を伸ばした。硬く隆起したその先端部分を弄って転がす。
 おそろしいまでの感度。
 身体の疼きは余計に酷くなり、亜麻は悩ましげに鳴きながらソファの上で身をよじる。
「ん、んん! よ、葉さん…っ!」
 亜麻は無意識的に、自らを慰める指の持ち主を自分の夫にすり替えていた。
 夢想していた夫婦二人で過ごす時間――朝食を挟んで語りあったり、一緒に買い物に出かけた
り――の中には、当然こういう行為も含まれていた。
 彼女が夫と交わらなくなって久しい。
 それがひとえに夫の多忙さによるものであるから、亜麻は湧き上がる想いを慰めるため、娘のいない
ときにこうした行為にふけるのは珍しくなかった。
「ひ、んぅうっ!」
 布越しにクリトリスを指が掠めた瞬間、電撃にも等しい感覚が亜麻を通り抜けた。
 いくら何でも、おかしい。自らの感度に対しての亜麻の疑念は極限まで膨れ上がっていた。
 しかし、それ以上に激しい快感がすべてを押し流してしまう。
「んぅ、ううう! うぁう、ふあああっ!」
 ついにはショーツをずらし、その割れ目に指を侵入させ、亜麻は鳴き声を一段高くした。
611 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 17:57:26 ID:uxkJr7mu
「う――」
 時雨家の遥か高みの中空で、映像転送プロトコルの管制をしている一人――スペクターの
映像処理班スペクタクルの一員――は、眼下の光景に思わず反応してしまった自分の逸物に声を
あげ、それから誰にも気づかれていないか辺りをきょろきょろした。
 周りには他にも数人のスペクタクル班員が魔法作業をしている。
 ここはスペクターが構築した存在欺瞞領域である。生物や物体などの現実存在を「存在して
いない」と世界に対して見せかけることによって、この世の因果をキャンセルする。当然、可視
光線を反射したりしなければ、重力が作用することもない。領域内の物理法則は簡易な記述に
よって設定できる。
 天界にほどよく似せられた環境で、彼らは集中して仕事をこなしていた。
 …いや、熱中して、と言ってもいいかもしれない。もっとも、それは寧ろ観測対象に拠るところ
が大きいであろうが。
『マザーよりカムへ。いよいよ魔界の御君が転送系を繋ぐらしい。
 こっちは最終調整に入る。撮り逃すなよ』
「カム、コピー。任されたし」
 どちらも陰湿な笑いを含んだスペクターとスペクタクルのやりとり。
 それはこれから始まるショーに対するある種の期待だった。
612 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 17:57:57 ID:uxkJr7mu
「――…」
 虚ろだった亜麻の瞳が、徐々に天井に焦点を合わせ始めた。
(葉さんのこと考えて…じぶんでイッちゃった…)
 ちいさく肩で息をしながら、亜麻はのろのろと身を起こした。
 ぼーっと足元を見下ろす。
 いつのまにか脱いでいたショーツが、はっきりと染みを作って転がっていた。
「……さみしい…なぁ…」
 さっきまで夫の指であったはずの我が指を見つめて、ぽつりと呟く。
 葉さんと愛し合いたい。
 葉さんに抱かれて、交わって、貫かれて――終わったらぎゅってして、優しく頭を撫ででほしい。
「はぁ……」
 こどもっぽいため息をひとつついて、亜麻はショーツを拾って立ち上がろうとした。
 ――がちゃ。
「――――え」
 玄関のドアが開いた。
 一人のときは危ないからと口酸っぱく言う娘にならって、施錠してあったドアが、開いた。
「―――ッ?!」
 空いたドアからは、有り体に言ってみすぼらしい風体の男が、何人も終わりなく雪崩れ込んでくる。
 驚きで硬直している亜麻に当然のように近づくと、男たちは彼女を居間のカーペットに押し倒した。
613 名前:黒神王黒魔王 ◆GD.6iWkaL6 [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 17:58:48 ID:uxkJr7mu
…以上です。
次からまわしていきます。

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