818 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 15:59:23 ID:+7cDtzq6
よーし、またSS書きたくなって来た。
誰かお題下さい!
821 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 17:22:55 ID:h8phaKel
>>818
シアとキキョウがふとした事で姉妹喧嘩を始め、他のヒロインを巻き込んで
シア派とキキョウ派に分かれた抗争が勃発
最終的に稟が喧嘩両成敗でなだめて大団円な物語キボンと、かなり難しそうなのを確信犯的に希望してみるw
887 名前:名無し ◆85siVFU0r. [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:03:47 ID:iplvuy2w
できたー!

今までで最長になったかも…
肝心の喧嘩はかなり難くて自分が鬱になりそうだったので出来るだけ描写は控えました…すんませんorz
シメにはちょいと自信アリです
14ほど連投するのでレスは控えてね
888 名前:1/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:05:37 ID:iplvuy2w
些細なことが不和を呼び、不和がまた不和を呼ぶ。悲しむべきは人か、争いの種か…。

稟「な、なんでこんなことに…?!」
ここは俺の通う学園のはずだ。
明るい校風、新設されて間もないきれいな校舎。神、魔、人が共に学ぶバーベナ学園、のはずだ。
三日ぶりに来た学園は完全に別世界に変貌したようだった。
稟「一体何があったんだ…」
いつの間にやら校舎はスラムと化し、まるでゴーストタウンさながらの雰囲気を醸し出していた。

ことの始まりは一週間前に遡る…。



稟「体験学習…ですか?」
撫子「そうだ。といっても見学をするだけだが…」
そう言って、我らが担任、紅薔薇撫子先生は深くため息をついた。
この人がこういう狼狽した顔を隠さないで見せるときは決まって良いことがない。
稟「具体的にどういう内容ですか?」
撫子「主に神、魔、人の外交の様子の見学と…その、神王様、魔王様の仕事の見学だ」

紅女史の狼狽の理由がなんとなくわかるな…
稟「で、その体験学習にいくのが俺なのはやっぱり…」
撫子「ハァ…、両王のご指名だ。まあ、王になるかもしれない人間に仕事内容を見ていてもらおうという計らいらしい」
…なるつもりはないんだけどなぁ。
シア「えぇ〜、稟くん三日もこっちにいないの〜?」
キキョウ「シア、明日からお父さんのご飯は一品減らしましょ!」
樹「良かったじゃないか、稟♪稟が居ない間はシアちゃんもキキョウちゃんも、もちろん楓ちゃん、ネリネちゃんまで面倒見るよ♪」
ニコニコしやがってコイツ…。まあ、誰も樹の毒牙には掛からないだろうけど、不安だ…。
撫子「あー、緑葉。楽しそうなところ悪いがお前も参加者になっているぞ」
・・・へ?樹も?
樹「なんですとぉ?!何故ですか!紅女史、俺様は志願した覚えはありませんよ!?」
まあ、俺も樹もこういう小難しいことには極力手をつけないようにしてるんだが…
撫子「お前をこのクラスに残しておく方が危険だ!と、言うわけで連れていく事にした。文句は言わせん」
樹「そ、そんな…俺様の『鬼の居ぬ間にウハウハ大作戦』が!!」
お前、人が居ないあいだに何する気だったんだ…。
稟「良かったな、樹。ミッションは失敗だ」
樹「稟…。殴っていいかい?君が天高く輝く星になるほどに」
撫子「こらこら、突っ掛かるな、緑葉。どちらにせよこれは『あの二人』の決定だ。お前の事はそれなりに評価しているらしい」
889 名前:2/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:06:41 ID:iplvuy2w
まあ、樹の頭の回転の良さにはさすがのあの二人も舌を巻くほどだ。
そういうところをしっかり見ているから侮れない人達ではあるが。
撫子「私も引率者として同行する。緑葉が暴走しそうなら少々手荒にでも止めるつもりだ」
稟「宜しくお願いします」
行きたくはないけどあの二人の事だ。既に決定事項なんだろうな。ここは潔く諦めておこう…。
樹「仕方ないですね…。紅女史とのデートだと思えば悪くありませんから。いや、むしろ喜んで!」
・・・コイツのポジティブ発想はどこから浮かんでくるんだろうか。一度頭の中を調べたい程だ。
撫子「では、決まりだな。つっちーと緑葉は後で職員室まで来い。詳しい予定を聞かせる」
稟「分かりました」
樹「デートの予定は任せて下さい!空いてる時間を使って組みますんで♪」
撫子「それは楽しみだ。組めればな。」
紅女史の笑顔には『そんな暇は全く無い』といった意味が含まれているようだった。
つまり、ハードスケジュールってことか…
撫子「それではホームルームはこれで終了だ。みんな気をつけて帰ってくれ」



稟「こりゃ三日間いっぱいいっぱいだな…」
シア「もともと神界、魔界、人間界を三日で回るのが無理だよね…。お父さん、どうするつもりなのかな?」
確かにこれでは間に合わない。まず人間界のスケジュールだけで一杯だ。
樹「まあ、あの二人ならっ、何とかしそうでは、あるけどねっ…」
キキョウ「まぁ、意外と暇そうにしてる割りに忙しいから。お父さんは」
稟「なんだか仕事してるときのイメージは掴めないんだよな、あの二人は」
樹「そうかい?…よっと、あの二人の真面目にやってるときの、顔を…思い浮かべればそうでもないんじゃないかい?」
確かに…真面目なときは空気から違うもんなぁ。問題はそのギャップの激しさだと思うんだが…
稟「で、樹。さっきから気にはなっていたんだが、その荷物はなんだ?」
樹は下校中には似つかわしくないスポーツバックを抱えていた。
樹「ああ、これかい?…俺様としても不本意なんだけどこの前文化祭で使ったコスプレ衣装を持ち帰らないといけなくてね」
稟「ああ、この前も借りてきてたヤツか?あれは樹個人の物じゃないだろ?」
昨年やったコスプレ衣装貸し出しを今年はやらなかったのだが、
各クラスから『貸してくれ!』のオンパレードを受けて樹等数名が貸し出しを行ったのだった。
樹「今日貸し出しメンバーが一人休んでしまってね。持ち帰る奴が居なくなって、急遽俺様が持ち帰ることになったんだよ」
樹は狼狽した顔をみせるとバックを抱え直した。
樹「まったく、仮面ライダーのスーツよりメイド服なんかを持ち帰りたかったね…」
890 名前:3/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:07:45 ID:iplvuy2w
シア「そ、そんなものまであったんだ…」
キキョウ「あれ、意外と面白いよね〜。『俺、参上!』とか、かっこよくない?」
そうか・・・?
ま、まあ人の感性はそれぞれって事で…
稟「それで樹はなんで持って帰って来たんだ?学校に置いておけば良かったんじゃないか?」
樹「紅女史が『持ち帰らないのであれば処分するぞ』って言ったもんだからね。本物らしいから流石に処分されるとマズイ」
稟「本物って…どうやって借りてきたんだ…」
今はまだ撮影に使ってるんじゃないか?…まあ、細かいことは気にしないでおこう。
樹「それじゃ、俺様はここで。よっと…」
稟「ああ、気をつけて帰れよ」
樹は重そうな荷物を抱え自分の家路を辿っていった。


シア「でも三日か〜。今まで殆んど毎日会ってたからなんだか寂しいね…」
キキョウ「ホントに…なんだか稟が遠くに行っちゃうみたいでやだよ…」
うぅ、流石にこんな二人の顔を見せられると行きたくなくなるな…。神王と魔王のおじさん、恨みますよ…。
稟「おいおい、たった三日じゃないか。それに遠くって言っても神界も魔界もすぐに行き来できるんだろ?」
シアとキキョウを安心させるため、俺は心にもない事を言ってみた。
シア「だけど…うぅ〜、やっぱ寂しいッス〜…」
キキョウ「そうだよ…稟は我慢できるからいいけどあたし達はそんなに我慢強くないんだよ?」
俺だって行きたくないけど、結局は最後に回ってくるんだ。だったら…
稟「わかった…、じゃあこうしよう?終わったら一番にシアとキキョウの所に戻ってくる。それでいいか?」
キキョウ「…うー、稟が、そこまで言うなら…」
シア「仕方ない、ッスね…」
何とか承諾してもらえたかな?
稟「まあ、俺も神界魔界の事も知っておきたいし勉強だと思って行ってくるよ」
シア「じゃあ私は稟くんの為にケーキ作って待ってるね♪」
稟「おいおい、ケーキなんて大袈裟な…大したことないんだぞ?」
キキョウ「稟…?覚えてないの?稟の誕生日、体験学習の最終日だよ?」

あ…、 忘 れ て た
そうだよ、俺自身の誕生日じゃないか…
稟「完全に失念してた…」
シア「せっかくこの前は私の誕生日祝ってくれたんだもん。だから、そのおかえし♪」
うーん、この前は祝ったというかむしろしてもらったというか…
この前のシアの誕生日はプレゼントとか準備できなくてシアの『お願い』を聞いただけだった。
その内容も『耳掻きさせて』だったから何ともきまりが悪かったんだが…。
稟「悪いな、なんだかしてもらってばっかで…」
キキョウ「いいんだよ、稟。誕生日は一回じゃないんだから♪来年は覚えててね?」
稟「そうだな、来年はなにか考えておくよ」

891 名前:4/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:09:04 ID:iplvuy2w
まあ、そんなわけで体験学習が始まったわけだが…

魔王「集まってくれたようだね。まずはこれをつけてくれたまえ」
集まった総勢30名にパスと洒落たリングが渡された。男「こりゃ…指輪か?」
女「キレイ…」
何だか不思議な力を感じる指輪だな…
樹「なんだか魔力素養がありそうなリングだね」
稟「確かに…これは?」
神王「家にあった『英雄の指輪』の模造品だな。今回の学習期間はそれをつけててくれや」
模造品、と言う割りには豪勢な作りのリングは神々しい光を放っていた。
魔王「それが今回のハードスケジュールをこなすキーイアイテムになる。無くさないでくれたまえ」
神王「実際こんだけのスケジュールをこなすのは俺達だけなら大丈夫なんだが…オマケがこんだけいると大変でな」
魔王「魔法でひょいと移動だからね。でも、それを行うにはどうしても私達の魔力では少し足りないんだ」
稟「でも、それとこのリングにどんな関係が?」
よくぞ聞いてくれました!とばかりに魔王のおじさんはにこやかに説明してくれた。
魔王「時間制限があるのならその中で早く動けばいい。でも人である以上限界はある。ならその限界を越えればいい。」
神王「つまりこれがその限界を越えるアイテムってこった。つまり、おめえら全員この三日間だけ超人ってわけよ!」
ガハハと笑いながら神王のおじさんは物凄いことを言ってのけた。
樹「なんだかリスクのありそうなアイテムですね…。欠点があるんじゃないですか?」
魔王「お、流石に『バーベナ1の頭脳』を自負するだけはあるね。これはあくまで模造品。効果は三日間限りだよ」
魔王のおじさん曰く人の全ての身体能力を向上させると全てがスローモーションになるらしい。
具体的に手足の力、眼、理解力など。余りの能力向上で周りの風景が遅く見えるんだそうだ。
魔王「しかも、肉体に影響は無し。神界のスーパーアイテムだ」
神王「つまりゆっくりした時の中を普通に動けるようなもんだ。自分の意思で効果を出したり引っ込めたり出来るからよ」
何て言うか何でもありだな…。
実際の体験学習の期間は三日間だが四日位の期間に感じるそうだ。

神王「それじゃ、行くか!」
魔王「走り出すようなイメージをしてくれたまえ。慣れたら簡単だ」
次の瞬間バーベナ生徒も含めた全員が忽然と姿を消した。
単純に周りから見えないほどのスピードになったのだが…。

892 名前:5/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:10:17 ID:iplvuy2w
〜体験学習一日目〜
神王「まずは首相官邸に殴り込みだ!」
生徒一同「おお〜!」
なんだこのノリの良さは…
最初は首相官邸に神、魔、人の合同会議が行われるそうだ。
一体どんな会議になるのやら…



シア「稟くんたち、今頃どうしてるんだろうね?」
キキョウ「予定表だと今は首相官邸で会議中だよ」
シア「はうぅ、休みなのに稟くんに会えないのは辛いッス…」
今日は日曜日、シア達は自宅で暇を持て余していた。
キキョウ「あれ?シア〜、あたしのプリン知らない?」
ギクリ、とした表情でシアは表情を固めた。
シア「あ、あれ、もしかしてキキョウちゃんのだった…?」
キキョウ「やっぱりー!楽しみにしてたのに〜!」
シアが食べてしまったプリンは結構値の張るフルーツと生クリームの乗った喫茶『フローラ』のお持ち帰り商品だった。
味はカレハ先輩のお墨付き、あの亜沙先輩を唸らせたほどだ。
キキョウ「折角限定二十食を並んでまで買って来たんだよ!?」
シア「そ、そこまで怒らなくてもいいじゃない!今度買ってくるから、ね?」
キキョウの怒りはそれでもまだ収まらないようだ。
キキョウ「無理よ。カレハ先輩に無理言って予約してもらったんだから!もう〜…」
シア「ほ、ほんとにごめんね?」

しかし、この騒ぎは序章に過ぎなかった…



シア「キキョウちゃん、ご飯できたよ〜?」
キキョウ「あたしは後で食べる…」
キキョウはまだ機嫌を直していないようだった。シアは仕方なく食卓へ戻っていった。
シア「仕方ないよね…、取り敢えずご飯食べちゃおっと」
食卓にはご飯、豚汁、煮魚、漬物、そしてオクラが並んでいた。
もちろんキキョウの方の膳にはオクラの代わりに納豆がのっている。
シア「オクラに〜かつぶしっ♪それから〜醤油をかけて〜♪」
久し振りに食べる好きなものにかなりご機嫌のシアは変な歌を歌いながらオクラを食べようとした。が、その時!
パクっ
シア「うにゃぁjma153くせgぁp45ふじこwga!!??」
キキョウ「やーい、引っ掛かった♪」
なんとシアがオクラを食べるその刹那、キキョウが魔法で納豆と入れ換えたのだ!
シア「けほっけほっ!?キキョウちゃん!?何て事するのよ!」
シアはいきなり口に入ってきた一番嫌いな物を食べてしまったらしく、口のなかにはもう残っていなかった。
キキョウ「フーンだ♪食べ物の恨みは怖いんだよ〜?」
これには流石のシアも黙ってはいなかった。
シア「やっていいことと悪いことがあるでしょ!?」
キキョウ「他人のお菓子を勝手に食べるのはやって良いことなの?」
シア「それとこれとは話が別!」
…ここからの口論は割愛させてもらいます。

893 名前:6/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:11:33 ID:iplvuy2w
シア「うぇぇ…、まだ気持ち悪い…」
シアとキキョウの喧嘩は平行線を辿り続け今現在休戦状態にある。
シア「流石に納豆はあんまりだよ…」
恐るべし、食い物の恨み!
まあ、普段温厚な方のシアでも許せない程のイタズラであるのだが。
シア「ちょっと散歩してこよ…」



キキョウ「まったく…、あの程度のイタズラであんなに怒らなくてもいいじゃない…」
キキョウにとっては些細なイタズラの筈だったが、シアからすれば嫌がらせ意外の何物でもなかった。
キキョウ「大体シアがプリン食べるのが悪いのよね。高かったのに…」
まあ、金額も一つ千円と、かなり高額なプリンであったからこそのキキョウの怒りなのだが。
キキョウ「…楓のとこに行ってみよ…」

この時点でこれ程最悪な事態になると誰が予想しただろうか。
運命の歯車は不協和音を立てて回り続ける…



シア「ただいま〜…」
シアは疲れた表情で自分の部屋へと戻っていった。
キキョウ「ただいま〜…」
キキョウもまた同じ様に戻っていった。

シア「ふぅ、稟くん……、あ、あれ…?」
シアは何かを探しているようだが、どうにもその物を見つけられないでいた。
シア「そんな?どーして無いの!?」
必死に探すがその『何か』は一向に見つからなかった。だんだんとシアの考えが悪い方向にまわりだす…
(まさか…キキョウちゃんが…?いくらなんでもそれは……え…?)
ふと気付くとシアは足元に間違いなく自分の探していたものの切れ端を発見した。
シア「まさか、これ…」
それは本体こそないものの明らかに自分の探していた『セーター』の切れ端だった。
シア「ひどいよ…いくらキキョウちゃんでも許せない…!」
シアは完全にキキョウがやったものだと思い込んでいた。

一方その頃……

キキョウ「や、やっぱりない〜!」
キキョウもシアと同様に『何か』を探していた。
キキョウ「ウソ!どーして!?」
バタバタと部屋を探し回るが一向にそれは出てこなかった。
(まさかシアが…?納豆の事はかなり怒ってたし…)
双子だけあって考えはやはり似てしまうようだ。そしてやはり…
キキョウ「これ…、私の作ったマフラー!?」
元マフラーであったであろうほつれた毛糸が出てきた。またも本体は無いようである。
キキョウ「そんな…あんなに頑張って作ったのに!…シア!」
現在、神王家にはシアとキキョウだけしか居ない。つまり、疑われるのはお互いしか居ないのだ。

ついに開幕した第二次シア&キキョウ大戦により神王家は半壊に陥った…。
894 名前:7/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:12:53 ID:iplvuy2w
〜体験学習二日目〜

魔王「じゃあ次は魔導研究所に案内するよ」
神王「おめーらが今つけてる指輪はここの研究の成果だ。頭下げとけよー」
一同「ウスッ!」
稟「どこのヤンキー社会だ…」
撫子「しかしこの指輪の使い方も慣れたな。ビール瓶の硬い所でも真っ二つに出来るほど力が上がるとは…」
先生…、貴女はどこの高みへ向かおうとしてるんですか…
樹「くそぅ…この指輪がずっと使い放題なら女性との時間を倍以上に伸ばせるのに…」
樹。お前はどんどん廃人になっていくな。…まあ、悪用しようと考えるよりましか。
とにかく、そんなこんなで体験学習二日目が始まった。



ネリネ「シアちゃん…、キキョウちゃんと何かあったんですか?」
シア「なにかどころじゃないッス!!」
いつも仲のいい二人の喧嘩にネリネは戸惑っていた。シア「せっかく1ヶ月掛けて編んだセーターダメにして謝ってもくれないんだよ!?どう思う!?」
ネリネ「それは…確かに許せませんね」
シア「でしょ〜!?その前にキキョウちゃんのプリン食べちゃったのは悪かったけどあんまりだよね!?」
シアはもはや許せん!と言った表情でネリネに訴えた。
ネリネ「セーター…、例の、ですか?」
シア「そう!だからどーしても許せないのっ!」
実はネリネはそのセーターの作り方を教えていた。だからシアの気持ちがよく分かっていた。
ネリネ「それが本当なら許せません…。キキョウちゃんはやりすぎるときがありますから」

こうしてシア&ネリネの合同軍が完成した。



キキョウ「ねー!?酷いと思わない!?」
楓「でも、シアちゃんがそんなことするんでしょうか…?」
話を聞く限りではシアがそんなことをするとは楓にはとても思えなかった。
キキョウ「でも昨日はシアしか家にいないんだし犯人はシアだけが該当するのよ!」
楓「でもそうだとするならシアちゃん、酷いです…。あのマフラーですよね?」
シアがネリネならこちらは楓に編み物を教えてもらっていた。
楓「一度わたしがシアちゃんと話してみましょうか…」
キキョウ「いいの!シアなんて!」
既にキキョウは聞く耳持たない!といった様相だ。
キキョウ「楓!手伝って!シアをギャフンと言わせてやるんだから!」
楓「え、ええ、あの、ちょっとキキョウちゃん!?」キキョウは楓の腕をグイグイと引いて教室へ戻って行った。

こうして半ば強制的にキキョウ&楓の合同軍が誕生した。

895 名前:8/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:15:57 ID:iplvuy2w
集まった四人のプリンセスで行われた話し合いは
始まりこそ静かであったが白熱した論争になり最終的には痴話喧嘩へと発展していた。

シア「あのときだってキキョウちゃん稟くんと丸一日一緒に居たじゃない!」
キキョウ「そんな事言ったらシアだって前はずっと二人っきりだったでしょ!」
ネリネ「二人とも落ち着いて下さい!」
楓「と、とりあえずその手に集約した魔法を引っ込めてくださぃ〜!!」

…まあ、この話し合い(?)により学園の大半が損壊されたわけだが…。

〜体験学習三日目〜

二日目は最後に魔王殿(まおうでん)の見学に行ったのだが…別の意味で別世界に足を踏み入れた感覚がした。
なんだあのいかにも魔王の城といったバカでかい建物は…
今日は今日で神王殿(しんおうでん)に来ている訳だがこちらも「いかにも」な作りの城だ。
神王「まあ、これで神界の神王殿の見学も終わりだ。まあ、俺ん家みたいなもんだからたまには遊びに来てくれや!」
魔王「おっと、ずるいよ神ちゃん?魔界に来たときは是非魔王殿に寄ってくれたまえ。歓迎するよ」
一同「は〜い♪」
お前らノリ軽いな…、ん、てことはこれで体験学習の全工程終了か。
稟「あの、このパスと指輪はどうすれば?」
魔王「ああ、それかい?記念に持っておいてくれたまえ。どうせ、指輪はもうじきつかえなくなる」
神王「三日分の魔力しか込めてないからな。再利用も不可能だ」
そうか、だから模造品なんだな。
魔王「パスはもってないと神王殿、魔王殿には入れない。遊びに来るには必要だよ」
神王「パスには心を見る魔法が掛けられてるから悪意があれば即刻失効されるから注意してくんな!」
この人達は何も考えてないようで実は考えてるんだな…遊びに来る場所では無いが。
神王「それじゃ、解散だ!おい、まー坊!転移魔法だ!」
魔王「分かってるよ、神ちゃん♪…あ、アレはいいのかい?」
神王「おっと、いけねぇいけねぇ、稟殿!これをシアとキキョウに渡してくんな!」
そういって紙袋を手渡された。これは?
稟「セーターとマフラー?」
神王「ちょいとシアの部屋に入ったら…」

事の起こりは二日前に遡る…

神王「シアー、いるかぁ?…なんでぇ、居ねえのか。ん?」
シアの机の上にあるのは…、セーターかぁ?
神王「ほぉ、シアのやつ、こんなものまで作れるように…」
ビビビビッ
神王「ん?・・・あぁあぁああぁぁあ??!!」
つ、机の角に引っ掛かって破れてるじゃねーか!!
神王「ま、まずい、椅子なんてレベルじゃねーぞ…そうだ!キキョウが直せるかも!?」
896 名前:9/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 04:17:00 ID:iplvuy2w
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!ガラッ
神王「キキョ、おおぉう!?」
敷居に引っ掛かった!まずいコケる!何か掴めるモンは!?
ガシッ!ビビビビッ
神王「やぁれやれ、顔面を殴打するのは免れた…キキョウ…は居ねぇか・・・・ん?」
これは、・・・・マフラー?…い、椅子に引っ掻けてあったのはこれか?もしかして今の音は…
神王「ぬわぁぁぁぁぁ!なんじゃこりゃああぁぁ!!」
ま、また破れてるじゃねーか!どどどどどうすりゃいいんだ?!
神王「こ、こういうときはアイツに頼るのが一番だ!」



神王「てなわけでまー坊に繕ってもらったわけよ」
神王のおじさんは申し訳なさそうな表情でこれまでの経緯を語ってくれた。
魔王「最初は何かと思ったよ。神ちゃんが『一生のお願いだ!』なんて言うから超特急で繕ったんだけどね」
神王様…あんたはお願いを聞く方だろう…。
神王「と言う事で稟殿から謝っておいてくれねーか?勝手に持ち出してスマンってな」
稟「仕方ないですね。分かりました」
神王「すまねぇなぁ、稟殿!」
バンバン!
いったぁ…加減を知ってくれると有り難いんだが…
魔王「それじゃ、目をつぶってリラックスしてくれ」
神王「転移魔法でお前らを人間界へ送ってやる。精神が落ち着いてないと変なとこに跳ぶから注意してくれや!」
ものすごい不安になることを明るく言わないでほしい…

すう、と目をつぶると次の瞬間、辺りから町中の喧騒が聞こえてきた。
稟「ここは…駅前?」
樹「どうやら着いたようだね」
目を開けるとそこは懐かしの光陽町そのものであった。ホントに一瞬だったな…。
撫子「よーし、全員いるな?今日はこれにて解散だ。今まで書いたレポートは後日提出するように!」
一同「はい…」
こりゃ俺を含めたみんなが書いてないな…

樹「稟はこれからどうするんだい?」
稟「まだシア達は学校のはずだからな…迎えに行くよ」
樹「ほーう、じゃあ丁度いいね…、ジャーンケーン、ほいっ!」
稟「ほい?…樹、何のじゃんけんだ?」
とっさに出したのはチョキ。樹はグー。つまり俺の負けである。
樹「丁度俺様も学校に行く用事があってね。荷物持ち、手伝ってもらうよ」
稟「な!?卑怯だぞ!」
樹「負けた稟が悪いんだよー?」
くうっ…、咄嗟に出した二本指が恨めしい…!まあ、学園に着くまでだ。甘んじて受け入れておくか。

897 名前:10/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:00:01 ID:iplvuy2w
楓「キキョウちゃん、機嫌なおしてください〜…マフラーだってシアちゃんがやった訳じゃないみたいですし…」
キキョウ「そうだけど…でも、やっぱり…」
楓はため息をつくと優しくキキョウに諭した。
楓「マフラーの事は残念ですけど、それより帰ってきた稟くんが喧嘩してる二人を見たら悲しんでしまいますよ…?」
キキョウ「………そうだね……、よし!あたし、シアに謝ってくる!」
キキョウはやっと仲直りする決意をしてくれたようだ。
楓「頑張ってください、キキョウちゃん♪」



シア「やっぱり、謝った方がいいよ、ね?」
ネリネ「キキョウちゃんではなかったみたいですし…発端はシアちゃんな訳ですから」
シアも自ら謝る決意を固めていた、が、一歩を踏み出せずにいた。
ネリネ「稟様も帰ってこられます。その時、稟様は今の二人を見たら悲しむでしょうから…謝っておくべきです」
シア「そう、だよね…、うん、キキョウちゃんにごめんって言ってくるッス!」



稟「樹、何の罰ゲームだこれは」
樹「何って稟が学園まで誰にも会いたくないって言ったからだろ?文句言わない」
だからってこの格好は無いだろ…
樹「誰にも会わないなんて無理なんだから会っても稟だってバレなきゃ問題ない。それに納得したのは稟じゃないか」
う、確かにそうだが…
樹「だいたい俺様も一緒に着てるんだから文句言わない♪一回町中で着てみたかったんだよ」
稟「お前、そんな趣味があったのか…」
樹「おいおい、稟も人の事言えないんじゃないかい?」
はあ…、まさかこんな羞恥プレイをするハメになるとは思わなかった…
稟「まあいいや、樹。寄り道せずに行くぞ。」
樹「えぇー、これで町中を歩き回ってみたいんだけどね?たちまち人気者だよ?」
だから寄り道したくないんだよ…。



稟「な、なんでこんなことに…?!」
つまり、これが冒頭の状態である。
三日ぶりに来た学園は完全に別世界に変貌したようだった。
稟「一体何があったんだ…」
樹「うーん、ボロボロの建物にその格好…意外に絵になるね」
そんな話じゃない…でも、これ程の破壊行為が出来るのは限られてくるな。
シア、ネリネ、キキョウか…もしくはプリムラだな。
いやまて、もしかしたらその他ってことも?それならヤバいかも…
稟「とにかくマズイ事になってるのは確かみたいだ。シア達を探してみよう。」
898 名前:11/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:01:26 ID:iplvuy2w
キキョウ「シ〜ア〜!」
シア「キキョウちゃん!」
キキョウがパタパタとシアの元に走ってきた。
キキョウ「えっと、そのシアに言っておきたい事があるんだ」
シア「じ、実は私も…」
???「いーや、俺達があるんだ!」
キキョウ「は?」
振り向くとそこには多数の男子生徒が立っていた。…見るからにヤバそうなタイプの奴等である。(オタク的な意味で)
シア「まさか…」
???「そう、俺達は!スキスキシアちゃん略してSSSと!」
???「かわいいよかわいいよキキョウちゃんリバース略してkkkが!」
(※表記できないがkの逆文字になっている。【>|>|>|】)
SSS&kkk「土見の居ぬ間に特攻するのが先だ〜!うおおおぉぉぉ!」
鬼の居ぬ間になんとやら、と言うヤツである。初めから失敗しているのだが…今回は少し強気なようである。
キキョウ「うるさーい!今は大事なお話し中!」
キキョウは右手に魔力を集中させたが…
キキョウ「え」
魔力は集中せず霧散してしまった。
キキョウ「まさか…魔力切れ!?」
シア「こ、こっちもだめッス〜!」
そう、連日の魔法の無駄打ちで遂に魔法が使えないほどに魔力を使いきってしまったのだ。
SSS「シアちゃーん!」
kkk「キキョウちゃーん!」
『すっきだ〜〜〜!!!』
シア&キキョウ「「きゃあああぁぁぁぁ!!!」」
ルッパーンダイヴな飛び方で親衛隊が飛び込むその刹那!

ベシバキガシゴスッ!

一瞬にして親衛隊が後方に吹っ飛ばされた。
シア「え…?だ、誰?」
キキョウ「か、仮面ライダー…カブトに電王!?」
目の前に立っているのは少年なら一度は憧れたことのあるヒーローが二人立っていた。
電王?「女性の悲鳴に俺様、参上!」
カブト? 「ヒソヒソ…(樹!違うぞ、『俺、参上!』だ!)」
樹「ヒソヒソ…(俺様流のアレンジだよ。稟も何かやってみたら?)」
稟「え、えと…、お、お婆ちゃんが言っていた…、他人の恋人に手を出す奴は馬に蹴られて三途の川、だと!」
樹「お婆ちゃん、殺伐としてるね…」
うぅ、そんなしっかり見てた訳じゃないからなぁ…
親衛隊「誰だ!貴様ら!?」
   「邪魔立てするならまずは貴様らからだ!」
   「ボッコボコにしてやんよ!」
   「うおおお
899 名前:12/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:02:49 ID:iplvuy2w
…しかし便利な道具だ。
稟「止まってる感じにしか見えないな」
樹「見てみなよ、稟。こいつなんか凄い顔だよ♪」
俺達からすれば全てのものが止まって見えてるから何とも不思議な気分だ。
さて、とにかくシアとキキョウを別の場所に移動させないとな。
俺は縮こまっていたシアとキキョウを抱き寄せた。
稟「よっ…と、樹。逃げるぞ?」
樹「このままじゃまた追っかけてくるよ。ここは俺様に任せて♪」
なんか異様に楽しそうだなコイツ…あれか、どこぞの戦闘民族か?
稟「わかった、やりすぎないようにな?」
樹「オーケー!」
今なら屋上までも軽く跳べそうだ。よし…
稟「ていっ!」
シュタッ!ふぅ…よし、指輪の力を解除しよう。


シア「きゃあ!あ、あれ?」
キキョウ「ここ…は、屋上?あ、あなたは一体…」
あ、そうか。俺が土見稟だって事は誰にも分からないよな。仮面かぶってるし…
稟「大丈夫か?シア、キキョウ」
キキョウ「えぇ!?その声…」
シア「稟くん!?なんでそんな格好なの?!」
稟「言ったろ?帰ってきたら一番最初に会いに来るって。よっ、ふう」
俺はメットを外してようやく二人に顔を合わせた。
稟「そのまま来たら途中で誰かに会いそうな気がしてな。顔を隠すのに役にたっ…」
シアとキキョウは今にも泣きそうな顔で、それでいてとても嬉しそうな顔をしていた。
シア「稟くん!」
キキョウ「稟!」
いきなり二人が飛び付いてきた。
稟「ちょっ、どうしたんだ?二人とも。三日会わなかっただけで大袈裟だな」
キキョウ「言ったでしょ?私たちは我慢強くないんだって」
シア「そうだよ!…寂しかったんだから」
拗ねた表情でじゃれついてくる二人がとても愛しかった…
シア「そう言えばもう一人の人は?あれは…緑葉くん?」
稟「樹か。樹なら今、あそこで…」
ん?なんか変な叫び声が聞こえるな?

樹「これは稟に奪われたシアちゃんとキキョウちゃんの分!これは稟に奪われた楓ちゃんの心の分!これは(ry」
親衛隊「うわぁぁぁ!」
樹「そしてこれは俺様の嫉妬だぁぁ!!たーのしー♪」
稟「・・・・ストレス発散中だ」
キキョウ「嫉妬の塊だね…」
俺が指輪つけてなかったら間違いなく攻撃対象だったな…
シア「でも、稟くんに会ったらいままでイライラしてたのが嘘みたいに消えちゃった♪」
キキョウ「うん♪ほんとに!…いろいろゴメンね、シア…」
シア「ううん、私だって悪かったんだもん。ゴメンね、キキョウちゃん…」
稟「そうだ、一体何があったんだ?学園はボロボロだし…」
シアとキキョウはバツが悪そうにオズオズと答えた。シア&キキョウ「「実は…」」

900 名前:13/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:04:06 ID:iplvuy2w
稟「なるほど、そんなことがあったのか…いくらなんでも学園崩壊はやりすぎだぞ」
シア「あうぅぅ、ゴメンナサイ…」
キキョウ「でもあたし…カチンと来ちゃって…」
稟「人に嫌いなものを無理矢理食べさせるなんてあまり誉められたもんじゃないぞ。」
キキョウ「ごめんなさい…」
いつもの調子のいいキキョウからは想像できないほどキキョウは大人しくなっていた。
稟「まあ、プリンの件は仕方ないだろ。名前書いてたわけでもないし…今度マスターに頼んでみるよ」
キキョウ「え?知り合いなの?」
ふっふっふっ…喫茶フローラ常連を嘗めるなよ?
稟「ああ、マスターも帆船模型が好きでさ、少しだけ仲がいいんだ」
キキョウ「ホントの、ホントに?」
キキョウはキラキラと目を輝かせて子供のように聞き返してきた。
稟「カレハ先輩もいるし頼めばイケると思うぞ」
シア「おぉ!稟くん凄いッス!私の分まで…頼める?」
稟「おう!まかせとけ!」…ちょっと高いけど二人のためだ。少し頑張ろう。
稟「でだ…、この喧嘩の最大の原因だろうと思われるセーターとマフラーだが…これじゃないか?」
そう言って新王のおじさんからの預かりものを二人に手渡した。
シア「え…、なんで稟くんが?それにどこも破れてない…」
キキョウ「ホントだ…確かに家にあったのはあたしの編んだマフラーの切れ端だったのに…?」
稟「実はな…」
俺は事の顛末を全てシアとキキョウに話すことにした。



稟「というわけで、まあ、新王のおじさんが破いたものを魔王のおじさんに直してもらったわけだ。…んん?シア?」
ゆら〜り…
シア「ふーん、犯人はお父さんだったんだ…そっかぁ…」
あ、あの、シアさん?なんだか目が怖いんですが?
ゆら〜り…
キキョウ「シア、美術室に大きな椅子あったよね…?」
キ、キキョウさん?椅子をなにするんですか?
シア「あたしはそこのベンチを持っていくッス…」
シアさん、ベンチは持ち歩くものじゃないですよ?
シア「あ、稟くん。カエちゃんに頼んであるんだけど準備お願いしちゃっていいかな?」
キキョウ「多分楓が全部やっちゃうわよ。稟は家でゆっくり待ってて♪」
稟「あ、ああ、分かったよ」
物凄い気迫だ…。有無を言わせないとはこの事か…。
願わくば…新王のおじさんの命がありますようにっ!!

901 名前:14/14[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:08:34 ID:iplvuy2w
〜その日の夜〜

ネリネ&楓「ハッピーバースデーテューユー♪」
神王&魔王「ハッピーバースデーテューユー♪」
麻弓&樹「ハッピー♪」
カレハ「バースディ♪」
プリムラ「ディア…」
亜沙「稟ちゃーん♪」

シア&キキョウ「ハッピー バースディ テュー ユー…♪」

一同「おめでとー!!」
稟「ありがとう、皆。な、なんか照れるな」
こんな大人数に祝われたのは初めてだ。
シアにキキョウを始め、楓、ネリネ、プリムラ、亜沙先輩にカレハ先輩、麻弓に樹、魔王のおじさんに…

…顔がボコボコの新王のおじさん…

う、うん、まあいい誕生日だよ!うん!
シア「はい、稟くん。これが私からのプレゼント♪」
キキョウ「あたしからはコレ♪もう分かってると思うけど…」
稟「これは…さっきのセーターとマフラー?」
 あ 、俺 の だ っ た ん だ 。よく考えればそれ以外ないよな…。
稟「ありがとう、大事にするよ。」
魔王「さ、稟ちゃん。少し暑いかもしれないけど着てみてくれ。記念に写真を撮ろう」
稟「はい。…少し大きめだけどちょうどいいかな?」
シア「縮んで着れなくなるとイヤだからちょっとだけ大きく作ってあるッス♪」あとキキョウの編んだマフラー… 長 っ !
稟「な、なんでこんな長いんだ?三人分くらいあるぞ?」
キキョウ「なんでって…もちろん三人分だからだよ?」
稟「へ?」
シア「あっ、なるほど!こーするんだ?」
シアとキキョウはくるくるっと自分の首に余った両端を巻いてみせた。
稟「さ、三人用なんだ…」
シア「えへへ♪稟くんの隣は私たちの特等席ッス♪」
キキョウ「へへっ♪この為に長〜くしたんだからっ♪」
亜沙「へーっ!考えたわね」
樹「りーん♪…」
稟「却下」
全く油断も隙もない…。
神王「それじゃあ、いっちょ撮るかぁ!」
魔王「タイマーをセットして、と。いくよー?」
ジーーー…
シア「キキョウちゃん」
キキョウ「やっちゃおっか♪」稟「え?」
ーーーカシャッ!

俺のアルバムには両ほほに女神のキスを受けた写真が残っている…
902 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/02(土) 05:12:33 ID:iplvuy2w
終わりッス…

今回は焦った…
規制食らったかと思ってエロパロ板に投下しようかとして最後に確認したら出来るじゃん…

本当にお騒がせしましたorz

 [戻る]