699 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:07:51 ID:K9ydRzPS
2年ぶりぐらいに投下します。
エセプラが出ているのに、リアリアCDその後設定です。
ハーレムエンドが好きなので、本編設定も混じっているところはお許し下さい。
無駄に長いので、とりあえず前編分です。
700 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:10:19 ID:K9ydRzPS
(1/12)

春休みに入って最初の金曜日の夜。
既にパジャマ姿の芙蓉楓と八重桜が仲良くアルバムらしきものを見ている。
プリムラは4月からバーベナ学園に通うことが決定し、
今は長期検査のために魔界へ帰っている。
今日は久しぶりに桜が泊まりに来ていた。
風呂から上がった土見稟は、二人に声を掛けた。
「楓、桜、何を見ているんだ?」
「あ、稟くん。麻弓ちゃんがアルバムを持ってきてくれたんです」
「アルバム?」
「はい、2年生終了記念アルバムだそうです」
「麻弓ちゃん、進級できたのがよっぽど嬉しかったようで、
 春休みに入ってすぐに作り始めたそうです」
「そんな暇があったら、勉強した方がいいと思うんだが」
「それより稟くん、いっしょに見ようよ。稟くんたちのこの頃って、
 会うことができなかったから知らないことが多いんだ」
桜が位置をずらし、稟が真ん中に座る。
二人のシャンプーの匂いが心地よい。
ただ、パジャマから伝わる体の柔らかさにどぎまぎしてしまった。
701 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:13:01 ID:K9ydRzPS
(2/12)
「なになに、バーベナ2年目の軌跡? なんちゅうタイトルだ?」
「私たちのバーベナ学園2年生の時の思い出を、色々とまとめてくれたんです」
「なんでも、土見ラバーズの人にはみんな配っているとのことだよ。
 わたしももらっちゃった」
「へえ、結構凝った作りだな。時間かかっただろうに」
「何でも、進級お礼らしいですよ」
「まあ、麻弓の進級は奇跡と言っても過言じゃないからな」
「だけどすごいよね、これって。紙も上等なものだね」
「印刷代もすごいだろうなあ。そんなお金よくあったな」
「何でも、色々とご協力いただいているから大丈夫そうですが……」
「ご協力? 知らないぞ」
「はははは……」
稟と樹は光陽町の二大スターとして、写真が高値で回っているのである。
もちろん、出所は麻弓である。
他に楓やシア、キキョウ、ネリネ、カレハ、亜沙、デイジー、瑠璃など、
土見ラバーズの写真も高値で取引されている。
しかも桜やプリムラ、ツボミまでも写真が出回っている。
ちなみに全員、稟のマル秘写真と引き替えという懐柔策に目がくらんでいる。
稟は以上の事実を全く知らない。
当然樹は全てを知っており、
モデル料と口止め料を麻弓からちゃっかりせしめているのだから、
どっちもどっちである。
「そういえば麻弓は去年もとんでもない写真集を作ってくれたよな」
「そ、そうですね」
「どうした、楓。いきなり声が裏返っているぞ」
「イエ、ナンデモナイデスヨ……」
楓と桜が稟秘蔵写真集(2年目限定)をこっそり隠していたのは、稟には内緒である。
702 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:15:42 ID:K9ydRzPS
(3/12)
「稟くん、楓ちゃん。せっかくだから、説明してよ」
「そうだな。この頃はお互い忙しくて会えなかったからな」
「これは4月の花見ですね」
「まだこの頃の亜沙先輩の暴走はおとなしいものだった……」
「これはシアちゃんとリンちゃんが転校してきたときです」
「で、こっちはプリムラが人間界に来たときの頃だな」
「みんな最初は緊張しているね」
次々頁をめくっていく3人。
稟やラバーズたちの水着姿の写真が出てきた。
「これは8月に海へ行ったときのものか」
「やっぱりリンちゃん、スタイルいいなあ」
「稟くん、ごめんなさい……。中途半端な大きさで」
「い、いや、楓の胸もちょうど揉み頃の大きさだから気持ちいいぞ……」
「り〜んく〜ん」
稟の慰め?の発言に思わず突っ込んでしまう桜。
楓の顔は当然真っ赤である。
「そういう発言は羨ましいだけだから、やめてほしいなあ」
「羨ましい?」
「あっ……」
思わず本音を口に出してしまい、桜の顔も真っ赤になる。
とりあえず頁をめくることで、その場をごまかした稟。
しかし次にあったのは、教室内で楓が稟にキスをした写真だった。
「「……」」
顔を真っ赤にする稟と楓。
「ええっと……、これはなにかな」
桜は顔こそにっこり笑っているが、目は笑っていない。
稟はあわててページをめくるが、次にあったのは校門前での稟と楓のキスシーン。
「噂は本当だったんだね……」
稟と楓が面前でキスをしたという噂はストレリチアまで流れていた。
桜は二人に真偽を聞いたことがあったのだが、二人ともごまかしていたのだ。
703 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:18:12 ID:K9ydRzPS
(4/12)
小さな嵐も過ぎ去り、再びページがめくられていく。
学園祭にハロウィン。それぞれの誕生日パーティ。
「これは髪の長い亜沙さんの写真か」
「亜麻さんが魔族だったというのはびっくりでした」
「だから魔法が嫌いだったんだね」
「こっちはネリネが歌っている写真だな」
「この時の歌、今でも覚えているよ」
「本当に天使の声だったな」
「私も聞きたかったなあ」
魔界からアイさんが来たときの記念写真。
冬の温泉旅行の写真。
「これはキキョウちゃんですね」
「シアと二人で写ってるやつだな」
「照れちゃっているね。
 この後からかわれたら暴走して樹くんがひどい目にあったけれど」
「まあ樹なら、直ぐに復活するから構わない」
「はははは……」
とても親友に対する発言とは思えない稟の言葉だが、否定しない楓も楓である。
そしてクリスマスパーティの写真。
「自分から頼んだことだけど、こうやってまとめて見るととても恥ずかしいな」
クリスマスの夜、稟は楓だけでなくラバーズ全員に改めて告白をした。
そしてヤドリギの下で、全員とキスの誓いを交わしたのだ。
しかも証拠として、麻弓に写真を撮らせたのである。
この時のことを思い出したか、楓も桜も真っ赤である。
それにしても、編集した麻弓自身の写真もあるのだが、恥ずかしくなかったのだろうか。
704 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:20:05 ID:K9ydRzPS
(5/12)
ページはまだまだ続く。
正月の初詣。全員振袖姿である。
バレンタインパーティ。
亜沙とカレハの卒業パーティ。
全員の進級祝い。
「こうしてみると、本当にいろいろなことがあったな」
「私は途中参加だけど、稟くんたちと一緒でとても楽しい1年だったよ」
「まさか、こうなるなんて、1年前には夢にも思っていなかったよ」
「私も、稟くんの恋人になれるなんて思っていなかったから、とても嬉しいです」
桜の本当に嬉しそうな発言に、少々照れる稟。しかし、
「だけど、まだ2年目は終わっていませんよ」
急に楓の口調が真剣なものに変わったので、稟と桜は驚いた。
「どうしたんだ、楓」
「まだ春休みは残っていますから」
「そりゃ、そうだが」
「では稟くん、何を悩んでいるのですか?」
「えっ」
思いがけない楓の攻撃にたじろぐ稟。桜は何のことかわからず、きょとんとしている。
「稟くん、いつになったら、桜ちゃんたちを抱くのですか」
「か、楓!」
「楓ちゃん!」
楓のストレートな発言に驚く稟と桜。
「春休みに入ってから稟くん、朝晩と私を抱いていましたよね」
「……」
「それって、桜ちゃんたちとどうするか、悩んでいたからじゃないですか」
稟は一言も発することができなかった。
確かに温泉旅行の時、稟は桜たちに告白をし、受け入れられた。
さらにクリスマスの夜、稟は桜たちに幸せの誓いを立てた。
しかし稟は今でも悩んでいた。
本当に桜たちとそういう関係になっていいのか。
いくら神界が一夫多妻制とはいえ、本当に許されることなのか。
そして、楓はどう思うだろうか。
ストレートな愛情をぶつけてくるラバーズたちと比べて、自分はどんなに小さいことか。
自分にそれだけ幸せになる資格があるのか。
「私たちは稟くんによって助けられました」
楓の言葉はまだまだ続く。
「私だけじゃありません。みんな、みんな、稟くんに助けられました」
「……」
「桜ちゃんをはじめ、みんな稟くんのことを愛しています。一緒にいたいと思っています」
楓は目に涙を浮かべながら、必死に訴える。
705 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:21:34 ID:K9ydRzPS
(6/12)
「俺は、当たり前のことをしただけだ」
稟は目を伏せながら、ようやく言葉を絞り出す。
「当たり前のことを、当たり前にできるのは稟くんだけなんです!」
「そ、そうだよ。稟くんは、欲しいと思ったときに必ず言葉をくれる人なんだから。
 想いを抱きしめてくれる人なんだから」
楓の言葉に、桜も応援する。
「私たちはみんな、稟くんと一緒にいたいと思っているんです」
「稟くんのそばにみんなでいることが、私たちの幸せなんだよ」
「稟くん、みんなで幸せになりましょう」
「周りが何と言おうと、私たちは稟くんの味方です」
いつの間にか、楓と桜は涙を流していた。きれいな涙だった。

「わかった」
長い沈黙の後、何かを吹っ切ったように稟は答えた。
「何を悩んでいるんだろうな、俺は。こうして、みんなに守られているのを知りながら」
「そんなことないです、稟くん」
「そうだよ、私たちのこと、真剣に考えてくれているから、悩んでいるんでしょう」
求めていた答えを得られ、楓と桜は幸せそうな微笑みを浮かべた。
「くよくよして悪かった。既に答えは出ているのに、いつまでも引っ張っていた」
「稟くん、大好きです」
「みんなのことを愛しているんだから、素直に行動すればいいんだよな」
「そうだよ、稟くん。私たちもみんな、稟くんのことを好きなんだよ」
「だったら……善は急げ、ですよね」
「えっ?」
楓の言葉の意味がわからず、目が点になる稟と桜。
「せっかく今日は桜ちゃんお泊まりだから、いいじゃないですか」
「それって……」
「お互い好きなんですから、当然のことだと思います」
「えーっっっ!」
「か、か、か、かえ、楓ちゃん、そ、それって!」
「はい、今日を桜ちゃんの初夜にしてしまえばいいんです」
「「えーーーーーーっっっっっっっ!」」
楓のストレートな発言に目を丸くする二人であった。
706 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:23:35 ID:K9ydRzPS
(7/12)
「明日は休みですから、ゆっくりしても大丈夫です。私はもう寝ますから」
「か、楓……」
「楓ちゃん……」
呆然としたままの二人をおいて、自室へ戻っていく楓。
残された稟と桜の間に、気まずい雰囲気が流れる。
いくら愛し合っているとはいえ、この展開は想像外である。
二人は目を合わせては顔を真っ赤にしてそらしてしまう状態が続いた。
しかしいつまでもこのままではいられない。
ついに稟は覚悟を決めた。勢いを付けて立ち上がる。
「桜」
「へっ、な、なに……きゃっ」
稟は硬くなっている桜をいきなり抱き上げた。
いわゆるお姫様抱っこというやつである。
稟は桜を抱き上げたまま居間の電気を消し、階段を上がって自らの部屋に入る。
桜は展開の早さに驚いているばかりだった。
稟は天井に付いている照明を付け、スモールにする。
二人の顔の表情が、判別できる程度の明るさだ。
「り、り、り、稟君…」
ようやく稟の名前を口にした桜の唇に、稟は自らの唇をそっと押しつける。
桜は最初、目を丸くして驚いていたが、やがてゆっくりと目を閉じた。
それは二人にとって三度目のキス。
最初のキスは、桜が稟に告白した光陽学園のとき。
二度目のキスは、去年のクリスマス、稟が桜たちと恋人になることを宣言したとき。
そして三度目のこのキスは、愛を交わすことを二人が約束したもの。
いつしか桜の腕は、稟の首の後ろに回っていた。
二人はそっと唇を離し、目を開けた。
稟は目で確認を取り、桜はゆっくりとうなずいた。
707 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:25:01 ID:K9ydRzPS
(8/12)
稟はベッドの上に桜を下ろし、そのまま寝かせた。
そしてゆっくりと桜に覆い被さり、頭の下に手を回す。
稟は桜の唇に、ふたたび唇を寄せていった。
二人の影が一つに重なり、桜は両腕で稟に抱きつく。
桜の両手が稟のパジャマを握りしめた。
そして稟の舌が、桜の閉ざされた歯をノックする。
桜は舌の感触に驚くが、やがて歯と歯の間を少しだけ開いた。
稟はその隙を逃さず、桜の口の中に舌をもぐりこませる。
そして稟は、桜の舌をあっという間に絡め取った。
桜は初めて受け入れた稟の舌に蹂躙されるままだったが、
自らも少しずつ舌を動かしはじめた。
たどたどしい動きであるが、稟は桜の動きに併せながら、快楽へと導く。
稟から少しずつ送り込まれる唾液を、桜は戸惑いながら飲み干していった。
その甘い感覚に、桜の頭の中が少しずつ痺れていく。
「ちゅるぅ、んちゅ、……ちゅっ、んふ、じゅるっ……」
桜の舌が、積極的に稟の舌を絡め取るようになってきた。
桜の動きを知った稟は、舌を自分の口の中に戻す。
追いかけるように今度は、桜の舌が稟の口の中に入ってきた。
稟の口の中で、再び二つの下が絡み合う。
今度は桜の唾液が稟の口の中に注ぎ込まれていった。
稟は混じり合った唾液を飲み干していく。
愛する二人による舌の追いかけっこと唾液の交換。
二人は5分以上もキスを続けていた。
やがて稟は、ゆっくりと唇を離す。
まだ触れ合っていたいと桜の舌が稟の舌を追いかけるが、残念ながら間に合わない。
二人の舌の間には、銀色の橋がかかり、やがてそれはぷつっと切れた。
708 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:26:48 ID:K9ydRzPS
(9/12)
稟は体を起こし、ゆっくりと上のパジャマを脱いだ。
その行為で、桜は次のステージに進むことを理解した。
桜は、スローモーションの画像を見るかのように、稟の手の動きを追っていた。
そして稟の右手が、パジャマの上からそっと桜の胸に触れた。
「あっ」
桜は電気が走ったかのように体を震わせる。
稟は胸の感触を確かめるように手の平で包み込み、指先に軽く力を入れて揉み始めた。
ブラジャーを着けていないせいか、パジャマの上からとはいえ、
思った以上の柔らかさだった。
「大きいな、桜。それに柔らかい」
「あっ、あん、そんなことないと思うけれど」
「病みつきになりそうだ」
「い、いいよ、病みつきになっても。私は稟くんのものだから……。あっ、あっっ」
桜の答えに胸を打たれた稟は、おもわず手の力を込めるとともに、左手も胸を揉み始めた。
「お、お願い。もっとゆっ、ゆっくり……はぅっ、な、なんか、身体がしびれてきて……」
緊張で固くなっていた桜の身体の力が抜けた。
稟の掌が固い感触を捉える。どうやら桜の乳首が固くなってきたらしい。
稟は桜が感じ始めていることを嬉しく思う。
パジャマの上から稟の人差し指が桜の乳首を捕まえた。
「えっ! あ、あぁ、そ、そこは」
「感じてくれているんだね、桜」
「はぁ、はぁ、ああぁぁ、だ、だめだよぉ、稟くん」
もう稟は我慢ができなかった。
「桜、いいか」
胸への愛撫を止め、桜のパジャマのボタンに触れる。
桜はそっと頷いた。

ボタンが一つ、また一つと外されていく。
桜の胸の谷間が、臍が次々と稟の目に晒されていく。
全てのボタンを外した稟は、ゆっくりとパジャマを左右に開く。
「ああぁ……」
小さく声を挙げる桜。桜の胸の全てが、稟の目の前に晒された。
桜の白い肌が、薄いピンク色に染まっている。
その頂点には、これも薄いピンク色の乳首が自己主張をしていた。
「本当に綺麗だな、桜」
「えっ、えっと、そんなことないよ。亜沙先輩は大きいし、楓ちゃんだって綺麗だし……」
「今は桜だけを見ているから。俺の大好きな桜を」
「……うん。お願いです、触れてください。稟くんに触れてほしいです」
「ああ、わかった」
稟は桜の胸にそっと手を伸ばした。
709 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:29:05 ID:K9ydRzPS
(10/12)
稟の二本の手が、桜の胸の形を思うままに変えていく。
「んふぅ。はぁ。ああっ……稟くん、稟くん!」
我慢しようと唇を噛みしめても、桜の声が少しずつ大きくなっていく。
(は、恥ずかしいのに、こ、声が止められない……)
桜の心に関係なく、いや、桜の本音を探るかのように稟の愛撫は続く。
そして稟は固くなっていた乳首を口に含んだ。
「きゃぁっ、んんっ、はあぁぁ!」
電気の流れたような快感が、桜の身体を通り抜ける。
稟は左の手で乳首を愛撫するとともに、口と舌でもう片方の乳首を舐っていく。
「んくぅっ、んん……っっ! だ、だめだよ、稟くん、はぁ、ああっ!」
稟の口と手は交互に入れ替わり、桜の胸と乳首を愛撫していく。
唇でついばみ、舌でこね上げ、さらに歯を軽く当てて甘噛みをする。
その一つ一つに、桜の身体が、声が反応していく。
いつしか桜の胸は、稟の唾液でべとべとになっていた。
初めての桜に刺激を与え過ぎないよう、稟は乳首への攻撃をいったん止めた。
そして桜の柔らかい胸を強く吸い上げ、キスマークをいくつも付けていく。
「や、やだっ、稟くん。痕が付いちゃう」
桜は思わず叫んだ。
「いやか、桜」
「だ、だって、恥ずかしいし……。誰かに見られたら……」
「誰かに見られることがあるのか?」
「それは、ないけれど……。学園も休みだし」
「だったらいいじゃないか」
「だ、だけど……」
「この痕を見て、いつでも俺のことを思いだしてくれ。
 痕が消えそうになったら、俺を呼んでくれ。いつでも、どこでも」
「……すごく格好いいこと言っているようだけど、
 それって私を抱きたいってことですよね、稟くん」
「だめか、桜」
「稟くん、独占欲強すぎだよ」
「……そうかもしれないな。やっぱり桜にも、ずっと側にいてほしいし。ワガママだけど」
稟の言葉に、桜は思わず苦笑した。
「わかりました。じゃあ、痕が消えなくても、
 会いたいときには会いに来ますし、だめなときは電話で呼びます」
「ああ、そうしてくれ、桜」
「もうっ、稟くんって、普段はとっても鈍感なのに、
 こういうときだけは気障な言葉を言うんだから。それにとてもエッチだし」
「そんなに俺って鈍感か、桜」
「……すっごく鈍感です。少しは自覚してください。
 みんなそれでやきもきするんですから」
呆れたような桜の口調に苦笑いをする稟。
「それは改めるよう努力するよ。だけど、エッチなのは自覚しているぞ」
「えっ?」
「そろそろ次の段階に進むぞ」
「えっ、えっ!」
言葉の意味が分かって慌て出す桜に構わず、パジャマの下に手を掛ける稟。
「少し腰を浮かしてくれないか」
とまどいながらも、言われたように腰を浮かす桜。
そして稟の手により、パジャマが脱がされていった。
710 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:30:54 ID:K9ydRzPS
(11/12)
桜が今身につけているのは、薄いライムグリーンのショーツだけ。
縁がレースになっている可愛いデザインのもの。
一番大事な部分を覆っているところは湿っており、
そしてべったり張り付いているため、
どのような形なのか一目でわかってしまった。
「稟くん、ごめんね」
「なにがだ、桜」
なぜか謝る桜に首をひねる稟。
いつの間にか稟もパジャマを脱ぎ、すでにトランクス1枚になっている。
当然、その中心部分は盛り上がっていた。
「だって、こんなになっちゃって……。はしたなくって……」
「はしたないことなんてないよ、桜。逆に嬉しいよ」
「えっ」
「これって、感じてくれているってことだよな」
「か、感じて……って、恥ずかしいよ、稟くんにはっきり言われると」
「俺は桜にいっぱい感じてほしい。
 どんなに声をあげたって、どんなに濡れたって、
 はしたないなんてことはない。俺のことをいくらでも感じてほしい」
「…………うん、わかりました。ただ……」
「ただ?」
「お手柔らかにお願いします」
桜は真っ赤な顔でつぶやいた。
頷いた稟はショーツの端に手を掛け、そして一気に脱がしてしまった。
「………っ!」
生まれたままの姿を見せてしまった桜は、両手で顔を隠してしまった。
黒い茂みは薄い。綺麗に閉じ合わさった割れ目は桜の愛液で既に濡れていた。
固く閉じられている桜の両足には、光る雫が見えている。
稟はまず茂みの方に手を伸ばし、既に半分が濡れている茂みを指でいじくった。
「や、やだっ、そんなところ引っ張らないでください」
「思ったより、固いんだな」
「ぬ、抜けちゃいますから」
「そうか。じゃあ、こっちかな」
稟は指の腹で割れ目をそっとなでる。
「あ、あぁぁ、あん」
初めての感触に戸惑う桜。そして固くガードされていた両足の力が緩む。
すかさず稟は身体を両足の間に入れ、両手で大きく拡げしまう。
「ああっ。恥ずかしい……。見ないで、見ないでください」
「綺麗だよ、桜。隠すなんて勿体ない」
稟は顔を桜の一番大事なところへ近づけ、熱い視線を浴びせていく。
「うぅぅ……」
視線そのものが愛撫になっているのか、
割れ目からは新たな愛液が一筋、お尻の方まで流れていく。
711 名前:始まりの夜(前編)[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:33:06 ID:K9ydRzPS
(12/12)
稟は綺麗に閉じている割れ目を指でそっと拡げた。
誰も見たことのない秘所が、稟の目に晒される。
出口を大きく開けられたことにより、既に少しずつ溢れていた愛液が大量に流れていった。
まだ誰も触れたことのないその場所は淡く、それでいて鮮やかなピンク色をしていた。
「あ、あの、あまりじっくり見ないでください」
「なぜ?」
「だって、汚いし……」
「ピンク色でとてもすごく綺麗だよ、桜。それにとても濡れている」
「実況しないでください、うぅぅぅ……」
(お風呂に入っていてよかった……)
恥ずかしさで沸騰しそうになりつつも、そんな現実的なことを考えてしまう桜。
我慢のできなくなった稟は、その神秘的な秘所の入口に唇を押し当てる。
「だ、だめっ、だよ。そ、そんなぁ、あぁ……舐、舐めないで、汚いから…ぁぁ」
稟の舌が割れ目に沿い、溢れていく愛液をすくい取る。
「甘いな。それにいい香りがする」
「ええぇ、稟くんっ、に、はぁ、匂いなんてかがないで、あああぁぁ」
さらに稟は舌を膣へ侵入させ、粘膜の感触を味わう。
「あぁ、し、舌が中にぃ、ふぁ、ああ、はぁ、あんっ」
そして稟は、充血して膨らんだクリトリスにそっと触れる。
「ひゃうぅ、そ、そこはもう、だ、だめぇっ」
桜は背を反らせ、身体をふるわせる。
じゅるぅ、ぴちゃ、じゅぅ、じゅるるるぅ……
稟はわざと大きな音を立て、懇々と流れ出てくる桜の愛液を啜っていく。
「稟くん、お、音は、やぁぁ、ああんっ、は、恥ずかしいよぉっ」
シーツを握りしめ、ただただ押し寄せる快感に耐えようとする桜。
もう稟は我慢ができなかった。
身に纏っていた唯一の布、トランクスを脱ぎ去った。
既に臨戦態勢状態の稟のペニスが、天に向かってそそり立つ。
先の方では、期待の先走りで濡れていた。
稟は少しでも桜の痛みを和らげるため、自らのペニスを桜の秘所になすりつけ、
桜の愛液で濡らしていく。
「あん、す、すごく、熱いです、稟くんの」
稟はあらためて桜の顔を見つめ、そしてゆっくりとキスをした。
唇をあわせるだけの、しかし自らの心を相手に伝えるためのキス。
そんな優しいキスに応える桜。
唇を離した稟は、桜の目を見つめ、そっと囁く。
「いいか、桜」
そんな稟の問いかけに桜は恥ずかしそうに、だけど幸せそうに笑って応える。
「はい。私を稟くんのものにしてください」
「痛かったら、我慢しなくてもいいんだぞ」
「はい、大丈夫です。もう知っていますから」
712 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 06:35:38 ID:K9ydRzPS
前編はここまでです。
全員を助ける稟って、どれだけスーパーマンなんだよ、
時間的に無理だろ、という突っ込みは避けていただけると助かります。
昔書きかけて放置していたのを、改めて書き直しました。
後編は今日中に投下します……多分。

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