279 名前:80[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18:52:00 ID:TgG3UYDz
また流れを無視しての投稿です。
なかなか結末がつけられないので、とりあえずここまで。
続きのエロパートは明日にでも投稿します。
280 名前:夏の卒業旅行[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18:55:17 ID:TgG3UYDz
「何で俺たちが見送りに行かなければいけないんだ?」
「いいじゃないですか。お土産も買ってきてくれるということですから」
「稟……どうせ暇」
「暇じゃないぞ、プリムラ。
受験があるから夏休みでも、勉強することはいくらでもあるんだ。
それに神界や魔界の勉強もしなければならないし」
「だけど、昼近くまで寝てる」
「うっ、それは夜が忙しいからな……」
「稟、頑張りすぎ」
「ええい、うるさい。そのうちの二人は楓とプリムラだぞ」
「え、いや、私は、その……、稟君が求めてくるから……。
あ、嫌というわけじゃないんですよ。むしろ凄く嬉しいんですが、
もう少し控えないと稟君の体力がもたないんじゃないか、と」
「あ、いや、その、若いからかな……(遠い目)」
「稟、墓穴」
夏休みが始まったある日、亜沙とカレハが旅行に出かけるということで、
稟と楓、プリムラは見送りに駅へ向かっていた。
「しかし、何で学院1年目で学園の卒業旅行に行くことになるんだ?」
「仕方ないですよ、稟くん。3月は亜沙先輩たちも色々と忙しかったですから」
「忙しかったのは自分の勝手だった気もするが」
普通、卒業旅行は授業も受験も終わった3月に行くのが普通であるが、
ちょうどその頃は二人とも稟にアプローチするのが忙しく、
旅行どころではなかったというのが本当のところだった。
稟はもちろん、それを皮肉って言っているのだ。
「ゴールデンウィークは?」
「その頃は稟君の婚約式でいろいろありましたから」
「あ、そういえば亜沙さんたちも来賓で来ていたんだっけ」
「稟、もう忘れた? 受験大丈夫?」
「ええい、プリムラ。最近突っ込みがきついぞ」
「稟への突っ込みが、私の楽しみ」
「ううう、いい娘に育って嬉しいよ(涙) それにしても楓。その荷物は一体何なんだ?」
楓はスポーツバッグを一つ持っている。
重そうだから持とうかと言ったが、例によって例の如く断られたのは、いつもの話だ。
「亜沙先輩に頼まれたものです」
「亜沙、強引だから」
プリムラの意味深な笑みと言葉は、稟には届かなかった。
281 名前:夏の卒業旅行[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18:57:06 ID:TgG3UYDz
「やっほー、稟ちゃん。おっはよー」
「稟さん、おはようございます」
駅で待っていたのは亜沙とカレハだった。
ともに夏らしい格好をしているが、見事なくらい対照的である。
半袖のシャツにショートパンツという、ボーイッシュで健康的な亜沙。
白のワンピースに白の帽子がお嬢様な雰囲気を醸し出しているカレハ。
この二人が親友というのが、バーベナ学園七不思議その1だったのは有名な話だ。
「ところで、何で俺たちが見送りに来なければならないんですか。それも前の日の夜にいきなり電話で呼び出して」
「稟ちゃん、そんなにボクたちと会うのが嫌?」
涙目で訴えてくる亜沙。
「堂々と目の前で目薬をさすところを見せなければ、謝っていたところですけれどね」
「稟ちゃん、冷たい。楓、教育を間違えているよ」
「え、き、教育ってその……」
「楓、餌付けと世話は完璧だけど、他はダメ」
「リ、リムちゃん」
「プリムラ、餌付けって何だ、餌付けって」
「まあ、プリムラさん。実に的確な表現ですわ」
「カレハさんも同意しないで下さい」
「だって稟ちゃん。楓依存症だし、楓がいなければ生きていけないし」
「そりゃ、俺の身の回りのことは楓とプリムラにやってもらっていますよ。だけど、そこまで言うことないでしょう」
「稟、楓がいないと、台所メチャメチャ。洗濯、ぼろぼろ」
「プリムラ、それはなあ……」
「だって稟さん。料理をするときは砂糖一サジを入れると書いてありますと、掌一杯分をいれるぐらいですから。
洗濯だって、手洗いのものを洗濯機に放り込んだそうですし」
「カレハさん、どこから聞いたんですかそんなこと」
「亜沙ちゃんからですわ、もちろん」
「私は、楓や桜からだよ。情報はラヴァーズ全員に全部筒抜けだから、安心して、稟ちゃん」
「どこが安心ですか、どこが」
他愛ない(?)会話を続けながら、電車の出発を待つ5人である。
「あ、亜沙ちゃん。そろそろ出発の時刻のようですわ」
「オッケー。楓、これが頼んでいた荷物かな。有り難う」
「いえいえ、どういたしまして。しっかりと楽しんできてください」
「亜沙、カレハ。お土産、待ってる」
「りょーかい、リムちゃん。楽しみに待っていてね」
ジリジリジリ、とベルが鳴った。
282 名前:夏の卒業旅行[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18:59:45 ID:TgG3UYDz
「ところで、どーして俺までがこの電車に乗っているんですか」
「もっちろん、稟ちゃんも一緒に旅行に行くから♪」
「指定席の切符もありますから、大丈夫ですわ♪」
「いや、そういうことじゃなくてですね……」
亜沙とカレハが電車に乗り、扉のところで3人が見送るはずだった。
ところがいきなり亜沙とカレハが稟の手を引っ張り、
楓とプリムラが稟の背中を押した。
不意をつかれた稟は電車に乗ることとなり、
そして無情にも電車の扉は閉まって出発してしまったのだ。
「楓やプリムラまでもぐるだったんですね」
「だってー」
亜沙がいきなり拗ねた顔つきになる。カレハも同様だ。
「私たちは学院に進んでしまったから、稟さんとは会う機会が減ってしまいましたわ」
「楓やリムちゃんは一緒に住んでいるし、
シアちゃんやリンちゃん、キキョウちゃんは教室まで一緒。
会う機会が多いから、羨ましいんだよ」
「おまけに学院のスケジュールやアルバイトがありますから、余計ですわ。
確かによくフローラにも来ていただいておりますけれど……」
「だから、せめてこういう時ぐらい、稟ちゃんと親睦を深めたいと思ったんだけど……ダメ?」
普段は年上らしい行動と言動なのに、こういうときだけは妙に甘えてくる二人。
「はぁー、わかりました」
溜息をつく稟。
「よーっし、稟ちゃんのお許しも出たことだし、楽しんじゃおう!」
「第一夫人のお許しもありますから、せいいっぱい楽しみましょう♪」
「ちょ、ちょっと待った、カレハさん。なんですか、その第一夫人って」
「あら、もちろん、楓さんのことですわ」
「いつ、決まったんですか! いつ!」
「稟さん、声が大きいですわ」
「稟ちゃん、知らなかったの? 第一夫人が楓、第二夫人が桜。第三夫人はリムちゃん」
「第四夫人がシアさんで、第五夫人がネリネさん、第六夫人がキキョウさん」
「第七夫人が私で、第八夫人がカレハだよ」
「いつ決まったんですか、その順番」
「もっちろん、稟ちゃんがヴァージンを奪った順番♪」
「……そこ、にっこり笑って言うところじゃないでしょう」
「まあ、便宜上よ、便宜上。楓はあたふたしていたけれど、他のみんなは既に了承済だから」
稟の知らないところで色々なことが決まっている。
俺の人権はなんなんだ、と今更無駄な自問自答を繰り返しながら、
電車は目的地へ向かっていった。
今の会話を聞いた男性諸君から、周りの冷たい視線を浴びながらであるが……
283 名前:80[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 19:09:21 ID:TgG3UYDz
問題は、カレハのエロシーンがどこにもないことなんですよね。
他のSSでもほとんどないですし。
同人ならあるかも知れないけれど、さすがにそこまで探すのはしんどい。
どうしても想像できないんです。
なんで神界FDがないんだ!!!
ということで、1ヶ月苦しんでいました。

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