IFストーリー
1.楓ママンが生存(ただし事故により長期に渡って意識不明に陥る。おかげで楓とは殺伐な関係が続く羽目に)
2.リコリスが生存で稟とは幼馴染
ネリネの魂の融合、それは危険の賭けであった。成功率0.0000001%
その工程で予想以上の魔力が暴走、研究所が半壊するという惨事に見舞われつつも奇跡は起きた。魂の波長の一致。
それは1つの魂を2人で共有し、お互いに補完し合うことでネリネは健康な身体を、
リコリスもネリネの魂を共有することでその「死」という運命から逃れられる事ができた。
だか、その巨大すぎる魔力の暴走は時空すらも歪ませ、実験は成功したもののリコリスは当時まだ「開門」をしていない人間界へと飛ばされてしまう。
服としてはお粗末過ぎる、着衣は既にボロボロだ。研究所での満身創痍な体を引きずりながら、研究所での世界しか知らなかった彼女にとって初めてみた異界は「死地」としか写らなかっただろう。
どこかの森だろうか。闇が支配し不気味な鳴声だけは鼓膜に響いてくる。
当ても無くひたすら歩き続ける。足の感覚がない。至る所から赤い血が流れていて最高に気持ちが悪い。
すると無機質な硬い地面にさし当たる。周りが樹木に覆われている中、明らかに人工的なそれは酷く可笑しい。
そう呑気に考えていたら何かに躓いてしまった。そのまま倒れこんでしまう。痛い――それに冷たい。
もうだめなのかな、あたし・・・ネリネ、リムちゃん、ごめんね・・・そう諦めてたとき――薄れていく意識の中で「彼」と出会った。
目を覚ましたらそこは知らない天井だった。
あそこは寒くて冷たかったのに、ここは凄く暖かい。
ボーッとする頭で周りを見渡してみる。どこかの家みたいだけど・・・でも研究所とは全然違う。
でもなんだろう・・・漠然としていてよく解らないんだけど、ここには何ともいえない温かみがあった。
あたしはまだ痛む身体を起こしてみた。ふかふかのベットにいるみたいだけど・・・。