23 名前:3[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:05:44 ID:3HwesEns
婚姻届を提出して法的に認められたのが正妻で、婚姻届未提出でも夫婦同然の生活をしているなら内縁。
一方、一夫多妻で一番身分の高い妻が正室、それ以外の妻が側室。
だけど、wikiによれば正室・側室は日本特有の区分らしいので、神界に正室・側室に類する区分が無いなら全員正妻で地位的な序列は無いと思う。
あ、ちなみに自分もハーレムエンド希望です。

あと、シア編が切りのいいところまで出来たので、せっかくだから投下しときますね。
24 名前:稟の婚前旅行・シア編[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:07:35 ID:3HwesEns

キキョウとの旅行の一週間後、今度はシアと温泉にきたのだが
「ねえねえ稟くん、雪だよ雪。雪って本当に白いんだね。」
シアが雪に夢中になっていた。
先週キキョウと行った温泉はまだ秋の風情が残っている地方にあったのだが、シアと来た温泉は一転、秋の終わりどころか一足先に冬景色となっている地方にあったのだ。
「ねえ稟くん、向こうに湖があるみたいなんだけど行ってみない?」
「そうだな、行ってみるか。」
そして、俺はやはりシアに誘われ散歩に来ていた。
「わー、ねえ稟くん稟くん、湖にも雪が積もってるよ。」
「本当だ。見事に凍ってるな。」
すると、シアが周囲を見回している。
何かを探しているようだ。
「なあ、シア。何か探しているのか?」
「ねえ稟くん、スケート靴ってどこで貸してもらえるの?」
「…え?」
「だって、人間界だと湖が凍ったらその上でスケートをするんでしょ。」
なるほど、そういうことか。
確かに、俺の親位の世代だったら凍った湖でスケートをすることもあった、と聞いたことがあるがあいにく俺位の世代ではそんなことはしたことはない。
そんなわけで、シアにそんな話をしてやると
「そうなんだ。うう、残念ッス……。」
肩を落としてガックリとしてしまった。
「そんなにガッカリしなくてもいいぞ、シア。スケートならそのうち連れて行ってやるから。」
「本当、稟くん?!」
シアは急に元気になって聞き返してきた。
「ああ、本当だぞ。まあ、湖は無理だから、どこか有料のスケート場だけどな。」
「ううん、それでもいいよ。稟くんが連れて行ってくれるだけで嬉しいッス。」
そんなシアの嬉しそうな顔を見ていると、何とかして湖でスケートをさせてやりたくなる。
神王のおじさんや魔王のおじさんに頼めば何とかして……くれるだろうな、きっと。
むしろ、自分達が楽しむために率先してやりかねない。
25 名前:稟の婚前旅行・シア編[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:08:56 ID:3HwesEns
「は、は…、くしゅん。」
そんなことを考えていたらシアがくしゃみをした。
それに、雪も降り始めた。
「シア、雪も降ってきたし寒いようなら旅館に戻らないか。」
「そうだね。そろそろ戻ろっか。」
そう言って歩き出そうとすると
「あっ、稟くん、ちょっと待って。」
シアに呼び止められた。
「ん、どうしたシア。」
「稟くん、少しだけしゃがんでくれる。」
「?ああ、いいけど…。」
俺は頼まれた通り、少しだけしゃがんでみた。
すると、シアは俺に近づきマフラーを外したと思ったら、それを俺と自分の首に巻き始めた。
俺が立ったときに首がしめられないよう、ある程度のゆとりも持たせられている。
「なあ、シア。これってまさか…。」
「そのまさかッス。一度やってみたかったんだ。あとは…えい。」
シアはそのまま俺の右腕に抱きついてきた。
「うん。これなら寒くないね。さっ、稟くん戻ろ。」
「あっ、ああ。そうだな…。」
シアの言う通り、寒くはなかった。
しかし、シアが俺の腕に抱きついているということは、シアのやわらかいものが俺の腕に押し付けられているわけで……。
キキョウとの旅行の反省から、今度は絶稟にならないようにしようと決意していたのに、早くもその決意が崩れそうになる。
26 名前:稟の婚前旅行・シア編[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:09:51 ID:3HwesEns
「はぁ、はぁ、…やっと部屋に着いたな……。」
「う、うん…そうだね…。」
俺たちは結局、湖からずっとあのままの状態で旅館に帰ってきた。
外では行き交うひともいなかったので、何も問題は無かった。
しかし、旅館に入ったらロビーにいた客が何故か俺たちの方を向いたのだ
そしてそれは瞬く間に好奇の視線となり、俺とシアは逃げるように部屋へと戻るはめになった。
「さっきのあれって、人前だと結構恥ずかしいもんだな。」
「そ、そうだね……。でも、慣れればきっと平気になると思うよ。」
「そうなるか?」
「うん、そうだよ。それに……」
「それに?」
「キキョウちゃんと一緒に三人でやってみたいッス…。」
シアは照れながらも、そんなことを言った。
しかし、シアと二人でやっただけでもあれだけ好奇の視線に晒されたのである。
それにキキョウも交えて三人でやったりなどしたら、………親衛隊が一斉に蜂起するな、間違いなく。
「なあ、シア。さすがにそれは……。」
「帰ったら、早速三人で使えるマフラー編まなくっちゃ。ねえ、稟くん色は何色がいい……、ってどうしたの稟くん?」
「…いや、なんでもない。」
シアはもうマフラーを作る気満々で、これでは止めようが無い。
27 名前:稟の婚前旅行・シア編[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:10:30 ID:3HwesEns
「それよりも、夕飯の前に温泉に入らない?」
シアがそう言ったので、時計を見ると六時を過ぎていた。
「そうするか。…と、その前に。」
俺はまず窓の方に向かい、あるものが無いか確認する。
「稟くん、何してるの?」
「ああ、別に大したことじゃないから気にしなくてもいいぞ。」
「そうなの?それならいいんだけど。」
どうやら、この旅館は部屋毎に温泉が設けられていることは無いらしい。
絶稟になりかねない要素が一つ消えたことに、俺はひとまず安堵する。
「よし、それじゃあ行くか。」
「うん、早く行こ。」
そう言って、俺たちは大浴場に向かう。
「……ねえ稟くん。」
その途中、シアが話しかけてきた。
その表情は真剣だが、少し紅潮している。
この表情とタイミングから、シアが何を言おうとしているのか俺は察することができた。
そこで、それに続くだろう言葉を先に言ってみる。
「別に、覗いたりなんかしないぞ。」
俺がそう言うと、シアは一瞬驚いたが、すぐに苦笑して言葉を続けた。
「え、あの…その…そんなことじゃなくて…、私は稟くんが先にあがるようだったら、待っててね、って言おうと思っただけでそんなことは……。」
「ああ、そうだったのか。いいぞ、そのくらい。」
その動揺振りから、俺の言ったことが図星だったのは明白だった。
でも、とりあえずこの場はシアに合わせることにした。
「そ、それじゃあ稟くん、また後でね。」
いつの間にか大浴場に着いたようで、シアはそういい残して女湯に入っていった。
「やっぱ、シアとキキョウは姉妹だな。」
全く同じことを考えていた二人に改めてそのことを実感し、俺は一人呟いて『男湯』と書かれた暖簾をくぐった。
28 名前:稟の婚前旅行・シア編[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:11:19 ID:3HwesEns
「っと、やっぱりシアはまだ上ってないみたいだな。」
廊下に出てみると案の定、シアの姿は無かった。
この間は意外と待つことになったので、今回は長湯をしてつもりだったが、まだ短かったようだ。
「さて、シアを待ってる間何をしてるか……、何だあれ?」
ふと、廊下の先を見ると暖簾のかかった戸口がいくつかあった。
そのまま、そっちに行ってみようとしたら
「あ、稟くーん。」
丁度、女湯から出てきたシアに声をかけられた。
無論、浴衣姿である。
「ごめんね、待たせちゃった?」
「いや、俺も今出たところだぞ。」
「あっ、じゃあ丁度なんだ。」
シアは俺の方に来ると、嬉しそうに言った。
「それじゃあ、部屋に戻ろ。」
「ああ、そうだな。」
向こうに何があるのか、多少気にはなったものの、わざわざ確かめるのも必要も無いと思ったので、そのままシアと部屋に戻ることにした。
部屋に戻り一息つくと、やはり見事なタイミングで夕食が運ばれてきた。
この旅館の夕飯も豪華で、キキョウと泊まった旅館のそれと比べても遜色ない。
「わー、すごいね稟くん。」
シアはそれを見て喜んでいるが、おれの目はある物に釘付けになっている。
中央に置かれた土鍋である。
まさか、と思いつつさりげなく仲居さんの表情を伺うと、そこにはやはり営業スマイルとは別の笑みが含まれていた。
正直不安だ。
「それじゃあ稟くん、蓋取るね。」
そんな、俺の心情に気づくことなくシアは鍋の蓋を取る……。
神様、神王のおじさんとは別の神様、どうかアレが入っていませんように。
「え…、これって……ひょっとして……。」
シアは中を見るなり顔を赤くする。
俺もおそるおそる覗いて、ソレを確認する。
ああ、これは俺に絶稟になれ、という天のお告げなのだろうか。
「ねえ稟くん、これって…その…。」
「ああ、スッポンだな。」
しかも、丸ごと。
「まあ、冷めないうちにいただくとするか。」
ひとます、キキョウの時と同じにならないよう、少しでも話題をスッポンからそらすことにした。
無論、へたに動揺するとまずいので、できるかぎり平静を装って言った。
「そ、それもそうだね…。それじゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
すぐに話題をそらしたことが功をなしたのか、キキョウの時ほど空気が重くなることはなく、シアとの会話を楽しむ余裕もできた。
その後、仲居さんが片付けに来た際さりげなくシアの様子を伺ってみた。
やはり、キキョウ同様顔を赤くして仲居さんのほうを見ていた。
違う点といえば、少々涙目になっていたことだ。
やはり意識してるのか…。
29 名前:3[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01:18:58 ID:3HwesEns
ひとまず、ここまでできました。
続きも出来次第投下しますね。
この後の展開はキキョウ編とほぼ同じで、やはり稟が絶稟になり部屋や○○○○でシアとしちゃいます。
それではこのへんで。

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