773 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 1/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:36:15 ID:9wocFcH4
光陰矢の如しという言葉の通り、うだるような猛暑の日々はいつの間にか終わり、日中はともかく、朝夕の時刻には半袖では過ごす事の出来ない季節となっていた。
そんな秋の土曜日の午後を俺、つまり土見稟は自室でまったり過ごすことで堪能していた。
自堕落、とか爺臭い、とかいい若いもんが昼日中から家で…とか言う声が上がるかもしれないが、こうやってのんびりと過ごすことも時には大切なことではないかと俺は思う。
と言うか、こういう風に穏やかな日々を過ごすことが俺の昔からの夢だった筈なのだが、一身上の都合、というか諸々の事情により何故かしょっちゅうお祭り騒ぎになってしまう。
賑やかなのも決して嫌いではないんだが、やはりこういう心落ち着くふいんき(ry)の方が俺は好みだ。
簡潔に言ってしまえば、『キリンさんが好きです。でもゾウさんの方がも〜っと好きです』というやつだ。

「……っ…ふわぁ〜〜〜〜っ……」

思わず零れる大欠伸。
気温はさほど高くないものの、長袖を着用しているために寒くは無く、むしろ差し込む柔らかな日光のお陰で身体はぽかぽかと心地良い。
おまけに昼食を取ったのが一時間ほど前ときたもんだ。
眠気が襲いかかってきても何ら不思議はない。
見る見るうちに目尻と意識がとろんとしてきた。
だが不意に、少し前に買い物に出かけた幼馴染の顔が脳裏に浮かび、睡魔の浸食を僅かに押し留めた。

(楓に留守番頼まれてるんだから、寝ちゃ駄目だ!)

理性は必死に訴えかけ、鉄壁の守りを取ろうとするものの、睡魔という名の強敵の前ではどう見ても砂上の楼閣です。本当にありがとうございました。
そうして本能の求める欲求によりどんどん押し崩されていく理性。

(こ、コーヒーでも飲めば…!)

理性の必死の抵抗。だが…

(淹れるのマンドクセ…)

その一言で全て押し流されてしまった。
そして、なおも睡魔の攻勢は続く。

(だいじょぶだって。たくはいびんもなにもこないだろうし)
(そ、そんなこと言い切れるはずが…)
(ねちゃいけないとおもうとよけいねむくならね?)
(ううう……)
(ちょっとねむるだけじゃん。ごふん、いやじゅっぷんだけねようぜ〜?)
(し、しかたないなあ。それじゃあごふんだけ…)

我ながら情けないことこの上ないが、理性は本能の求める欲求に瞬く間に侵食されつくしてしまった。
と言うか、必死の抵抗として椅子の背もたれをギシギシ軋ませながら背筋を伸ばしていたつもりが、いつの間にか一定のリズムで船を漕いでしまっていた。そりゃ眠気に勝てんわな。

(…あぁ、もうげんかい。ねよ…)

そう思い、ベッドに向かおうと椅子を軋ませる身体に力を入れたその瞬間。

「稟ちゃん!! 稟ちゃん!! 稟ちゃ〜〜〜〜ん!!!」

ビクンッ! (←突然の声に身体が硬直)
ガシャッ! (←変な力がかかったせいでひっくり返る椅子)
ゴスッッ! (←床に後頭部強打)
………ッ! (←悶絶中)
…オハヨウゴザイマス…。
774 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 2/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:37:14 ID:9wocFcH4
「んで、何なんですか? 大事な話って」

後頭部を擦りながら涙目で尋ねる俺。
眼前には(そのままの意味で)俺の目を覚まさせてくれた、ある意味恩人ともいえる長身ロン毛の男性。
エプロンを着たその姿からは想像出来る筈もないが、目の前の男性こそが三界の一つ、魔界を支配する魔王フォーベシイ陛下その人だった。
眼前の事実が何かの間違いであって欲しいと思うことはこれまでの人生でも数知れずあったが、この件に関しては未だに納得いかなかった、というかしたくなかった。

「陸に揚げられた魚のようにのたうち回る稟ちゃんの姿なんて、実に珍しいものが見れちゃったね〜。パパ思わず一枚撮っちゃったよ」
「そこは激写するより助けるところだと思うんですけどね、人として。あと一つ言っておくと、誰かが急に魔法で“転移”してきていきなり大声をかけてきたのが原因なんですけど」

そう、先ほどうとうとしていた俺の前に魔王のおじさんが突然現れ、大事な話があると俺を隣家である魔王邸に引っ張り込んできたのだ。

「おや、そうだったっけ? いや〜、私ももう年のせいか物忘れが激しくてね〜」

魔王のおじさんは何事もなかったかのように実ににこやかに、そして爽やかに微笑んでいるのだが、その姿を見て俺の胸中に浮かぶのは感謝の念ではなく殺意という名の黒い感情だった。

「まあまあ稟ちゃん、そう怒らないで。ちょっとタイミングが悪かっただけじゃないか。…あ、ほらほら、紅茶でも飲んで。私が焼いた特製ケーキもあるよ」

俺のジト目を朗らかに笑いながらあっさりスルーするおじさんに何を言っても無駄だと諦め、言われるままに紅茶に口をつける。

(…紅茶もケーキも絶品なのがまたムカツク)

どうやらラム酒か何かで風味付けされているらしく、甘すぎない大人な風味のそのケーキは俺の好みにもあっており、俺は無言でぱくぱくと口に運び、あっという間に平らげてしまった。

「…あ、そう言えばネリネはどうしたんですか? あとセージさんも」
「ママは今買い物に行っているよ。ネリネちゃんの方は自室にいるんだけど、稟ちゃんが来ていることをまだ伝えていないんだよ。今日は稟ちゃんに大事な話があったんでね」

そう言うと、おじさんは不意に表情を曇らせる。
滅多に見ないおじさんのそんな表情に、俺も自然に表情を改める。

「何…ですか? 大事な話って」
「実はね……稟ちゃん。…私は…私はね……もう我慢できないんだよ!!」
「ちょ、お、おじさん!? 何を!?」

顔を上げ、真剣な表情でとんでもない爆弾を投下してきたおじさん。
思わず腰が浮き、背筋に途轍もない悪寒を感じる俺。
―――うほっ、いい男
―――ところで俺の(ピー)を見てくれ、こいつをどう思う?
―――すごく…大きいです…
―――やらないか?
―――やらないか?
―――  や  ら  な  い  か  ?

「アッー!?」

脳裏を駆け巡るいくつもの有名なアレな言葉の数々に、俺の身体は考えるよりも先に動き、一瞬で逃げの体勢に入った。
だがそれよりも早く、俺の両手はおじさんによってがっしりと握りしめられてしまった。

( ヤ バ イ ! つ か ま っ た ! ! )

熊に捕まった鮭のような絶望的な気分でもがくものの全く振りほどけず、俺はそのままの勢いで壁に押し付けられた

「いやああああ! らめえエエエエ!? う、ウチには俺の帰りを待つ九人の妻達が〜!!」
「稟ちゃん! 私は、私はっ! ………………孫が欲しいんだよ〜!!」
「………………はい? 孫?」
775 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 3/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:38:02 ID:9wocFcH4
半泣き、半狂乱からどうにか立ち直った俺。
何だか妙に生々しいなあと思いながらもいそいそと服装の乱れなど佇まいを正し、阿部さ、いや魔王のおじさんと向き合った。数m距離をおいて。

「…で、一体どういうことですか? なんでいきなり孫なんですか?」
「それなんだがね、…まさしく語るも涙、聞くも涙なお涙頂戴の長く壮大なお話でね。一体どこから話したものやら…」
「なら俺帰りますね。おつかれっしたー」
「ああ!? ちょっと待っておくれ! すぐに話すから…」

真剣に帰ろうとする俺におじさんはよよよ、とざーとらしく床に崩れ落ち、ぽつぽつと語り始めた。
おじさんの話はしょっちゅう脱線し、関係無い話や娘(ネリネ)の惚気や自慢話を何度も加えたりして長かったのだが、それらを除き本題を簡単に纏めると…
・昨日光陽町の町内会長さんが回覧板を回しに来たらしい。
・町内会長さんの所に孫が生まれたらしく、散々自慢話を聞かされたらしい。
・それで自分も欲しくなったらしい。
これだけのことを語るのに三十分以上かかったのは何故なんだろう?
長くもなければこれのどこに泣けるのか分からない。
強いて言えば、付き合わされた俺の後頭部のたんこぶの痛みと、最早帰ってくることのない睡魔に泣きたいくらいだ。

「…それでね、その時に町内会長さんから頂いたのがこれなんだが…」

そう言っておじさんはどこからかリモコンを取り出し、部屋の奥に置かれてあったオーディオのスイッチを入れる。
少しして響いてきたのは一昔前流行した、タイトルがそのものずばりな祖父の歌う演歌だった。

「そういや昔こんなのありましたね〜…」

遠い眼をして呟く俺。
確かに町内会長さんの所にお孫さんが生まれたのは知っていた。芙蓉家にもあいさつに連れてきたことがあったからだ。
始めて見る赤ん坊にプリムラが興味津々で、赤ん坊の一挙一動に猫のように目を丸くしていたのが印象的だった覚えがある。
蕩けんばかりの笑顔で赤ん坊を抱く会長さんに楓が、

「目元の所なんかが会長さんにそっくりですね」

と言うと、会長さんはデレデレという擬音が聞こえるのではと思うくらいに目尻を下げて『分かりますか!? そうなんですよ、ここのところが〜』と喜んでいた。
正直俺には目元も何もさっぱり分からず、むしろ宇宙人じゃね、これ?とか思っていたのだが、とりあえず黙っておいた。空気の読める俺偉い。
776 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 4/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:38:49 ID:9wocFcH4
「それで? 俺に一体どうしろと?」

何となくこの先の展開の読めてしまった俺だったが、一応そう聞いてみた。

「私も孫が欲しいんだよ! だから稟ちゃん! ヨロシク!!」
「……何をですか?」
「勿論、ナニを! 大丈夫! ネリネちゃんは決して拒否なんてしないよ!」

予想通りの展開に大きく溜息をつき、外的要因以外でも痛み始めた頭を押さえる。

「おや? 分かり辛かったかい? 簡単に言うとだね、ネリネちゃんに中出しをお願い、ということだよ?」
「いちいち言い直さなくて結構です! あのですね!? そう言うことはネリネ本人の気持ち…はまあ、置いといて、責任とか社会道徳というか倫理というかその、色々な問題が…」

段々と語勢が弱まってしまう俺。
どんな問題も笑いながら解決してしまいそうな人物を目の前にすると、良い言い訳が出てこなかったのだ。

「…そ、そんなことになったら学園生活にだって支障が…ってそうだ! そもそも俺はまだ学生ですから! 普通の学生生活、普通の青春を楽しみたいんです!」

必殺の言い訳を思いついた俺はここが攻め時と早口で捲し立てる。
流石にこれは効いたのかおじさんはがっくりと項垂れる。

「…そうか、そうだね」

心底残念そうに呟くおじさんに少しだけ憐憫の情が湧くものの、問題が問題である。
これに頷いてしまえば、就職どころかこの先の人生そのものが決定してしまう。
俺はこの難局を乗り切ったことに安堵しながら、再び紅茶を口に含んだ。

「…そうか、そうだね。稟ちゃんならそう言うと思ったよ。…稟ちゃんがそう言うと思ったから、その紅茶には一服盛ってあるんだよ」
「っぶふぅぅぅぅっ!!??」

おじさんのとんでもない発言に盛大に紅茶を吹いてしまう俺。
紅茶は綺麗に弧を描き、魔王邸のリビングに虹を描いた。

「うわ〜、きれ〜……じゃなくて!? ど、どどどどどういうことですか!? 一服盛ったって? 何を!?」
「魔界にはね、死にかけの亀すら種馬に変えると言われる伝説の媚薬があるんだよ。…一説によれば、かの伊○誠氏や鳴○孝○氏などもこれを使用したと言われているんだ」
「…それって媚薬というよりヘタレになるクスリじゃ…?」

そう言う俺のツッコミは華麗にスルーされた。
まあこれ以上は色々とヤバそうなので俺も自粛しようと思った。

「この薬は即効性でね。…稟ちゃん、身体が段々と熱くなってきてないかい?」

そう言われて思わずドキリとした。
確かに先ほどから身体が妙にポカポカしてきていたのだ。

「動悸は激しくなっているのに、妙に気分が良くなってくるんだ。そして…意識に靄がかかり始める」

俺はおじさんの淡々とした説明に何度も身体を仰け反らせてしまった。
おじさんの説明一つ一つの事象が間違いなく俺の身体に起きていたためだ。
777 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 5/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:39:37 ID:9wocFcH4
「…お父様? 先ほどから何を騒がれて…稟さま?」

不意にリビングの扉が開き、そこからおじさんの娘であるネリネが顔を覗かせた。
目を丸くしながらも嬉しそうに俺の側にやってくるネリネだったが、今の俺にそんなことを気にする余裕はなかった。

(ヤバイ! 今の状態でネリネと出会うなんて…!)

媚薬の影響か、それとも花開くかのような柔らかな笑顔を見せてくれるネリネを見たせいか、俺の鼓動はさらに高鳴ってきていた。

「お父様、稟さまが来て下さっているなら教えて下されば良かったのに…!」
「ごめんよ、ネリネちゃん。実は稟ちゃんに少し話があってね。けれどそろそろネリネちゃんを呼ぼうとは思っていたんだよ?」

ぷうっと可愛く頬を膨らませて不満を口にするネリネに、おじさんは笑いながらも謝罪する。
正直そんなネリネの表情にすら俺は反応してしまい、胸が破裂しそうなくらいドキドキしていた。

「もう、お父様ったら…。それで、お話は終わったんですか、稟さま?」
「ぁ、え、ぅ、そ、それは、その、あの…」
「稟さま? どうされたんですか? お顔が赤いようですが…」

心配そうに俺の顔を見上げてくるネリネ。
だが、俺はそんなネリネに返事を返すこともできずにただネリネの顔を凝視していた。
シミ一つない白磁の肌はやや紅潮しており、
長い睫毛の下の大きな赤い瞳は明かりを受けてキラキラと輝く。
その小さな唇が開くたびに綺麗な音が紡がれ、俺の脳髄に響く。

(やばいやばいやばいやばいやばいやばい…)

頭の中はその言葉だけで埋め尽くされ、理性は必死にこの場から離れることを提案してくるものの、身体が全く言うことを聞いてくれなかった。

「どうやら稟ちゃんは少し気分が優れないようだ。ネリネちゃん、稟ちゃんを介抱してあげてくれないかい? …ああ、そうそう。この間あげたアレを使うと良いよ」
「…は、はい。すぐに用意します…!」

おじさんの言葉に少し戸惑うネリネだったが、すぐに頷くとスカートを翻し、リビングを出て行った。

「さて、悪いんだが稟ちゃん。私はこれから出かけなければいけないんだよ」
「え゛え゛っ!? そんな、俺はどうなるんですか!?」
「ネリネちゃんがいるから大丈夫だろう?」
「ネリネがいるからこそヤバいんですっ!!」

ネリネが出ていき助かったと思った次の瞬間発せられたおじさんの爆弾発言に俺は半泣きで叫んだ。
正直身体の状態は全く改善されておらず、今ネリネと二人きりになってしまえば襲いかかってしまう確率は果てしなく高かった。

「いや〜、非常に大切な用事を思い出してね〜。それじゃ稟ちゃん、ごゆっくり〜」
「ちょ、ま、待って下さい! おじさん! この人でなし! 悪魔! 魔王!!」
「確かに私は魔族で魔王だよ? …ああ、そうそう稟ちゃん、こんな言葉を知っているかね?  『大魔王からは逃げられない』と…」

人生オワタ\(^o^)/  ←その時の俺の心境
778 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 6/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:40:28 ID:9wocFcH4
「稟さま? 稟さま? 大丈夫ですか、稟さま!?」

そんな声に呆然としていた俺はようやく我に返り、そして再び呆然としかけた。
ニヤリと笑ったおじさんがリビングを出ていくのと引き換えにネリネが入ってきていたのだ。
それはいい。
だが問題はそのネリネの格好だった。
健全な男子なら一度は憧れる、というか妄想したであろうその格好。
それは、いわゆるナース服というやつだった。
白い清潔そうなキャップ付きの衣装は清楚なネリネによく似合っていた。

(白衣の天使って表現がぴったりだな。…魔族だけど)

そんなことを考えながらも、俺の視線はネリネから離れず、その全身を舐めるように、食い入るように見つめていた。

「…あ、あの、稟さま、あんまり見られると、その、恥ずかしいです…」

俺の視線を敏感に感じ取ったのか、恥ずかしそうに身じろぎするネリネ。

(俺、頑張ったよね…)
(もうゴール、してもいいよね…)

ズギューン、とどこかで擬音が発生し、何かが崩れ落ちていったのがわかった。

「…オンドゥルルラギッタンディスカー!?(意味不明)」
「きゃあ!?」

奇声をあげてネリネに飛びかかる俺
小柄な身体を強引に抱きしめ、床に押し倒す。
そして白衣の胸元を強引に開かせた。

「り、稟さま!? や、やんっ」

ネリネは目を白黒させながら驚愕するも、抵抗らしい抵抗は見せなかった。
不自然なほど簡単に千切れ飛んだ胸元のボタンに、長髪の悪魔の影を見出すものの、ピンクのブラに包まれたネリネの豊満な胸にそんな考えは虚空の彼方へ消え去ってしまった。
俺はネリネの首筋に顔をうずめ、首筋に舌を這わせながら両胸を揉み始めた。

「やっ、あっ、あっ、あんっ!」

俺の手で胸を揉まれるたびに甘くなるその声に、俺は調子に乗って愛撫を激しくさせる。
窮屈そうなフロントホックのブラを素早く開かせ、ぶるんと飛び出た白く大きな乳房、その頂にある桜色の突起にむしゃぶりつく。
徐々に硬さを増していくその突起を舌で転がし、歯で甘噛みし、強く吸う。
さらに甘さを増し、甲高くなっていく声に比例して俺のヤる気も天井知らずに上がっていく。
そう、まさに、
 ず っ と 俺 の タ ー ン !!!
といった感じで俺はネリネとの情事に溺れていくのだった。
779 名前:おじいちゃんの(!?)知恵袋 7/7[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:41:17 ID:9wocFcH4
「ふぅ〜、到着っと。あれ、パパ? どうしたんですか、玄関先で突っ立ったりして?」
「やあママ、お帰り。帰ってきたばかりで悪いんだけれど、デートに行こう!」
「はい!? いきなり何なんですか? デートって。ちょ、ちょっと、手をひっぱらないで下さい! 荷物くらい置かせて下さい!」
「そんなの私が持ってあげるから! さ、行こう! デートデート〜、愛しいママとデート〜」
「恥ずかしい歌を歌わないで下さい!」
「…あ、そうそう、来年には家族が増えるかもしれないよ〜」
「はい? どういうことですか?」
「さあ? どういうことだろうねえ? …それにしても、稟ちゃんは可愛いねえ。ケーキに混ぜたほんの少しのお酒と簡単な暗示に引っ掛かるんだから…。悪い人に騙されたりしないかパパは心配だよ」
「はあ、ま〜た稟くんにちょっかいかけて遊んでたんですか?」

諸悪の根源にそんなことを言われているとも露知らず、その時の俺は、

「オイヨイヨー!!!(意味不明)」
「ああ〜ん、稟さま〜〜♪」

結局第4ラウンドまで頑張ってしまったのだった。





「はあ〜〜〜〜〜っ…。はぅ〜〜〜〜〜っ…」

一晩明けて日曜日の午後、アンニュイ、というか鬱一歩手前の状態で俺は黄昏ていた。

(騙されていたとはいえ、結局生で4回もしてしまった)

顔に縦線入れながら前日の出来事を振り返り、再び溜息をつく。
そんな時。

ドス ドス ドス ドス ドス!

誰かが乱暴に階段を上がってくる音が聞こえた。
それと同時に、響き渡る野太い声。

「…稟殿! 稟殿! 稟殿〜〜〜〜〜!!!!」

段々と近づいてくる、聞き覚えのある声に俺の額には何故かでっかい汗が浮かび上がってきた。
嫌な予感と震えが止まらない。
俺はベッドに飛び込むと頭まで布団を被り、ひたすら祈り続けた。
神には絶対に祈れない。
魔王にも祈れない。
そんな絶望的な状況に、俺が取れる行動は一つだけしかなかった。

(ここには土見稟なんていう人物はいません! ここにいるのは、そう、単なる石です! 石ころなんです! …アイアムストーン)

現実から目を背け、必死に石ころになろうとする俺の努力も空しく、自室の扉が今まさに開かれようとしていた…。
780 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 17:42:00 ID:9wocFcH4
以上です。
前回読みにくいって言われたので今回は読みやすさを最優先にして書いてみました。
内容? 内容は…無いよう。

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