920 名前:絶稟のお料理万歳! 二日目[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:15:06 ID:nujqMLRA
シアの女体盛を食した翌日、稟は芙蓉家のリビングでまったりしながら前日の御馳走の味を反芻していた。
(…小船の上、っていう足場の心もとない場所での交わりっていうのもなかなかオツなもんだったよな。ちょっと大きな動きをすると揺れる舟にその度シアが可愛い悲鳴をあげて……ってヤバイ、勃ってきた)
ソファーの上で前かがみになる稟。にやにやしながら股間を押さえるその姿はどう見ても変質者です。本当にありが(ry
そんな風に稟が悶々としていると、突如としてリビングの電話が鳴り始めた。桃色妄想に浸っていた稟は慌てて現実世界に帰還して受話器を手に取った。
「…はい、芙蓉ですけど…?」
『おや、その声は稟ちゃんかい? おお、マイサン、パパだよ!」
「…勝手に人の父親にならないで下さい。何か御用ですか、魔王のおじさん?」
電話の向こうの相手は魔王フォーベシイその人であった。
相変わらずの魔王の様子に頭痛を感じ、半眼で呟く稟。
『おお、そうだった。稟ちゃん! 昨日は神ちゃんの所で夕食をお呼ばれになったんだって? 水臭いじゃないか! ウチにだって来てくれないと! 稟ちゃんが来てくれるんだったら、私もママも腕によりをかけるのに!」
「そ、そう言われても…。昨日だってシアに突然誘われただけですし…」
とりあえず神王邸での情事は伝わっていないようで内心ほっとする稟。
『それなら是非今日はウチに来ておくれよ! パパからのお願いだよ〜!』
「だから誰が誰のパパですか…。まあ、そういうことなら喜んでお邪魔させてもらいます。おじさんの料理もセージさんの料理も美味いですし…」
おそらく電話の向こうでは滝のような涙を流しているだろう魔王の様子に苦笑しながらも稟は魔王邸行きを決断した。
魔王に話した通りの理由があることは間違いないのだが、本音を言えばここで断ればおそらく魔王は芙蓉家に乱入してくるであろう事を予想してのことだった。
『そうかい! それは良かった! 断られたらこちらから出向こうかと思っていたよ!』
(やっぱりか…。わかりやすいよなあ…)
予想通りの展開に稟は苦笑しながら時計を眺め、口を開いた。
「…それじゃ夕食時になったらお邪魔させてもらいますね」
921 名前:絶稟のお料理万歳! 二日目[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:15:59 ID:nujqMLRA
そんなやりとりから数時間後、稟は魔王邸を訪れた。
「おお、稟ちゃん、良くきてくれたね! ささ! 遠慮せずに上がっておくれ!」
「いらっしゃいませ、稟くん」
「はい、お邪魔します。…あれ、ネリネは?」
魔王夫妻に出迎えられた稟はその場にネリネの姿が見えないことに気付いた。
「ネリネちゃんは部屋で準備しているよ」
「ネリネが…? 今日の料理はネリネが作ったものなんですか?」
ネリネの料理の腕前を知っている稟が眉を顰め怪訝そうな表情を浮かべていると、セージがクスクス笑いながら救いの手を差し伸べてきた。
「…大丈夫ですよ。今日のお料理はとってもシンプルなものですから」
「そういうこと。さ、ネリネちゃんは廊下の奥の部屋にいるからね?」
「奥の…? リビングでもネリネの部屋でもないんですか?」
魔王に指定された部屋は稟も未だ入った事のない部屋だった。
(夕食を食べるのにわざわざ違う部屋に…? しかもネリネの料理…?)
納得のいかないことの連続に首を捻りながらも稟は大人しく歩を進め、指定された部屋の前に辿りつき、その扉を開いた。
「い、いらっしゃいませ〜」
「………………………………ネリネさん? 何故に○ンミラですか?」
稟を出迎えたのは、胸を強調した制服で有名な某ファミレスのウエイトレス姿のネリネだった。
気恥ずかしさを含んだ、だがとびっきりのネリネの笑顔に早くも理性がぐらついてくるのを感じる稟。
「いらっしゃいませ、稟さま。こちらのお席にどうぞ?」
「こちらの、って席一つしかないけど…」
恥ずかしいのか頬を染めたままネリネが部屋の中へと稟を促す。
稟の入ったその部屋は、カーテンを閉めきって電灯を落としていて妙に薄暗く、さらに広い空間には小さなテーブルと椅子が一つ並べられているだけ、という何とも殺風景な部屋だった。
「なあ、ネリネ? 何でこんなに暗くしてるんだ?」
「…あ、あの、その、明るく、されますか?」
何気ない稟の言葉に明らかに狼狽するネリネ。
そんなネリネの様子に首を傾げながらも頷く稟。
「わ、わかりました………」
躊躇いがちなネリネの言葉と共に電気が点けられる。
その瞬間、強い光が目に入り、一瞬眩暈を覚える稟。
(な、何だ!? 明かりがキツイ? いや、違う。これは、床に反射してるのか…?)
どうやら、まるで鏡張りのように磨き上げられたぴかぴかの床に電灯の光が反射しているようだった。
922 名前:絶稟のお料理万歳! 二日目[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:16:42 ID:nujqMLRA
少しして目を慣らした稟はテーブルの上にある鍋とその隣に置かれた様々な野菜の盛られたザルに気付いた。
鍋を覗き込むと、昆布が熱湯の中を泳いでいた。
「…なるほど、しゃぶしゃぶか! 確かにこれなら具材を入れるだけだもんな!」
魔王たちの『大丈夫』という言葉の意味に気付き、納得いったように何度も頷く稟。
「それじゃ、早速……ってネリネ? どうしたんだ?」
箸を手に取り、食べ始めようとした稟だったが、右隣に立っているネリネが妙にもじもじしている事に気付き、訝しげな視線を向けた。
だが、ネリネはそんな稟の視線にも気付いていないようで、顔を真っ赤に染めたまま視線をちらちらと何度も足元に向けていた。
「……ネリネ? 下に何かあ………ぐはあぁぁ……っっ!!!!!???」
驚愕の表情を浮かべる稟。
足下には何もなかった。
そう、何も。
だが、その“まるで鏡張りのように磨き上げられたぴかぴかの床”にネリネのスカートの中がはっきり写し出されていたのだ。
しかも、スカートの奥には明らかに布ではないピンク色の何かが見えていた。
(…こ、これは! 伝説の ノ ー パ ン し ゃ ぶ し ゃ ぶ !!!!!!)
あまりの衝撃にぴくりとも動けず驚愕の表情のまま床(というか鏡にちかい)を凝視したままの稟。
ネリネの方も稟に気付かれた、稟に見られていると自覚してしまい、同じように真っ赤になったまま固まってしまった。
だが、そんな沈黙も長くは続かなかった。
変な体勢のまま固まっていた稟が持っていた箸が、からーんと軽い音を立てて床に落ちてしまったのだ。
その音にはっとなる二人。
「あっ…!」
「あっ、稟さま、私が…!」
身を屈めて箸を拾おうとする稟。そんな稟を察して同じように身を屈めるネリネ。
そしてまたしても固まってしまう二人。
なぜなら、
(…近づいてる! 近づいてる! さっきよりピンク色が近づいてる〜!!)
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
血走った目で床を凝視する稟。ちょっぴり鼻血も出てきてます。
声にならない声を上げるネリネ。ちょっぴり濡れてきています。
この異常なシチュエーションに明らかに変になっていく二人だった。
923 名前:絶稟のお料理万歳! 二日目[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:17:21 ID:nujqMLRA
そんな暴走一歩手前の稟を引きとめたのは、くぅ〜という自分の腹のなる音だった。
「…と、とりあえず鍋つついていーかな?」
「…は、はい、どうぞ」
照れたように笑う稟に同じようにはにかむネリネ。
そうしてしばしの間、ネリネが鍋に入れてくれた豆腐や野菜を突っつきだす稟。
しゃきしゃきの野菜やら旬のきのこ類、それに豆腐などを堪能しはじめた稟だったが、ネリネが動くたびにちらちらと視線は床にいってしまっていた。
そんな中、いくら待ってもしゃぶしゃぶのメインであるはずの肉が出てこないことに稟は気付いた。
テーブルの上にも肉が置かれていなかったし、ネリネが取りに行くそぶりも無かった。
「なあ、ネリネ? 肉は無いのか?」
「お、お肉、ですか?」
稟の言葉にあからさまに動揺するネリネ。
「ああ。しゃぶしゃぶって言ったら普通肉だろ? 無いのか?」
「い、いえ、その、一応、牛、肉を用意しています…」
「じゃあ出してくれないかな?」
稟の頼みにネリネは真っ赤になって頷くと、ぶつぶつと呪文を呟き始めると、部屋の中央に子供用のゴムプールほどの大きさの鍋を出現させた。尤も、ここまで大きいと鍋というより風呂と呼んだほうが正しいのかもしれない。
「お、おい、ネリネ? まさか牛一頭まるごと入れるとか言うんじゃないだろうな?」
不安げな稟にぎこちない笑みを浮かべ、ネリネは突然服を脱ぎ始め、全裸になるとお湯の張られたその鍋に自ら入っていった。
924 名前:絶稟のお料理万歳! 二日目[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:17:58 ID:nujqMLRA
「………ネ、ネリネ…?」
「………………………………も、も〜……」
耳まで真っ赤に染めて視線を反らし、囁くように呟くネリネ。
「も、もしかして、ネリネが牛っていうオチ、か?」
「………………………………は、はいぃ…」
頭を押さえる稟。純真なネリネが自らこのようなことを考えるはずが無い。つまりネリネにこのようなことを吹き込んだ人物がいるのだ。
(お、おじさん…。こ、これはちょっと、マニアックすぎるんじゃあ…)
ネリネの背後に見え隠れする魔王のシルエットに果てしない頭痛を感じる稟だった。
「あ〜、ま〜、何ていうか、その、何だ。………ネリネ!!」
「は、はいっ!?」
こめかみを押さえて苦しげに呟き、急に口調を強くする稟。
そんな稟に、気に入ってもらえなかったのだろうかととたんに不安になるネリネ。
だが、
「いただきますっ!!!」
「………きゃんっ!? り、稟さまっ!? ああんっ!!」
どうやら我慢の限界をとっくに超えていたらしい稟が突然服を着たまま鍋に飛び込み、ネリネの乳房に乱暴に吸い付いた。
「り、稟さまぁ。私、牛みたいに太ってますか?」
稟に乳首を吸われながらそう尋ねるネリネ。いくら稟のためとはいえ年頃の少女が自らを牛に例えるのは流石に嫌だったのだろう。
「ん? そんなことないぞ。おじさんがこんなこと企んだのも、きっとここにたっぷりミルクが詰まってるように思えたからだよ」
夢中になってネリネの乳房を吸っていた稟が魔王の意図を正確に読み取ってそう答え、先ほどまでの空腹も忘れてネリネの身体を貪り始めた。

そうして動けなくなるまでネリネを貪った稟は、行為の後、リビングで待っていた魔王夫妻とそこで用意されていたしゃぶしゃぶ(本物の肉付き)を堪能させてもらうこととなったのだった。
余談だが、肉を食べながら何かを思い出してしまったのか、稟の視線は途中何度もネリネに向いてしまい、魔王にからかわれる事となった。
(全て私の計算通り、と。…いや〜、稟ちゃんはとてもわかりやすくて可愛いね〜)
結局魔王の掌の上で踊らされていた稟だった。

絶稟の食いしん棒万歳! 二品目“魔界プリンセスのしゃぶしゃぶ” 完食!!
925 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 16:18:36 ID:nujqMLRA
以上です。
うむ。我ながら相変わらずアホな文だorz
当初は魔法薬を飲んだ影響でネリネが母乳を出し、稟に「肉牛と乳牛は違うだろ」と
ツッこまれるまでを書こうと思ってたんですが、母乳プレイは人によって好き嫌いが分かれる上に、
分量が前作を大きく上回ってしまうことに気付いてここまでとしました。
一応これショートストーリーのつもりなんで。

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