627 名前:ねむねむFalling Down[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 23:51:39 ID:ojfBHliB
「稟くん、朝ですよ」
まどろんだ眠気の膜を、柔らかな声が解かしていく。
聞き慣れた声だ。
いつも一日はこれで始まって、これからもそれは変わらないであろう声。
ただ、前と違うのは、
俺と、その声の主との関係が、幾分近くなったことだけ。
だからだろう。
この声が、以前よりずっと気持ちいい。


「稟くん、おはようございます♪」
眼を開けると、とびっきりの笑顔を浮かべている楓がいた。
これもいつもと変わらぬ光景。
でも、そのあたりまえの笑顔が、
以前よりずっと愛おしく見えた。ので、
「稟くん?どうかしましたか?私の顔をじっと…」
「楓」
「はい、え、えああっ!?」
気がついたら楓の肩と腰に腕を回して、強引にベッドへ引きずり込んで
「あ…あの、稟くん…どうか、しまし」
「あと5分」
「え?」
「あと5分寝かせてくれ」
「えええ!!?えと…その…はい…じゃなくて!!だ、だめです!ちゃんと起きないと遅刻しま」
「ぐ〜」
「り、稟くん!?」
寝たふりをして抱きしめていた。
別にそんな寝たかったわけじゃない。むしろ眠気は楓の顔を見て一発で吹き飛んだ。
でも、そう、たぶん出来心だ。魔が差したんだ。
「あ、あう〜…そ、その…5分、だけですよ…?」
楓はしぶしぶ抱擁を受け止める。というか照れて固まってしまったようす。
ああ、可愛ええなあ。それとこの頬と髪の感触が、柔らかくってふわふわしてて気持ちよすぎて、
それにぽかぽかのあったかさんで、やばい抱き心地最高だわあ。
もう今日はこのまま寝てしまってもいいかもな、ふえあ…



遅刻した。
楓にすさまじく申し訳ない失態を晒してしまったが、
赤くなりながら、不機嫌そうで、恥ずかしそうで、
それでいて嬉しそうな顔がたまらなく可愛かったので、まあいいかと思った
628 名前:627[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 23:53:12 ID:ojfBHliB
初めての投稿です
エロはないし、シチュは既出だしで散々ですが

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