- 477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 17:59:57 ID:Y207Dto3
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この流れの中での投下は正直怖いんだけど、駄文(微エロ)投下します
- 478 名前:ぴろ〜ふぁいと!? 1/4[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 18:01:21 ID:Y207Dto3
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「――――ってなわけで、結局大騒動になっちゃったんですよ」
「くすくす。それは大変でしたね、稟さま」
「あはは。相変わらずですね〜」
やれやれといった感じでため息をつき、肩を竦める稟ちゃんにネリネちゃんとママが可笑しそうに笑っている。
普段から和やかな食後のお茶の時間だが、今日は稟ちゃんが来てくれたためにより一層和やかに、そしてとても華やいだ雰囲気に満ちているように思える。
やはり稟ちゃんをお泊りに誘ったのは正解だったようだ。
ネリネちゃんと付き合うようになってもう随分経つわりに、稟ちゃんは未だにウチに泊まりに来るのを恥ずかしがっているからねえ。
もう家族といっても過言では無いのだから、遠慮なんてする必要は無いのに。
まあ、やや強引に誘ったことでママやネリネちゃんから叱られてしまったけれど、こうして稟ちゃんが泊まりに来てくれたんだからよしとしよう。
「…俺は巻き込まれただけです。悪いのは全部樹の馬鹿です!」
憮然とした表情で紅茶を啜っていた稟ちゃんが半眼で呟く。
だがその様子は言葉ほど悪意に満ちてはいない。
何だかんだ言っても、樹くんとはいい友達なのだろう。
そんな稟ちゃんを宥めながら、空いたカップに紅茶を注ぐネリネちゃん。
「稟さま、お砂糖はどうされますか?」
「ああ、じゃあ一杯だけ…。ありがと、ネリネ」
「いえ。……はい、どうぞ?」
そう言ってカップを差し出すネリネちゃん。
稟ちゃんの優しい笑顔と言葉にぽっと頬を染めている。
うん。素直で純粋な女の子に育ってくれてパパはとっても嬉しい!
リアのようにならないようにと育ててきた私達の教育方針は間違っていなかった!
私とママの愛の結晶であるネリネちゃんは私の宝物! ネリネちゃんの幸せは即ち私の幸せ! ネリネちゃんのためなら私はどんなことだってするよ!
ネリネちゃんの為なら例え火の中水の中森の中! 例えそれが(あまりの内容のためお聞かせできません。しばらくお待ち下さい)であっても私ははぅあっ!!??
突然足の甲に感じた激痛に我に返って足下を見ると、私の足の甲に隣に座っていたママの踵が突き刺さっていた。
「パパ〜? そんなイっちゃった目で虚空を睨んでないで、会話に参加しましょうね〜?」
昔と変わることなく眩しいママの笑顔。けれど額にバッテンを付けていると可愛い顔が台無しだよ? いや、勿論私はそんなママも大好きだけどね。ゾクゾクするし。
「ママったらそんな、“イっちゃった”なんて大胆なセリフを娘達の前で…って痛い! 痛い! グリグリしないでおくれ! ゴメンよ! パパが悪かったよ!」
相変わらずママの愛情表現は過激だねえ。
ふと前を見ると、稟ちゃんとネリネちゃんが訝しげな様子で私を見ていた。
おっといかんいかん。つい興奮しすぎてしまったようだ。このままでは威厳たっぷりの、頼れるパパのイメージが崩れてしまうよ。
- 479 名前:ぴろ〜ふぁいと!? 2/4[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 18:02:17 ID:Y207Dto3
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「え〜っと、なんだったっけ? 稟ちゃんの巻き込まれた騒動の話だっけ? え? それはもう終わった?」
むう、これはマズイ。ここは一つ、どうにか話題を変えて…おお、そうだ! 以前手に入れた、アレを使おう!
確か袋に入れたまま押入れにしまった筈……ああ、あったあった。
「ささ、突然だけどネリネちゃんと稟ちゃんにパパからプレゼントだよ〜」
「俺たち二人に、ですか? なんですか、これ?」
「結構大きいですね。柔らかいですし」
「まあいいから開けてごらん? きっと気に入ると思うよ?」
私の言葉にごそごそと袋を開けて中身を取り出すネリネちゃん。
「これは…枕ですか? けれど真ん中の大きなピンクのハートマークとその中に書いてあるYESという文字はいったい…? 稟さま、ご存知ですか?」
「こ、こりは…ひょっとして噂に聞く、YES・NO枕というやつでは…」
おや、稟ちゃんはこれを知っていたのか。なら話は早い。
「そう。夜の行為を求めてきたパートナーに応じるかどうかを容易に伝えることの出来る優れものさ! 恥ずかしがりやなネリネちゃんにぴったりだろう? おや、どうしたんだいネリネちゃん? そんなに真っ赤になって」
「あ、当たり前でしょう。おじさん、いくら何でもこれは…「お父様! 私は稟さまの求めを断ることなんてありません!!」…ネ、ネリネ?」
真っ赤な顔で泣きそうになりながら私と稟ちゃんを交互に見つめるネリネちゃん。
うん、そんな顔もとってもらぶり〜。思わずパパ一枚撮りたくなっちゃったよ。
「ネリネちゃん、それは大丈夫だよ。裏を見てごらん?」
「裏、ですか? ええと…」
「………あの、おじさん。何で“YES”の裏が“はい”なんですか?」
「そりゃあもちろん、ネリネちゃんが稟ちゃんの求めを拒むはずがないと分かっているからね。パパがちゃんと作り変えておいたよ」
ぐっと親指を立てて稟ちゃんにウインク。
「意味が無い…。YES・NO枕の意味が無い…」
何故かさめざめ泣いている稟ちゃん。ああ、私の気遣いに感動してるんだね? 気にすることは無いんだよ、マイサン。稟ちゃんのためなら私は(以下省略)。
さ、いつでもパパの胸の中に飛び込んでおいで! 受け止めてあげるよ!
「パ〜パ〜?」
ふと後ろから聞こえるママの低い声。
「いい加減にしなさ〜い! サンダーキーック!!」
意識を無くす直前、振り向いた私が見た光景は視界いっぱいに広がってくるママのパンツだった。
ママ、黒いパンツがとてもせくしーだよ………。
- 480 名前:ぴろ〜ふぁいと!? 3/4[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 18:03:26 ID:Y207Dto3
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「……いや〜、何だか変な夢を見たよ。大きな川の側で顔も見たことの無いご先祖様が私の足首を掴んで離さなかったんだ。いったい何だったんだろうね?」
「も〜パパったら〜、お盆の時期はまだ先ですよ? 大体顔も見たことが無いのにどうしてご先祖様だって分かったんですか〜?」
「そう言われてみればそうだね〜。いや〜、変な夢だったよ。はっはっは!」
しばらくして目覚めた私は、寝室にてママと談笑していた。
どうやらあれから三時間ほど経っていたらしく、もう時刻は十一時を回っていた。
稟ちゃんやネリネちゃん、それにママはもう入浴を済ませたらしい。
今日は稟ちゃんと男同士、いや未来の親子として一緒に入浴して親睦を深めたかったんだけどねえ。
息子に背中を流してもらうという全世界の親、というか私の夢が叶うと思ったのに…シクシク。
「パパも早くお風呂入っちゃって下さいね?」
「ああ、ちょっと待っておくれ。あと少しで完治するから…」
そう言っている間に治ったようなので、私は顔面にかざしていた手をどけて魔力の放出を止める。
そうしてようやく瞼の腫れが引いて、私は愛しいママの顔を再び見ることが出来た。
「あれ? ママの姿が傾いて見える?」
「私が傾いてるんじゃなくて、パパの首が傾いているだけですよ」
なんだ、そうだったのか。どうりで顔面だけでなく首筋にも痛みがあると思ったよ。
「ママのキックは年を経るごとに鋭さを増していくねえ」
「日々是精進というやつです♪」
ごきりと音を立てて首を戻して呟くと、ママは飛び切りの笑顔を向けてくれた。
さて、身体も治ったことだしお風呂に行くとしよう。
- 481 名前:ぴろ〜ふぁいと!? 4/4[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 18:04:13 ID:Y207Dto3
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「ああ、いいお湯だったよ」
入浴を終え、再び寝室へ戻ると、ママが枕を抱きかかえるようにしてベッドに腰掛けていた。
だが、何やら少し様子がおかしい。
頬を赤らませながら視線をあちこちに彷徨わせており、私の声も碌に聞こえていないようだ。…パパ、悲しい!
「ママ? どうかしたのかい?」
「ひゃ、ひゃい!? …パ、パパ!? い、いつの間に…!?」
ようやく私に気づいたらしいママは、顔を真っ赤にさせている。
「今さっきだよ。それより何かあったのかい?」
「い、いえ!! 何でもありません!!」
ぶんぶん手と頭を振るママ。
だが、そのあからさまに怪しい態度は何かあると言っているようなものだった。
その時、さらに追求しようとした私の耳に、どこからかかすかに声らしきものが聞こえてきた。
「…っ……ぁっ、ぁんっ! ……んんっ! …ん…ぁっ! り…さま…! 稟さまぁっ!」
…………………………………。
思わずママと視線が合ってしまった。
どうやら稟ちゃんとネリネちゃんが“お楽しみ”らしい。
この部屋まで声が聞こえてくるということは、二人の交わりは相当激しいようだ。若いねえ。
「…どうやら、私のプレゼントは早速役に立ったようだね」
「は、はあ、そうみたい、ですねえ…」
顔を真っ赤にして俯いたママが恥ずかしそうに呟く。
身体、特に内腿を小刻みに揺らし、というかもじもじさせている。
おや? この反応は?
私はある推測(ほぼ確信といってもいいが)にママの隣に腰掛けた。
そして、
「ママ。ひょっとして娘とその彼氏の交わりを想像して興奮しているのかい?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!??」
動きが固まった。次いで睨まれた。
顔は真っ赤で、その瞳は潤んでいる。
それは羞恥のせいだろうか? それとも図星を指されたからだろうか?
おそらく両方だろう。なら私の取るべき行動は一つだ。
私は微笑みながらママの髪を優しく撫で、その耳元でそっと囁いた。
「…セージ」
「パ、……フォーベシイ…さま?」
戸惑ったような様子のセージの肩をやや強引に抱き寄せ、大胆に唇を奪う。
柔らかな感触に、そのまま滅茶苦茶にしたい欲望に身を任せてしまいそうになるものの、何とかそれを押さえつけ、私は唇を離し、微笑みかけた。
「……いいかい?」
私の求めにセージは黙って視線をそらし、そっと抱きかかえていた枕を私の眼前に持ち上げて見せた。
そこにはピンクのハートマークと共に大きく“YES”と書かれていた。
稟ちゃんとネリネちゃんには負けてられないね。などと考えながら、私はセージを押し倒した。
翌朝、明らかに寝不足の魔王一家+1名がリビングで顔を合わせることになった。
気まずい笑顔を浮かべる俺や、ネリネ、セージさんに対し、魔王のおじさんは終始朗らかな笑顔を浮かべていた。
この人には適わない、そんな思いに駆られたある日の出来事だった。 〜土見稟談〜
- 482 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/05/30(水) 18:05:49 ID:Y207Dto3
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以上です。
魔王さまはかなり好きなキャラなんですが、実際一人称で書いてみるとかなり難しかったです。