228 名前:ぽんちょ[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22:00:16 ID:sM74WTnN
 とりあえず、第二話投下です。

物語性を重視して書いておりますが故、今回もエロスはなしでございます。
次ぐらい、エロスが入ってくるものと思われます。
では、どんぞ。
229 名前:麻弓×楓(×稟)[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22:00:52 ID:sM74WTnN
第二話

「ふぅ〜。やっぱり楓の料理は最高ね〜。おいしかったのですよ」
「ふふっ、ありがとうございます。頑張った甲斐がありましたね。稟くんは?」
「もちろん、大絶賛満員御礼だ」
「土見君、意味がわかんないわよ」
「まぁ、要はとってもうまかった、という意味だ」
「そんな言い回し聞いたことないし」
「ふふふっ。稟くん楽しそうですね」
「まぁ、ボケに対してツッコミが返ってくるのは嬉しいもんだ」
「え、土見君今の素じゃないの?」
「んなわけなかろう」
楓と静かに過ごすのも全く悪くないのだが、たまにこうやって元気に話してくれるヤツが来てくれるのは、とても楽しいことだ。
特に、こうやってなんでもないおバカなやり取りができる友達って、なかなかいないもんだ。
そういった点では、麻弓ってかなり貴重な存在かもしれない。
…や、こんなやつ探しても二人といないけどさ。
「…稟くん、ボケとツッコミがお好きなんですか?!」
「…はい?」
これはこれで、おバカなやり取りの一つなんだろうけどな。
「麻弓ちゃん!是非私にお笑いの極意を!!!」
「ちなみに、どっちを担当したいの?」
「ツッコミでお願いします!!」
「何で?」
「私って、ツッコミ担当のキャラだと思うので!」
「いやいやいや、楓さん。おまえはボケだよ、どう考えても」

とまぁ、こんな風にコントをしながら、食後は楓の暴走を止めることで過ぎていった。
230 名前:麻弓×楓(×稟)[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22:01:31 ID:sM74WTnN
 そして、楓騒動(?)も落ち着いたところで、麻弓に聞いてみた。
「ところで麻弓よ」
「んー?な〜にぃ〜」
当の麻弓は、リビングで数字と格闘していた。
前回同様、自分で解けない問題集を持ち込んで、さっきからうんうん唸っている。
ちなみに楓は、キッチンで洗い物をしている。
小気味のいいメロディーが聞こえることから、鼻歌を歌っているに違いない。
「…お前、どこやってんだ?」
「えー、2次関数〜」
「で、何でグラフがそんなにウネウネなんだ」
「だってだって〜。出てきた値を書いてつないだらこうなったんだもん」
「なんか、どっちかというと三角関数のグラフに見えるな」
「はぁ?何、それ。三角形は、内角の和が180度〜」
机にべちょーっとなって、力なく呟いた。
どうやら、前回間違えた部分らしく、ぶつぶつ呪文のように繰り返している。
そんなところ、どうやったら間違うんだ。
「って、聞きたいのはそんなことじゃねぇんだよ」
「何一人で喋ってるのですか〜?変な人なのですよ〜」
「失敬だな。俺は一般人であり、普通人だ!」
「…絶稟」
「なんかいったかーっっ?!」
「なーんにもいってませーんよー」
あー!なんだかな、あのやる気のない否定は。
…なんで知ってるんだ?
まぁ、気にしないことにしよう。
「で、話を元に戻すとだな、お前が結局持ってきたものは何なんだ」
と、その言葉を聞くと、麻弓の目が輝いた。
まさに、きゅぴーん!って感じだ。
「よしっ!!もう、やめよやめ!!勉強なんて性に合わないことやるんじゃなかったわ!」
そして、ガバっと立ち上がると、自分の荷物の置いてあるところまで行き、その危険因子バリバリの袋を持ってきた。
警報装置の音が、大きくなってきた。
もしかして、地雷踏んだ?
「じゃじゃーーん!」

ワウワウワウワウワウワウワウワウ(警報音)

危険度MAXだ!赤いライトがクルクルひっきりなしに回ってやがる!

「何なんだ、それは!」
知らず、言う声が大きくなる。
「簡単に言うとですね、お酒なのですよ」
…なんですと?
「これ、お父さんの大好物で、私もよく飲まさせてもらうのですよ。まぁ、本当はダメなんだけど」
お酒ですとー?!
231 名前:麻弓×楓(×稟)[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22:02:04 ID:sM74WTnN
「魔界のお酒らしくて、体に害は全く無いんだって。おまけにジュースみたいだから、軽くいけるのですよ」
…緊急避難命令発動ー。
「それを、飲むのか」
「うん。お勉強のお供に、と思って」
「…忠告しておこう。楓には飲ませるな」
「え?何で?」
「多くは語らんが、あいつは飲むと、エライことになる」
「…ははーん☆何か隠してるわねー?私の眼は誤魔化せないのですよー!楓ー!」
どうやら、楓も洗い物が終ったらしく、こちらを振り返った。
「コップ三つくれないかしらー。今日持ってきたのを開けようと思うのよー」
「わかりましたー」
キッチンから顔を出した楓が、食器棚へ向かう。
そして、得意満面の麻弓と、真っ青な俺。
一応、もう一度聞いてみよう。
「マジで飲むのか?」
「うん、モチ」
麻弓は、さも楽しそうに言った。…これは、無理だな。
「…知らないぞー。どうなっても。俺は忠告したからなー?」
「な、何よ。どうなるっていうの?」
「まぁ、自分で体験するといいさ…別に、大事には至らない、筈だから」
そうして、俺は立ち上がる。
頭の中で避難命令が発動されているので、それに従って逃げようと思ったからだ。
「楓、俺はいいわ」
「??はい、わかりました」
「んで、ちょっと出てくる」
「え、今からですか?」
「まぁ、まだ時間が早いからな。ちょっと駅前ぶらついてくるわ。楓は、麻弓の世話をしてやってくれ」
そう言って、玄関へ向かい、手早く靴を履く。
「あまり遅くならないように、気をつけて行って来てくださいね」
「おう。楓も」
そこで一旦言葉を切り、楓を見据える。
「はい?」
当の楓さんは、全く分かっていないご様子。
「くれぐれも、飲みすぎないように」
「麻弓ちゃんが持ってきてくれたもののことですか?」
「まぁ、そうだな。じゃ、行ってくる」
「あ、稟くん…いってらっしゃい」
何が何だかさっぱりな様子だったが、何を言ったところで無理だろうと俺は悟っていたので、あえて深くは言わないことにした。
とりあえずは、身の安全を確保するため、全力で逃走だ。

つづく・・・。
232 名前:ぽんちょ[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22:03:38 ID:sM74WTnN
以上です。

思った以上に短かった?そんなこともない?
まぁ、ここまではシチュのための前置きとお考えくださいませ。
…前置き長いな。

ご感想・ご意見等お待ちしております。では、また後日。

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