- 360 名前:348[sage] 投稿日:2007/12/25(火) 18:20:13 ID:Mv7f0Kab
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褒めてもらったので調子に乗ってもう一本書いてみた
相変わらずの駄文で良ければ読んでやってくだせえ
- 361 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/25(火) 18:21:28 ID:Mv7f0Kab
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頭上から聞こえる美しい旋律。
そして後頭部に感じる柔らかな太ももの感触。
それらの心地よさに身を委ねながらふと視線をあげれば、そこにはゆったりと歌うネリネの顔。
「…どうかされましたか、稟さま?」
「いや、なんでもないよ」
俺の視線に気づき、優しく微笑むネリネに俺も照れつつ微笑みを返したのだった。
何気ない恋人達の一日、或いはいちゃいちゃバカップルその2
事の起こりはある休日の昼下がり、俺が恋人であるネリネの家を訪れたことから始まった。
特に何をするわけでもなく、空調の効いたネリネの部屋でただまったりと過ごしていた俺達。
最高級品だと思われるふっかふかのベッドに背を沈ませながら、腹の上に立てた雑誌を単調に眺めていた俺にネリネがそっと俺の頭を持ち上げ、自らの膝を枕に差し出してくれたのだ。
「〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪」
ネリネの優しい歌声をBGMに、非常に安らかな気分を味わいながら雑誌を捲る。
と、言ってももう殆ど雑誌の内容は頭に入ってきていない。
落ちついた雰囲気に、雑誌に意識を集中させられなくなってしまったらしい。
我ながら単純だとは思うが、普段からは考えられないほどに穏やかな時間に、自分が心の底からリラックスしているのが自覚できた。
そして、穏やかに歌うその表情から読み取るに、きっとネリネも同じ気持ちなのだろうと思う。
そのことが堪らなく嬉しくて、そう思ってくれているネリネが愛しい。
そんなことを思いながら、再びネリネの歌声に身を委ね…かけたところで俺は躊躇いつつも口を開いた。
「……ところでネリネ? さっきから何してるんだ?」
苦笑しつつ、視線を上げる。
実は先ほどからネリネが俺の髪をその細い指先で何度となく弄ってはその度に嬉しそうに微笑んでいたのだ。
「何でもありませんよ、ふふ…」
何でも無いと言いつつもその微笑みを絶やすことなく、ネリネは俺の髪を弄り続ける。
「俺の髪なんか弄っても面白くも何ともないだろうに…」
「そんなことありませんよ? こうしていると、とっても安心するんです」
正直髪を弄られるのは恥ずかしい、というか照れくさいのだが、ネリネの嬉しそうな様子に止めさせるのも憚られた。
気恥ずかしさにとりあえず視線をずらし、誤魔化そうとするものの、頬が熱いのはどうすることも出来なかった。
- 362 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/25(火) 18:22:03 ID:Mv7f0Kab
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「……ん?」
「どうかされましたか?」
「いや、ちょっとアレが目に入って…」
思わず口に出してしまった言葉にネリネが敏感に反応する。
そこで俺はずらした視線の先のあるものを指差した。
そこにあるのはネリネの部屋の壁に立てかけられた一枚の美しい鏡。
「ふふっ、あの時は大変な騒ぎでしたね」
「まったくだ」
この鏡と、どこぞの貧乳が引き起こしてくれた大騒動。
つまり、過去の魔界に飛ばされ歴史を変革させてしまった件からしばらくの時が過ぎ去っていた。
今でこそこうして笑い話にしているが、実はかなり洒落にならない事態だったような気がする今日この頃。
尤も当時そんな風に考えてる奴は誰一人としていなかった気がするが…。
そんな風にしてその時のことを思い出していると、ふとあることを思い出した。
「そういや俺、あの時セージさんに膝枕しちゃったんだよな。今考えると結構凄いことしちゃった気がするなあ。彼女のお母さんに膝枕って…」
「り、稟さまがお母様に!? む〜〜〜!」
苦笑する俺に対してぷぅっとふくれるネリネ。
「ごめんごめん! …けどさ、実はその日の夜におじさんに呼び出されてさ、その時のことについて色々と話をさせられたんだよ。あれってやっぱりヤキモチ妬いてたのかな?」
今のネリネみたいにさ、という言葉は呑み込みながら手を伸ばし、頭上のネリネの頬を優しく撫でる。
すると瞬く間にネリネの機嫌は良くなったようで、再び微笑むと、俺の手に頬ずりしながら頷いた。
「きっとそうだと思います。お父様、お母様のことになるとすぐに取り乱しますから」
「やっぱり? 次の日おじさんがセージさんに膝枕されてる所に出くわしたんだけどさ、
『今度俺も頼もうかな』
って言ったら、
『残念ながら、この枕は私専用だから、稟ちゃんは、ネリネちゃんの胸でも使ってくれたまえ』
だってさ。もう御馳走様って感じだったよ」
「まあ、お父様ったら…」
笑い合う俺達。
ちなみに同じことを樹に話した所、
「魔王様も稟にだけは言われたくないだろうけどね」
と真面目な顔で即座に返された。
ぐうの音も出ない、と言うのはこういうことなんだなと実感した。
- 363 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/25(火) 18:22:36 ID:Mv7f0Kab
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その後もしばらく談笑していた俺達だったが、
「…それで、その時リアさんが…ふぁ、ふわ〜〜〜ぁ……!」
思わず浮かんでしまった大欠伸。
空調の効いた部屋で心地よい感触に包まれているうちに、睡魔に随分意識が侵食されてしまっていたようだ。
「あ、アハハ、ごめん…」
「いいえ、このままお休みになられますか?」
恥ずかしさを誤魔化すように笑って眠気を噛み殺そうとするものの、ネリネは微笑んだままかぶりを振り、俺の頭を優しく撫で始めた。
さてどうしようかと悩み始めた俺の脳裏に二つの選択肢が現れた。
・頑張って起きてネリネと話を続ける
・お言葉に甘えて眠らせてもらう
しばしの逡巡の後、俺の選んだ選択は、
「え〜と、ならお言葉に甘えて…」
照れ笑いを浮かべながらネリネの膝枕で眠りに就こうとする俺。
だが、ネリネはそっと俺の頭を持ち上げ、それを押し留めた。
「…ネリネ?」
ネリネの不可思議な行動に俺は身を起し、向かい合う。
するとネリネは視線をあちこち彷徨わせ、長い耳の先まで真っ赤に染めながら、恥ずかしそうに口を開いた。
「ぁ、あの、その、えと、……む、胸枕、おっけーですよ?」
「へ!? …え〜と、その、胸枕って、昔のおじさんの言ってた?」
「……………(コクン)」
突然のネリネのセリフに戸惑いを隠せない俺。
だがその小さな呟きを完全に理解した瞬間、今まで身を潜めていた欲望が目を覚ましてしまった。
そしてまじまじとネリネの胸元へ視線を注いでしまう。
何度見ても飽きない、反則だと思えるほどの圧倒的なボリュームを誇る美しい塊に思わず生唾を飲み込む。
「ほ、ホントにいいのか?」
「は、はい。稟さまがお嫌でなければ…是非…」
「じゃ、じゃあ…」
ネリネの言葉に導かれるように俺はネリネへと近づく。
ふよん♪ むにゅ♪
頬に当たる感動的なまでに極上の感触に、俺の中の欲望がどんどん膨れ上がってくる。
睡魔:欲望は7:3から始まり、5:5へ、そしてさらに欲望側へ傾いていきそうな勢いだった。
(こ、こんな状況で眠れるかな。…やっぱり無理か)
他人事のようにそんなことを考えながら、建前上一応俺は瞼を閉じた。
- 364 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/25(火) 18:23:04 ID:Mv7f0Kab
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以上。
クリスマスにこんな文章を書いてると本気で死にたくなったorz