723 名前:星屑[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 03:02:03 ID:HFjZKuDL
『稟なんか、死んじゃえばいいんだ!』

その日を境に俺、土見稟と芙蓉楓の関係は変わった。
その子を助ける事で自分も救われるんだ、そう思った。
けど、現実ってのは思い通りにはならないもんだ。
『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・ごめん・なさ・・い』
まさか芙蓉のおじさんがバラしてしまうとは完全に予想外だった。
とはいえ元の鞘に戻ったかと聞かれるとそうとも言い難い。
あの日から和解するまで自分のしてきた行為の為か、どこかぎこちない。 
とはいえ、俺のしてきた『我慢』が無駄にならずにうれしい限りだった。 
それから数カ月。 
亜沙先輩の卒業式の日に俺はもう一人の幼なじみである、八重桜に呼び出されていた。
〈今日の夕方、教室で待ってます。楓ちゃんには内緒で〉桜が俺に楓抜きで何のようだろう?
そう思ったが、いや思ったからこそ俺はここにいた。
ガラガラ・・・・
教室の扉をあけると桜が窓から外を見ていた。 
「よう、待ったか?」
「あ、稟君・・。」
「俺に用だって?」
「・・来てくれないかと思ってました。」
どうも様子がおかしい。 
妙にそわそわしているし、歯切れも妙に悪い。
724 名前:星屑[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 03:36:06 ID:HFjZKuDL
桜が俺に振り返る。 
その表情は何か真剣そのものだった。
「すーーーはーーー」
一度深呼吸すると桜は俺にこう言った。
「わ、私、土見稟君が好きですっ。」
「はい?」 
い、今桜はなんて言った!?
「土見稟君が好きです!」 
今度ははっきり聞こえた。 
知らなかった・・・っていうか自覚ゼロだった。
「私、ずっと前から悩んでたの。夢か恋か・・でももう悩まない。自分の気持ちを伝えちゃうね。」 
桜が俺を・・そう思っただけで気持ちがたかぶっていた。
「俺は・・」
俺はどうなんだ、と考える前に身体は行動してしまっていた。
俺は桜を抱きしめていた。
「り、稟君!?」
「俺もだ、桜。楓と和解できるまで桜は、俺を横から支えてくれた、だから俺は今日まで潰れずにすんだ。」
「稟君・・楓ちゃんの事は?楓ちゃんは?」
「楓の事はもちろん好きだ。」
「じ、じゃあ!」
桜が不安そうに俺を見る。 
桜が身をはなそうとするが逃がさずこう付け加える。
「でも桜の好きとは違う気がするな。楓はもう俺にとっては家族同然だから・・」
「稟・・君・・」
俺に抱きしめられている桜がゆっくりと顔を近づける。
「桜・・・・」
725 名前:星屑[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 03:40:43 ID:HFjZKuDL
とりあえずここまでで。
感想よろしく。

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